第二話 パル親子との別れ
チュンッ チュンチュンッ
ノエルとパルは鳥のさえずりによって起き、朝食を食べた後ノエルは、パルの母親を手伝ったりパルと遊んだりして昼まで過ごした。そして、昼食を食べた後荷物を持ってパルとパルの母親の前に立った。
「昨夜は泊めていただきありがとうございました。俺は、これから用があるのでおいとまします。一泊でしたがお世話になりました。」
ノエルが頭を下げると、パルが不満の声を漏らした。
「え~、行っちゃうの?ここに居てよ。」
「ここに居たいのは山々なんだけど、今からやらなければいけない事があるから、それえが終わったらまた来るよ。」
「うぅ~、分かった。」
「ん、ありがと。そうだ、パルのお母様少ないですがこれを....。」
「?...!?.....これは...。」
ノエルは、掌サイズの袋を二つパルの母親に渡した。一つは硬貨、もう一つは小さな果実だった。
「っいいですよ。こんなにも....。私たちには何の見返りもありませし....。」
「それは、見知らぬ俺を泊めてくれたお礼と俺の援助したいという気持ちです。どうか、受け取って下さい。それに、俺にとってあなたとパルが幸せに暮らし元気な姿で生きている事が何よりの恩返しです。」
そう言った時のノエルの表情はとても優しく温かかった。




