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アンドレイの特技


 謎の宣言以降、セルゲイの都合次第だが、午後は魔術の実技になってしまった。

 これまでは、午後は結構休みだったりしてたのに。

 しかもリュドミラ先生の魔術の時間はそのままである。


「魔術の時間、重視され過ぎでは?」


「割と姫様の自業自得っスよ。

 座学が進みすぎるんス。

 御自分がまだ4歳って分かってます?」


「今までまともに4歳児扱いされてなかったのに?」

 

 前世の常識が通用しない事に加えて、言語チートも無かった以上、勉強のコツが分かっているというアドバンテージを十全に活用しようとするのは、当然では?


「それもそうっスけど、転生者らしく無いとこもあるじゃないっスか。

 魔術にあんまり興味が無いみたいっスよね?

 最初は、楽しみにしてたみたいなのに」


「……」


「ニホンからの転生者だと、魔力の無い世界だったとかで、放っておいても魔術の練習を始めちゃうのが要注意ってのが鉄板だったんスけどね」


「……」


「と、いう訳で、姫様。

『レーザー』の魔術、やってみて下さい」


「レーザー?」

 断じて魔術ではない。物理屋が怒るぞ。


「やっぱり、ご存知なんスね。

 ちょっとやってみて下さい」


「まぁ、いいけど」

 レーザーは人工光、自然光なら波長がバラバラだし、同じでも波の山谷までは重ならない。

 完全に波が重なっている事で、指向性の強い光になっているのがレーザー。


 という訳で、

「可視光の赤で、同位相」

 物理は専門では無かったらしく、イメージしづらいが

「お! 出来た」

 指先から赤い光が真っ直ぐ的に向かっている。


「……一応お聞きしますが、これは?」

「レーザーポインター、だね」

 離れたものを指し示す時に便利です。


「姫様、それ、もっと……」


「アレクサンドラ様、訓練中に失礼します。

 王妃陛下がお呼びです」


「あ、鏡の件っスね。

 姫様、行きましょう」


「鏡の件?」

 もう終わったのでは?


「素材の再確認が終わったんだと思うっス」


「素材の再確認?」


「魔素が多い素材が使ってあると、意図とは違う出来上がりになる場合があるんで」


 つまり、魔素が多い材料で作った物は、出来上がりから付喪神状態、と。

 この世界、なかなか慣れないなぁ。



「お待たせ致しました」

「お待たせしました」


 連れて行かれた先では父も居て、普段とは打って変わって真面目な態度のセルゲイ。

 やれば出来る、というのを見せた上でやらないってどうなんですかね。

 

「気楽にしてくれて構わない」

 父はそう言うが、両親とも盛装なんだよね。


「謁見の前の空き時間なんだ」

 気後れしている私に気がついた父が、笑って頭を撫でてくれた。


 母にも撫でてもらう。

「アレクちゃんが良ければ、戦闘指南はわたくしがやりますよ」

「王妃陛下、もう決まった事ですから」


 ……出来れば、もっと普通の先生が良いです。

 力押しの脳筋(伝聞)or一撃必殺の暗殺者(アサシン)(推定)ではなく。


 苦笑する父に促されて、鏡の前に移動する。


「鏡に特に異常はありませんでした」

 調べてくれたらしい人が言う。


「アレクサンドラ、再現してみてくれるかい?」

 ……一人遊びを、改めて人に披露するのキツイな。


 ランタン達を振り返る。

「お願い出来る?」

 絶対、ランタン達のせいなんだと思うんだよ。


「「らんた~ん」」

 体を捻ってるだけで、反応の悪いランタン達。

 

「同じようにされないと反応が無いのでは?」

 くっ。やっぱりか。しょうがない。


「鏡よ、鏡よ、鏡さん。

 この国で一番美しい人はだ~れだ?」


「「らんた~ん」」


「おや?」「あら?」

「……アンドレイだ」


「え?自分ですか?」

 先ほど合流したアンドレイがオロオロしている。

 鏡の正面に居る私ではなく、そのオロオロしたアンドレイの正面からの姿が鏡に映っている。


「……分かりました。

 恐らく、魅了魔術のせいでしょう」

 何だか不穏な事を言うセルゲイ。


「ああ、魅了魔術の技量が高い者を美しいとみなしているのか」

 意味が分かったらしい父。


「「らんた~ん」」

 得意そうなランタン達。


「そういう事」

 ため息をつく母。


「アレクサンドラ、次は『国で一番美しい女性が誰か』にしてくれるかい?」

 ……もう一回やるのかぁ。



「……やっぱり。そうみたいだね」

 もう一回どころか、条件を変えて何度かやらされました。

 あの言い方でないとダメなのは、私が前世の知識からアニメでのシーンなんかを思い出していたのと、少量ながら魔力の発散があったため。

 理由が分かってからは、普通にランタン達にお願いして出来るようになった。

 ランタン達は、私との遊びの延長線上でやってる事なので、あの言い方の方が好きみたいだけど。


「アレクサンドラ、この事は皆には秘密にしておくんだよ」

 監視付き4歳児に何が出来るかとも思うが、素直に頷いておく。

 ちょっと知りたくない事を知ってしまったしね。


 ちなみに、アンドレイが魅了魔術が得意なのは、過去に起こった事件の対策のためらしいです。



読んで下さってありがとうございます。


エピソード間の繋ぎ的な話のため、盛り上がりに欠けてて申し訳ありません。


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