休日の会話
水滴の大きさは逆に考えて、前世で多分2mm位だったと思うから、
0.2³=0.008、0.21³=0.009261、0.22³=0.010648で、
0.21~0.22cmまで分かればもういいかな。
(※r³≒0.00955cm³でrを計算すると、0.212cm位です。
現代だと、関数電卓など多機能の電卓で計算したりするのが一般的かと。
手計算の方法は、理数系でも覚えている範疇には無いと思います)
「今度こそ、水滴の大きさを測る!」
昨日、授業が終わった後で相談したら、曾祖父様とゼリマノフさんが主導で作ったスポイトがある、と分かったので、お願いしておいた。
それから、この世界の定規。
単位はキュビットとディジット。
1キュビットが、アトラス文明のお偉いさんの肘から中指の先までの長さ。
お偉いさんのサイズは、今世の人の大きさと特には変わらないので、成人男性の肘から指先。
1ディジットはこの25分の1。
最小目盛りは、この10分割だが単位は無い。
(※ディジットとキュビットは、地球では古代エジプトやメソポタミアで使われていました。
この作中では、この世界の単位として名前を拝借しています)
他にも、測容器(容量が測れる容器の事)として、金属製の軽量カップをもらった。
単位はミール。
人が1食に食べる小麦の量からきているが、先史文明時代に統一された後に、もう一回地域差が出来たらしい。
一応、この国の中では統一単位で、魔法や魔道具製作のような正確さを要求される分野でも使える。
「セルゲイ、これをこう、縦にして動かないように持ってて」
「ほい」
セルゲイには、
「今日は休みなんで、護衛はしないっス。なんかあっても自分で何とかして」
と挨拶代わりに言われたのだ。
じゃあ何で来たとか、護衛騎士いるから別にいいけど言い方とか、色々あるが、何も言わない代わりに、遠慮をしない事にした。
水の入った器とスポイトを持って、セルゲイに持ってもらった定規に近付く。
目盛りの区切りのいい所を狙って、スポイトを近づけ、水滴を作る。
4歳児の体が使いづらい。
「……大きい」
「?そうっスか?」
前世と比べて、明らかに水滴が大きい。
長さで、2~3倍位に見える。
水滴の大きさが前世と一緒だったとすると、こっちの世界の人間の大きさは、地球人の半分と1/3という事になる。
それでも、蜂の大きさは前世で人間の子供サイズになっちゃうけど。
水滴の大きさが変わらない前提なら、1ディジットは0.8cmなんだけど、この計算あんまり意味無いかな。
人体が同じ位の大きさだと考えると、1ディジットは2cm位の体感。
ただ、水滴の大きさが同じではない可能性も高くなってるから。
「とりあえず、人間の大きさが前世の半分とかの可能性が高そう、としか……」
意気込んだ割にざっくりした事までしか分からなくて、徒労感がちょっと。。。
「ああ、そういう意味。
姫様達の世界はそうなんスね」
「?他の世界もあるの?」
「転生前の世界としていくつか見つかってるっス。
歴史で教わる予定っスよ。
魔術をこの世界に持ち込んだのが、最初と言われてるっス」
「!その世界の人達は、この世界の人達と同じ体の構造だったのかな?」
「さあ?
姫様の世界の人達は、大きさが違うだけじゃないんスか?」
「うん。実はね……」
人体模型の臓器を学べるようになっているものから、ある部分を取り出す。
「姫様は結構、精神的に丈夫っスね」
最初は衝撃な事も、多少時間が経つともう平気みたいだ。
この世界に適した太い神経で良かった思う事にしよう。
「これが前世では無かった」
「魔力器官っスね。
人間は1コしか無いけど、他の魔物はもっとあったりするっス。
人間の属性が1つしか無いのは、魔力器官が1コしか無いからとも言われてるっス」
心臓の下に前世には無い小さな臓器がある。
それが魔力器官と言われた。
魔力器官はこの世界のどの生き物にもあって、生き物が死ぬと魔力器官が魔石化する。
ワーウルフなんかは2コあって、2属性らしい。ズルい。
というかこの世界の人間、相対的にスゴく弱そう。
「魔力器官を切られたりすると、魔石はどうなるの?
2つに分かれちゃったりするの?」
「修復不可能な衝撃を受けると溶けたようになってから、魔石になるっス。
溶けきる前に治せるようになって下さいね」
「……こんな心臓に近いところだと、心臓も傷ついてて即死じゃないの?」
「脳、心臓、魔力器官の3つの致命傷を、その瞬間限定とは言え、治せるのは直系王族だけです。
頑張って下さい」
「……ハイ」
「これ、あげます」
小さな袋を渡された。
「何でしょう?」
「アースドラゴンの干し肉です」
やっぱいるのね。どうやって入手したのか。そして何故私に。
「一気に食べるのはキツイでしょうから、少しずつ食べるといいです」
人にもよるが本人の魔力量を超えすぎると、発泡感がきつすぎて食べられないそうだ。
仕方なく、小さな欠片を口にする。
「味は美味しい」
ビーフジャーキーに似てるかな。固いけど思ったほどではない。めっちゃパチパチしてるけど。
「魔素が含まれてるほど品質が良く感じられる傾向があるっス」
「……どうやって手に入れたの?」
「王妃様、姫様の母君が狩ったんスよ。
人に危害をもたらす魔獣を狩るのは王族の仕事っス」
「……期待に応えられなかった王族はどうなるの?」
「よっぽどの事をしでかさなければ、大丈夫。
姫様の曾祖父様、グレゴリー様も戦いは苦手だったそうです。
王城の貴人牢も、貴族出身者を含めて、今は3人しか入ってないっス」
……3人も入ってんじゃん。
しかもその内1名、直系王族。
王族として処分するために、王族籍を敢えてそのままにしてあるとか、闇が深くない?
読んで下さってありがとうございます。
結論出ず、ですみません。
今回は保留にして、他の話題にいきたいと思います。




