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庭にできたダンジョンではどうやら時間が止まるらしい~ダンジョン攻略が楽しくて無限に潜っていたらいつの間にか世界最強になっていました~  作者: AteRa
第一章:無限ダンジョン編

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第二十二話「国際探索者連合」

——とある国家代表視点——


 その日、ニューヨークにある超高層ビルの最上階に各国の代表たちが集まっていた。


 日本——天川トオル。

 アメリカ——ベンノ・スミス。

 イタリア——バルトロ・プーニョ。

 ドイツ——ローマン・アルトマン。

 フランス——クレマン・バレ。

 イギリス——アラン・エイミス。

 カナダ——ハロルド・ヒートリー。


 彼らはプロジェクターに映る一つのサイトを眺めていた。

 そのサイトは『探索者ランキング』という名前のサイトだ。


「して、この名前に見覚えがある人は?」


 アメリカ代表のベンノが低い声で尋ねる。


 彼らの所属は『国際探索者連合』——通称、国探と呼ばれる組織だった。

 国探は国家間でダンジョン資源や探索者を占領したりしないように管理し、ダンジョンに関する研究や支援なども行なっている。


 そのベンノの問いにイタリア代表のバルトロが口を開く。


「これは日本名だろう? 天川くん、調べはついているのかね?」

「ああ、調べはついている。一ヶ月前まで小さなIT系のサラリーマンをしていた男だ」


 トオルの言葉にイギリス代表アランが首を傾げる。


「サラリーマンだと? それでは一ヶ月前までダンジョンに潜ったことがないと言うのか?」

「ああ、記録では記されていない。記録にあるのは東京都内の初級ダンジョンである《青のダンジョン》2回と《草原ダンジョン》1回。そして山梨の中級ダンジョン《緑のダンジョン》1回だ」


 信じられないと言った表情でフランス代表クレマンが呟く。


「それでこのレベルだと……? 何か絶対に裏があるはずだ」


 各々の代表はその言葉に頷く。

 トオルはそれを聞き、さらに話を続ける。


「ああ、その調べもついている。一ヶ月前、会社を辞める直前に、市役所のダンジョン課に『ダンジョン申請』を行なっている。つまり斎藤レンの家の庭にはダンジョンが出来ているはずだ」


 その言葉にカナダ代表ハロルドは納得したように頷いた。


「なるほど、それが彼の秘密の正体というわけか」

「おそらくな。現在、彼の存在を知った元一位レイナ・ルーカスと元二位のアリエス・ハーベスタが日本に来ている。元十一位のアベル・ガードナーも日本へ発つ準備をしているとのことだ」


 そのトオルの言葉に、ベンノは苛立ったような声で言った。


「それでは日本に戦力が集中しすぎている。何とかならんのかね」


 ベンノの言葉に対しアランは悔しそうに言う。


「残念ながら我々には緊急時以外の探索者個人に対する強制力はない。それに加え、そのダンジョンが彼の家の庭にできているのだとすれば、その所有権は彼自身にあり、我々では介入しきれない」


 その言葉に各代表は思わず口を閉ざした。


「……では緊急事態を引き起こしてしまえばいいのではないか?」


 ポツリと、今まで黙っていたドイツ代表ローマンが言った。

 しかしそれを聞いたクレマンが口を開く。


「いや、そしたら我々の存在意義が失われるだろう。それに問題を起こした国にだけ戦力が集中することになる。それでは本末転倒だ」


 再び沈黙が訪れ、解決策は見当たらなかった。


「ともかく、この問題はしばらく様子を見るしかないだろう。斎藤レンはこれからより力を増していくに違いない。監査用に一人、彼の元に潜り込ませてもいいとは思うが」


 ベンノは締め括るようにそう告げる。

 トオルは頷くと言った。


「そうだな。私の方から美人な女性を一人、彼の元に適当な理由をつけて送り込んでおく」


 そしてその日の国探の会議は終了した。

 トオルは日本に帰ってくると、早速レンの元へと送り込む要員を選別するのだった。



   ***



——アベル・ガードナー視点——


 その時、アベル・ガードナーは自身が持つガードナーグループの捜査員と話をしていた。


「それで、斎藤レンの調べはついたか?」

「はい、概ね」


 恭しく首を垂れて捜査員は答えた。

 アベルはトントンっとタバコの灰を落とすと言った。


「奴は何者だ? どうして急激にレベルが上がった?」

「彼は一ヶ月前まで普通のサラリーマンでした。それまでダンジョンに潜った経験はありません」


 その言葉を聞いたアベルはふうっと煙を吐き出し、ピンっと捜査員に吸い殻を放り投げる。


「そんなつまらない情報が聞きたいわけじゃない」

「も、申し訳ございません」

「俺が聞きたいのは奴がなぜ強くなったのか、と言うことだ」


 チリチリと吸い殻の火によって服に穴が空いていくのにも気を向けず、捜査員は話を続ける。


「彼は会社を辞める一ヶ月前、市役所にダンジョン捜査の手配をしておりました」

「……ふむ、なるほどな。家にダンジョンができたか」

「はい。おそらくそのダンジョンに何かしらの秘密があるのかと」


 それを聞いてしばらくじっと考えていたアベルだが、ふと立ち上がって手を鳴らす。


「——はい、お呼びでしょうかアベル様」


 そうして入ってきたのは使用人の女性だった。


「ああ、カミラ。これから日本に発つ。至急準備を」

「畏まりました、アベル様」


 こうしてアベルも日本にやってくることとなった。

 その頃、当の本人のレンは何も知らずに庭のダンジョンから出てきて、魔石を売り、そのお金で新しい車を買おうとネットを漁っている最中なのだった。

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