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お母様は麺中毒

作者: 目在

「今日はナポリタンよ。」

「……。」


そう、『今日』はナポリタンである。つまり昼にも食べたのだ。ついでに言うと朝も。


そして、昨日はぺペロンチーノだった。



「いただきま~す。」

「……いただきます。」


ここ十日間、麺類しか食べてない。最初の二日間は一人暮らし状態で、飯を作るのが面倒だからカップ麺しか食べていなかった。そのことを母に知られた時、

「もう、そんなに麺類を食べたかったら言えば作り置きしておいたのよ?」

と笑顔で言われ、それ以降我が家の章食卓には麺類しか出てこない。



別に麺類が好きな訳ではない。ただ飯を作るのが面倒だったと何度言っても母は、

「あら、隠さなくていいのよ? お母さん嬉しいの。あなたも麺類が好きだって知って。」

と言って話をまともに聞いてくれない。



一昨日麺類以外が食べたいと言ったところ、母は何故かブチ切れて麺の素晴らしさを語りだし、完食したことを理由に引き上げるまで口を動かし続けた。



なんとかして麺料理を脱しようと料理当番を代わることを提案すると、

「じゃあ冷やし中華で。」

と言われ、リクエストは受け付けないと食料を確認しようとすると何故か麺料理に使う材料しか無く。


……半月前買った米はどうしたんだ!?



やがて、我が家の母は麺中毒なのではないかという疑惑が浮上したのは仕方がないと思う。



今、母は楽しそうにクッキングサイトの麺類のページを開いて、

「明日は何にしようかしら~?」

と悩んでいる。



学校に持っていく弁当も母が作って強制的に持たされるため、友人にも、

「今日も麺類か。何日め? いつまで続くの?」

と聞かれるようになった。いつまで続くのかは誰にも分からない。多分、母にも。


……聞いたら絶望が待っている気がするので聞きたくもないが。



「そっちのお母様は面白い人だねぇ。」

と友人は笑うが、やがて友人も巻き込まれることになると思う。なんせ、一度我が家で飯を食べに来た時に友人は母の作った料理に対して星三つと称していてそれ以来気に入られているのだから。



友人以外に被害が出る前に我が家のお母様の麺中毒が治ることを祈りながら何か飲もうと冷蔵庫を開けると、そこには『スパゲティに使えるトマトジュース』が平然と置いてあった。


明日はスパゲティか。

完読いただき、ありがとうございます。

誤字、表現が意味不明なところがございましたらご指摘よろしくお願いいたします。

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