お茶会の後は…
ユナカイトが帰って来たのは二時間後だった。
雨は滝のようにふり、パンツまで濡れたとユナカイトはこぼしていたが、アルベイルとアイリは微笑んだだけで労いはしなかった。
そもそも、仕事をためるのがいけないのだ。
ユナカイトだけが困るなら構わないが、部下にまで迷惑がかかるからこそアルベイルは無理矢理にでもさせないといけないのだ、と話された。
アイリは風呂に湯を張り待ち構えていたので、ユナカイトを風呂に向かわせた。
玄関で着ていたものをすべて脱いで髪を拭きながら風呂に向かうユナカイトをアイリは見送り、主がはいていた靴の汚れと水気を拭いてから暖炉のそばに置いた。
ある程度水気がなくなたら、吊るしてほそうと考えていたらアルベイルに声をかけられた。
「アイリ、ユナはいつもあの様な格好を?」
何故か眉間を押さえている。
目でも痛いのだろうか?
「あの様な、とは?」
「裸でうろつきまわるんですか?」
アイリは頷いた。
ユナカイトはパンツ一丁でけっこううろうろする。
ズボンはいても、基本室内ではパン一か半裸だ。
本人いわく、暑がりなのだそうだ。
「全裸は今日みたいな場合ありますけど、いつもは下はいてますよ。」
アルベイルはきちんと服を着ている派に見えたので、アイリはフォローのつもりで一言そえた。
「そういう問題じゃあないでしょう!」
「主が変わった行動しても目をつぶる、見なかった事にするは使用人の鉄則ですよ。」
自分の身に火の粉がふりかかったりしない限り、だが。
シュトーレンの屋敷では、モルゲン様や奥様が裸でうろついたり、めんどくさいとかぼやく姿なんて見たことなかったが、今アイリの主はユナカイトだ。
ある程度仕方がないと割り切り、目をつぶりながら仕える所存だ。
あの様な魔窟に家を変えてしまうような人間相手に尊敬など、悪いができない。
アイリは幼くともプロとしての矜持と、技術を、知識を、心得を奥様達に教わった。
だからこそ、それに報いる仕事をしたいのだ。
「貴女の考えは素晴らしいですが、ユナはもう海より深く反省して、気をつけてもらわないと。」
ふっと微笑みを浮かべたアルベイルはすこぶる美しかったが、夜闇よりもどす黒いオーラを発していた。
アイリは使用人らしく、見なかった事にして夕食の支度を始めた。
夕食を終えた後、アルベイルがユナカイトに説教し始め、それはアイリが眠りに落ちてもなお続けられた。
お茶会の後は説教タイムでした。
アルベイルはご飯の前に風呂に入りました。




