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庭にできたダンジョンではどうやら時間が止まるらしい~ダンジョン攻略が楽しくて無限に潜っていたらいつの間にか世界最強になっていました~  作者: AteRa
第一章:無限ダンジョン編

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第二十五話「少女たちの温泉風景」

 俺たちの目指している中古車ショップは房総半島の下の方にある。

 ので、東京湾アクアラインを越えた俺たちは、そのまま房総スカイラインに入った。


 そのまま走ること五十分ほど。

 車は鴨川市に来ていた。


 鴨川市は温泉街で有名なリゾート地なのでここで一泊していく予定だ。


 中古車ショップの駐車場に車をつけ、すっかり眠ってしまっていた三人に声を掛ける。


「おーい、三人とも着いたぞ」


 みんな眠そうな目を擦りながらも起き上がる。

 そして車から降りると伸びをして眠気を覚ましていたら、渋めのオーナーが近づいてきた。


「斉藤さんですか?」

「はい、そうです。よろしくお願いします」


 そんなオーナーの後ろからパタパタと繋ぎを着た少女が来て言った。


「父さん! 洗車と整備終わったよ! ……って、お客さん来た感じ?」

「ああ、リンか。そうだ、彼らがその車を買ってくれる——予定のお客さんだ」


 まあまだ確定はしてないからな。

 ちゃんと見てからじゃないと車は買えない。


「そっか! ピカピカに磨いておいたから状態はいいと思うよ!」


 にっこりと純粋そうにリンと呼ばれた少女は笑い言った。

 そして案内するように手招きして、店の奥に入っていく。


「こっちこっち! ほら、ついてきて!」


 元気いっぱいな彼女について奥まで行くと、そこには立派な黒色の高級外車が停まっていた。


「おー、やっぱり外車はかっこいいなぁ」

「なかなか立派な車にしたのですね。これもダンジョンで稼いだおかげですか?」


 惚れ惚れと言う俺に、アリエスはそう尋ねてくる。

 俺は頷いて答えた。


「そうだな。やっぱり魔石はかなり稼げるよな」

「探索者でこれだけ稼いでいる人なんて一握りだと思いますけどね」


 そんな俺たちの会話を聞いていたリンちゃんは目を輝かせて聞いてきた。


「お兄さんは探索者さんなのですか!?」

「ま、まあ、一応な。そこまで強くないけど」


 そう言った俺に三人はじとっとした目を向けてくる。

 ……なんだよ、悪いかよ。

 強くない……ってのは嘘になるかもしれないけど、わざわざ自分で強いって言いたくないじゃんよ。


「じゃあ、これからなんですね! 頑張ってください!」


 そう励まされ、少し心が痛む。

 ——とと、そんなことをしている場合じゃなくて。


「その車の中を見せてもらってもいいか?」

「はい! 構いませんよ! ぜひ見てください!」


 確かにピカピカに磨かれていて、まるで新車みたいに綺麗だ。

 これでもかなりの型落ちなんだがな。


「とりあえず試乗してみますか?」

「ああ、そうしようかな」


 そしてリンちゃんに使い方を教えてもらい、店の周りを一周してみる。

 やっぱりハンドルの滑らかさや走り出しの感じなど、軽とは比べ物にならない。


「すげぇなぁ……。流石は高級外車だ」


 車を停め降りながらそう呟く。


「ふふっ、でしょう? どうしますか、買いますか?」


 こんな車に乗っちゃったらもう軽には戻れないよなぁ。

 俺は少し悩んだけど、もう心はほぼ決まっていて。


「——よしっ、買った! この車、買います!」

「毎度ありがとうございます! それでは手続きに移りますねー」


 ああ……買ってしまった。

 それから手続きを終え、新しく契約していたクレジットで一括する。


 ちなみにここまで乗ってきた軽は中古車として引き取ってくれるらしい。

 まあたいしてお金にはならないけどね。


「よっし! 早速宿に向かいますか!」

「……テンション高いわね。まあ仕方がないと思うけど」


 そんなに態度に出ているだろうか?


「温泉街なのですよね! 凄く楽しみです!」

「ええ、日本に来てまだ温泉は入ってないから、私も楽しみだわ」


 ユイもアリエスもどこかワクワクとしているみたいだ。

 そして俺は新しい車を走らせ、泊まる宿に向かうのだった。



   ***



——少女たち視点——


 宿に着き、早速浴衣に着替えた四人は、それぞれ宿備え付けの温泉に向かった。

 少女たち三人はもちろん女湯で、レンだけが男湯だ。


 ユイはじっと服を脱いでいるアリエスの胸を見て、自分の胸を見た。


「私よりも大きい……」

「ふふっ、これでも発育には自信があるのですよ」


 自慢げに言うアリエスを見たエレナは、自分の胸を見て落ち込んだ表情をする。

 それに気がついたユイは慌てたようにフォローした。


「あ、もちろん胸が大きいことがステータスになるわけじゃありませんからね!」

「……いいのよ、フォローしなくても。分かっているもの、私には魅力がないって」

「何でそんなにネガティブなんですか! エレナさんにも十分魅力があります!」


 そうユイは言うが、エレナはふふっと暗く笑うだけだ。


「と、ともかく温泉に入りましょう! 絶対に気持ちがいいはずです!」

「……そうね。ふふっ、この気持ちも温泉で全部流してくれるわ」


 裸になった三人はそのまま浴場に入る。


「あ、エレナさんとアリエスさん。日本のお風呂ではタオルをお湯につけるのは禁止ですので」


 ユイの言葉に二人とも頷いて、慎重にお湯に足を入れていく。

 そしてそのまま肩まで浸かり、ふうっと息をついた。


「気持ちいいわね……これ。初めて入ったのだけど、凄くいいわ」

「そうですね。私も日本の温泉は初めてですが、これはハマる人の気持ちがわかります」


 三人はゆっくり体を休めながら、ぼおっとする。

 しかしふとユイが口を開いた。


「それで……お二人はレンさんのことをどう思っているのですか?」


 そう尋ねられたアリエスは間髪入れずに答える。


「彼は私の旦那様ですよ? それだけは譲りません」

「……レンのことはあまり考えたことがないわ。でも彼といると何故か楽しいのよね」


 アリエスに続いてエレナも口を開く。


「それで、ユイはどうなのよ? レンさんについてどう思っているの?」


 突然エレナにそう聞かれたユイは顔を赤くして慌てたように言った。


「わたっ、私ですか!? 私は……ま、まあ、好きというか、気になっているというか」

「はっきりしないわね。つまりどういうことなのよ?」

「つ、つまり好きってことですよ! 彼は私のヒーローなんです!」


 そう言ったユイにアリエスは自分の胸を強調しながら言った。


「でも旦那様は私のものですから。ユイさんは残念ですね」

「くっ……で、でも私も負けてません!」


 さらにユイも自分の胸を強調する。

 それを見ていたエレナは再び自分の胸を見て落ち込んだ。


「あっ! す、すいません、エレナさん!」

「……いいのよ、事実だから」


 そんな風にお風呂に浸かっていた彼女たちは、長湯のしすぎでちょっとだけ上せてしまうのだった。


「どうしたんだ、三人してフラフラだぞ」

「……いえ、なんでもありません」

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