第一章 悠と相馬と少女
「そうまーー!起きてーー!」
私の一日はこの言葉から始まる。朝5:45、自分の部屋のベットの上で目をこすりながら、この言葉を言う。
すぐに「んー。」という言葉が返ってきて私が自分の部屋から出るのと同時に隣の部屋から相馬出てくる。
「はよ。」 「ん、はよ。」
おはようのかなり短いバージョンをいい、二人ともさっさと1階に降りる。
おりたら私はエプロンを着て朝ご飯を作り出し相馬は昨日の洗濯物を干す。そしてご飯を食べ、歯磨きをして、顔を洗って、制服をきて
「いってきまーす。」
「・・・いってきま。」
相馬がカギをかけ私が先に歩きだす。
毎日このパターン。これに慣れきっている。
私、武藤 悠普通の女子高生。こいつ、中川 相馬と暮らしている。昔、事故でお母さんとお父さんを同時に亡くした。相馬とは昔から家族とも仲良くて相馬の家に引き取られたが、相馬のお父さんとお母さんは昔、離婚していてお母さんは仕事が忙しくてほとんど帰ってこない。
だからほぼ二人暮らしなのだ。
相馬も私も同じ1年生。前はそういうことにうるさい同級生もいたが、私も相馬もそういうタイプじゃないし最近はうるさいやつはいない。
学校に着く。
「はる、おはよー。」
「はよ。」
「おはよー。」
「はよ。」
「はるーー!おっす!」
「・・・おっす。」
仲のいい友達と軽い会話をする。私は誰とでもなれあうタイプではないがこの3人は別。
相馬もそういう感じだから、あんがい似ているのかもしれない。
教室に入るといつもと同じ席に座る。いつもと同じ友達と話しながら、相馬がはいってくるのを見る。
授業が始まると、いつもと同じできちんと受ける。相馬は頭がいい。私はたいしたことないが。
いつもと同じ毎日を過ごした後、いつもと同じ道を通って帰る・・・・・・が、今日は違うところがあった。
女の子が立っている。ふわふわの髪のかわいらしいまだ小さい少女。まっ白いワンピースを着ている。
なにしてるんだろう?
なにもやってないように見えるな。ただたってるだけ?
なるべく目を合わせないように私は通り過ぎる。
「ただいま。」
家に着いた。なんとなく安心。
「・・・かえり。」
「ああ。相馬はやかったんだねえ。」
「ああ。ところで・・・・・・その子は何だ?」
「へ・・・・・・?」
ゆっくり後ろを向く。
「さっさっさっさ・・・さっきの子!!!!!」
なんでこんなところに!!!ついてきたのか??????
言葉にできない驚きがあった。
「あたし・・・。」
喋った!!私と相馬はその子を凝視する。
「行く場所内の。ここにおいて?」
・・・・・・・・・・・・・・・はあ・・・・?
私と相馬がポカーンとしている。
このときは想像もしなかった。
これから起こる不思議な日々を・・・・・・。