第四十二話「金貨一枚が必要になるそうです」
新作を書きましたので、どうぞそちらもよろしくお願いします!
詳細は後書きに書いております!
「探し人とは別世界からやってきた人間のことを言うの。たまにいるのよね、他の世界から紛れこんでしまった人たちが」
ほほう、俺たちが初めてというわけではなさそうだ。
少女はそう感心している俺たちにまだまだ説明をしてくれた。
「一応元の世界に帰る魔法も確立されているけど、それは大規模な儀式が必要になるから聖サンタアリア王国まで行かないといけないわ」
「その聖サンタアリア王国ってここからどのくらいなんだ?」
俺が尋ねると赤髪の少女は少し考えるようにしてから、こう答えた。
「そうねぇ……馬車を使っても二週間といったところかしら」
「うわぁ、かなり遠いな……」
二週間も経ってしまったら、エレナたちがどうなっているのかも分からない。
彼女たちも心配だし、早く地球に帰りたい。
「何とかして、早く帰る方法はないのか……?」
「うーん、あるにはあるけど、貴方たちお金持ってないでしょ?」
そう尋ねられ、俺とユイは頷く。
それを見た赤髪の少女はまた考え込んで、こう言った。
「一応、近くの街の教会に転移ゲートがあるだろうけど、それを使うには金貨一枚が必要だわ」
「……そうか。どうにかしてお金を稼げれば良いけど」
「一番手っ取り早いのは、魔物を倒して素材をギルドに売ることだけど、このジャイアントオークの死体は蒸発してしまったし、そう簡単に金貨一枚の素材を落とす魔物はいないかも……」
俺は彼女の言葉に少し思案する。
そしてこう尋ねてみた。
「そうか……。一応聞くけど、金貨一枚の素材を落とす魔物って近くにいたりしないか?」
「いるにはいるけど、強いわよ? それこそ、ジャイアントオークよりも」
どのくらいの強さか分からないけど、とりあえず聞いてみることにした。
「で、どんな魔物なんだ?」
「近くに湖があって、そこにリヴァイアサンという魔物が住んでるわ」
リヴァイアサンか。
それなら何度もあの庭のダンジョンで倒してきた。
あのときは無敵だったけど、今の俺たちなら無理なく倒せるだろう。
「そうか。それならその湖に案内してくれ」
「……大丈夫なの? 確かに貴方は強そうだけど」
心配そうな視線を向けてくる赤髪の少女に俺は頷くと言った。
「ああ、問題ないだろう。何度も倒したことがあるからな」
「そう……。分かったわ。案内するからついてきて」
そして俺たちは、二人の異世界人に連れられて、その湖に案内して貰うのだった。
***
赤髪の少女――アカネは湖近くまで来ると言った。
「私たちは遠くで見守っておくだけにするわ。多分、助けられないから、自己責任でね」
「ああ、分かってる。ありがとう、連れてきてくれて」
「いえ、それは問題ないわ。ジャイアントオークから助けて貰ったのだし」
そして俺とユイが湖に近づくと、すぐにリヴァイアサンが現れた。
すぐにそいつは敵意を向けてくると、巨大な水槍を周囲に展開する。
――ズドドドドドッ!!
土煙が周囲に舞い、俺たちは粉塵に包まれる。
それを見ていたアカネたちが息を吸うのが聞こえてきた。
しかし――。
その粉塵をかき分けるように巨大な光線がリヴァイアサンに向かって飛んでいった。
ユイが《氷魔法》を使ってその水槍を凍らせて、空中で止めたのだ。
俺が使った《竜魔法》は圧倒的火力でリヴァイアサンを引き裂き、一瞬にして絶命させた。
「うそ……あんなに早く……」
驚くような声が聞こえてくる。
俺はそんな彼女たちにこう尋ねた。
「それで、こいつのどこが高く売れるんだ?」
「え、ええ、そうね。その瞳が高く売れるわ。リヴァイアサンの瞳は万能の薬の材料になるから」
なるほど。
しかし異世界では魔物は粒子になって消えるのでは無く、どうやら死体として残るらしい。
俺はリヴァイアサンの死体に近づくと、その瞳を取り出した。
「これでいいのか?」
「ええ、大丈夫よ」
アカネが頷くのを確認すると、俺はもう一度頭を下げてお願いする。
「それで、申し訳ないけど、今度は街まで案内してくれないか?」
すると彼女たちは微笑んで、こう言うのだった。
「もちろんいいわよ、それくらい。命を救ってくれたお礼だもの」
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『【落ちぶれ令嬢】と蔑まれる少女は、婚約解消され追放される〜魔力が使えない無能の僕は唯一使える【時間転移魔法】で何度でも世界を繰り返します。裏切られた少女の笑顔のために、僕はもう妥協したりはしませんよ〜』
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