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庭にできたダンジョンではどうやら時間が止まるらしい~ダンジョン攻略が楽しくて無限に潜っていたらいつの間にか世界最強になっていました~  作者: AteRa
第一章:無限ダンジョン編

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第三十五話「愛しの我が家から旅立ちます」

 それから俺たちは何とか家まで辿り着いた。

 しかし次の日からは大変な日々が始まる。


『世界最強、斉藤レン誕生! 彼の正体を探れ!』


 そんなタイトルとともに公開された記事は一気にバズり、SNSで二十万いいねもついていた。

 要するに現在、日本では俺のことを探し回り、探ってこようとする人で溢れていると言うことだ。


「……マズい、これはマズった」


 リビングで俺がスマホを見ながら呟くと、アリエスは同意するように言った。


「これは流石にヤバいですね。いったんどこかに避難する方が良さそうかもしれません」

「どこかってどこに行こう……?」

「それは日本ではないどこかです」


 ……要するに海外って事か。

 貯金はあるし、行けなくはないが。


「うーん、我が家と離れたくないなぁ」

「もうそんなことを言っている余裕は無さそうですけどね」


 アリエスがそう言った瞬間、玄関の扉が叩かれ声が聞こえてきた。


『レンさぁん! ここに居るのは分かってるんですよ! 私と結婚してください!』


 ……うん、確かにそんなことを言ってる場合じゃなさそうだ。

 誰かも分からない人から突然結婚しろなんて言われるとか怖すぎるだろ。


「しょうがない。でもせっかく海外に行くんだったら、最上級ダンジョンがあるところが良いよな」

「そうですね。ロシアかアメリカか、オーストラリアですね」


 頷いてアリエスは言った。

 その時、エレナとユイが眠そうな目をこすりながら下りてくる。


「外がうるさくて眠れないのだけど」

「もう! 私の快眠を邪魔する人は誰ですか!」


 ……やっぱり海外に行こう。


 そうと決まればさっそく行動開始だ。

 俺は手近にある荷物を適当にアイテムボックスに放り込みながら言った。


「エレナとユイも荷物を纏めてくれ」

「荷物を……? ああ、この家から離れるのね」

「そうだ。流石にこれじゃあ夜も寝れん」


 エレナは一瞬不思議そうに首を傾げたが、すぐに納得したように頷いた。


「それで、どこに行くの?」


 そうエレナに尋ねられ、俺は一瞬考えた後に答えた。


「アメリカだな。暗黒迷宮があるロサンゼルスに行こうと思う」

「暗黒迷宮って最上級ダンジョンよね?」

「ああ。上級ダンジョンを通り越してしまうが、まあ大丈夫だろう」


 そんな会話をしているとユイはウトウトとしながらも聞いてきた。


「ロサンゼルスですか……。どれくらいそこに居る予定なんですか?」

「それは決まってないが、俺に関するニュースが落ち着いてくるまでだな」

「なるほど。でもそうなると、ホテル代とか馬鹿にならない気もします」


 間違いない。

 一応お金はあるが、豪遊していたらすぐに無くなってしまう。

 しかしそれに対してアリエスが口を開いた。


「そういえばロスには私の友達が住んでます。その子を頼っても良いかもしれません」

「おお、流石は英国のお嬢様だ。ただのリーマンとは人脈が違いすぎる」


 何でもないように言ったアリエスの言葉に俺は感激してしまう。


 まあそういうわけで海外旅行が急遽決まった。

 それから荷物を纏めた俺たちは、裏口から家を出ると成田空港に向かうのだった。



   ***



 やってきました、ロサンゼルスのロサンゼルス国際空港。

 探索者カードがパスポートの代わりになって助かったぜ。


「ええと、私の友達が待ってくれているはずだけど……」


 ロビーに降り立ちながらアリエスはそう言った。

 おお、それは何とも心強い。

 行ったことない土地に来るのってやっぱり不安だからな。

 現地に知り合いがいるってだけで安心感が違うぜ。


「あ、居ました」


 アリエスが言うと同時にその女性もこちらに気がついたらしく近づいてくる。

 メチャクチャ美人な女性で、どこかおっとりした感じを受けるが。

 しかしこれは世界中を探しても彼女ほど整っている人は少ないのではないだろうか?


「久しぶりね、アリエス」

「ええ、久しぶり。レーア」


 レーア……?

 なんかその名前、どこかで聞いたことがあるような?


 そう思っていると、ユイが驚いたように声を上げた。


「もしかしてレーア・コバーンさんですか!?」

「あらあら、私のことを知ってくれてるの? 嬉しいわ」


 そう微笑みかけてきたレーアに興奮したように声を荒らげるユイ。


「知らないわけありません! 世界三大美女の一人で、ハリウッドの大スターですから!」

「あらあら、大スターなんて嬉しいことを言ってくれるのね」

「やっぱり生で見ると可愛さが段違いです! 凄い凄い!」

「ふふっ、そう言うアナタも十分に可愛らしいじゃない。良いと思うわ」


 手を頬に当てて首を傾げ、微笑むレーア。

 そのポーズが様になるのは彼女くらいではないだろうか。


「とと、こんなところにいたら目立ってしまうわ。さっそく私のお家まで案内するわね」


 そう言いながらレーアは先導して行く。

 ユイはその後をついていきながら俺に言うのだった。


「へへっ、私可愛らしいって言われちゃいました! これは名誉なことですよ!」


 確かにしっかり見れば、ユイも可愛いよな。

 ふとそんなことを思いながら俺たちはレーアの家に向かうのだった。

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