迎合
投稿設定を間違ってましたorz
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「へぇ、こりゃあすごいね」
少女と青年が出会ってさほど時間は経っていない。
彼女がこなれた手つきで狼煙の信号を送ると、どこからともなく荷車の隊列が街道に現れた。
「これ全部アンタが狩ったのかい?」
先頭の幌馬車から代表らしい婦人が声をかけた。
若々しい響きは精気を保っている。顔こそ小皺が刻まれているものの、広い肩幅と逞しい四肢は言葉を介さずして目の前の人物の力強さを示している。
「あぁ、いや…」青年は罪人と一緒に繋がれていた経緯を思い出す。
弁明の面倒を天秤にかけた結果、「そうだ」と言わざるを得なかった。
後ろめたさで脇を見ると、少女は無言のままこちらを見つめかえしていた。
婦人は笑顔で頷く。
「なぁ爺さん、見てみなよ。こんなひょっころいのが殿猪を狩ったんだってよ。面白いじゃないか、えぇ?」
「うるせぇババァ、聞こえてるよ」
幌馬車から降り立ったのは婦人とは対象的に、小柄な老人だった。
驚いたことに、その背には見覚えのある拵の剣…日本刀にも似た大太刀を背負っている。
「フン…奇っ怪な見た目をしているな」
偏屈そうな老人は口をへの字に固めていた。細かく整えられている白い髭と髪が余計に神経質そうな印象を与えている。
鋭い眼光が青年の腰…そこに差した小刀を捉える。
「…確かに、お前さんが狩ったというのは間違いないようだ」
老人は何かを婦人に伝えると、そのまま獣の亡骸を確かめに行った。
「よし、じゃあ乗りな。アタシらの村に行くよ」
他に行くところもない。
青年は促されるまま乗り込むと、少女もそれに続いた。




