*Twitter*【#140字小説】No.211~220
No.211【#家族に連絡】
「還付金詐欺って、詐欺だけど嘘とは限らないのよ。」ランチ会でママ友の1人がドヤる。え?「還付金は本当にあるかもしれないけど、役所は教えてくれないの。」なんと?「納付は絶対だけど、戻す連絡はしない。」各々スマホを開いた。「もしもし?私だけど、私わたし。」俺詐欺のアジトかよ、怖いから。
No.212【#親不孝】
うちの娘は、天敵のいない絶滅危惧動物のようなものだ。好きな時間に寝て起きて、酒呑んでタバコ吸って毎日グータラしやがる。私はフルタイムパートで忙しいっていうのに。この娘はフルタイムニート。世の中、不公平だわ。「嫁に行け」なんて言わない。「ねぇ株で儲けたんでしょ?お母さんを養って!」
No.213【#白と黒】
「パパはハーフなの?」白黒ハッキリした性格の娘が、肌の色について疑問を持ち始めた。「パパは、なんで肌の色が違うの?」んー…「ママと私は肌が白いのに、パパはハーフなの?」「俺が答える。」困った私に主人がしびれをきらしたようだ。「お外で働いてるから日焼けだよ!」白黒シマウマ土方焼け。
No.214【#そんな話になるなんて】
https://youtu.be/B6q8N8GYWiI?si=-bVxEPCByiz2NqYr
疑って勘ぐっても仕方ないって、わかってる。だけど信じられない。それが真実なのか聞いてもいいの?「…本当に?」「はい。特別で。」「ブロッコリー80円て本当なの!?て、1人1点か。」「お客さんは5人分買えますね!」え?「肩に4体。」「…守護霊?」「いえ…健在の人物です。」生霊とか震えるわ。
No.215【#守られてる】
「SP…私って、いつでも守られてるな…♡」マッチ棒を擦った時のように、友人がボッと頬を赤く染める。ソルト&ペッパーを愛でるとか、不気味すぎる。「SM…すごく守る…か♡」スーパーマーケットに目を細めちゃって。「ボディガード…」これもか。…バーガー。なんでも都合良く解釈するの逆に凄いわ。
No.216【#ホワイトデーのお返し】
「明らかにクリームシチューのルーやん。」バレンタインにカレールーあげた仕返しね。チョコのデコレーションしたから、見た目手作りチョコで大成功だったからね。「俺がそんな仕返しするわけないだろ?」確かに。きなこと抹茶かな。…ホワイトチョコにワサビとカラシのデコレーション…逆バージョン。
No.217【#スモーカホリック】
さぁ、冒険の旅の始まりです!「どこですか?」それは、まるで名探偵のように鋭い推理力で考えを巡らす。「どこにありますか?」そしてそれは、時に宝探しのハンターの眼差しで的を射る。嗅覚が研ぎ澄まされる。「見つけた!チョット待ってて!」歓喜。喫煙者の旅の目的、それは喫煙所探しなのである。
No.218【#心のこり】
「飛行機は靴脱ぐの?」「あたりまえだろ。下駄箱があるから、ちゃんとスリッパに履き替えろよ?」信じちゃった私バカよね、おバカさんよね。この歌の題名「心の凝り」だと思ってたのよね。ひらがな読みにくいのよね。本当バカよね。心残りのないように、お土産はスリッパにするよね。やっぱバカよね。
No.219【#愛妻飯】
旦那の仕事が在宅になって以来、私は手料理に腕をふるっている。「今日のランチ何?」「今日は生姜焼きだよ♪」「いいね!」なんだか新婚の時のような会話がこそばゆい。自分1人なら、こんなに作ったりせずに、もっと良い料理デリバリーするのに。「いつもありがとな!」礼はいいから出勤してほしい。
No.220【#卒業】
3/31、定年退職。長年の肩の重荷が剥がれ落ちる晴れやかな気持ち、程よく寂しい複雑な気分。帰宅すると、妻がケーキを用意してくれていた。「あぁ…ありがとう。」顔も心も穏やかになれる。ケーキに書かれたメッセージに目をやると、「この賜杯からの卒業」伝説のカリスマでもなく、誰が横綱引退じゃ。