表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんとか残った外様の小大名の話(歴史雑談)  作者: 伊丹 美鈴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/21

第14話は宋家です

 第14話は対馬国の宋家です。朝鮮国との貿易で栄えた宋氏でしたが、天下人となった豊臣秀吉の無理難題に苦しみます。また、徳川家康が天下を取ると国交回復に尽力します。その過程で国書偽造・改ざんを行ったことが、約20年後に藩の家老によって暴露され、改易の危機が訪れます。今回は宋義調さん、宋義智さん、宋良成さんの話です。

 宋氏のルーツは、鎌倉時代初期に大宰府少弐武藤資頼の被官として対馬最大の豪族である阿比留氏を討伐した宗重尚を初代としています。鎌倉時代の後期には、対馬国地頭を務めた宋助国が文永11年(1274年)の元寇(文永の役)において戦死したという記録があります。

 話は戦国時代まで飛びます。宋義調は天文元年(1532年)宋晴康の子として生まれます。天文22年(1553年)父から家督を継ぎます。宋義調は李氏朝鮮の倭寇対策に協力します。弘治3年(1557年)李氏朝鮮と通称条約である丁巳約条を結んで貿易を拡大し、宋氏の貿易における繁栄をもたらしました。対馬は山地が多く耕地が少ないため、宋氏は朝鮮との貿易による利益に依存していました、朝鮮の釜山に「倭館」と呼ばれる日本人居留地を建設し、取引を行っていました。

 天正15年(1587年)秀吉の九州征伐が始まると、5月に家督に復帰します。(宋義智に跡を継がせて隠居中であったが緊急時であり、義智がまだ若かったため)。宋義調は宋義智と共に秀吉の九州征伐に参陣し、本領を安堵されます。しかし、秀吉は宋義調に対して「1年以内に朝鮮国王が日本に従属するという交渉がまとまらなければ朝鮮に出兵する」という無理難題を押し付けたとされます。宋義調は交渉半ばで、天正16年(1588年)病死します。再び、宋義智が跡を継ぎます。

 宋義智は、朝鮮国に秀吉による全国統一に対する祝賀使節を送るように要請します。そして、天正18年(1590年)に来日した使節を秀吉には服属使として謁見させます。秀吉は朝鮮が服属したものと思い、明征服の先導(征明嚮導)を命じるように伝えます。当時の朝鮮は明の冊封国ですので、秀吉の明征服事業を先導する可能性はなかったので、宋義智は、明へ行くための道を貸してほしい(假途入明または仮道入明)と朝鮮国に要請します。しかし、これも実現しませんでした。

 天正20年(1592年)からの文禄の役が始まると、宋義智は小西行長らと一番隊に編入され、日本軍の先鋒として戦います。

 慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦いでは、宋義智は西軍として参加します。本来ならば、改易のところ、朝鮮との国交回復を望む徳川家康から許され、所領を安堵されます。幕府成立とともに宋義智は対馬府中藩(単に対馬藩ともいう)初代藩主となります。

 朝鮮国との国交回復のための交渉の中で、朝鮮国側からの要求の一つが謝罪の国書を提出することでした。豊臣家が起こした戦で徳川家康に謝罪の国書を依頼することが難しいと判断した宋義智は慶長10年(1605年)に国書を偽造して朝鮮国に提出します。そして、朝鮮側の回答使の返書も辻褄が合うように改ざんします。そして、回答使も通信使と偽ります。そして、慶長14年(1609年)貿易協定である己酉約条を締結します。

 2代藩主宋義成の時、寛永8年(1631年)に対馬藩家老の柳川調興が国書偽造を幕府に暴露します(柳川一件)。幕府による調査結果を踏まえて、寛永12年(1635年)3代将軍家光の裁定が行われました。藩主宋義成は無罪、家老柳川調興は流罪(津軽藩預かり)となります。「今後も宋家を介して朝鮮との外交を行うのが得策」と政治的判断がなされたようです。

 あくまで筆者個人の感想ですが、宋氏は時の権力者と朝鮮国との間で双方の立場の板挟みになっていて、相当危ない橋を渡ってたんだなと思いました。

 これで第14話は終わりです。ではまた、第15話でお会いしましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ