第1話 話題作りって大事。
ゲームってのはかなり昔、それこそ平安時代…いやもっと前から?言葉は変わって来ているが、一貫して言えば遊び、暇つぶしとほとんど同じものだと俺は思っている。
ボール遊びとか、子供がやるような手遊びだってれっきとした「ゲーム」だ。
まぁ人によって意見が変わったりするから曖昧でもあるけど、昨今のフルダイブ型VRゲームはなんというか、初心者にはちょっと厳しい気がする。
何でこんな話するのかって言うと、俺はVRゲームどころか普通の一昔前流行っていた携帯ゲーム機やテレビゲームすら遊んだことがないくらいに無知なのだ。流石にニュースとかは見てるから普通の人くらいには知識はある…はず。
けど文字通り、「普通の人」くらいにしか知識がないので俺は流行りに乗れずに転校先の学校の友人との会話も遅れているわけだし、ちょうどよく夏休みにも入ったのでそろそろ食わず嫌いしないでちゃんと向き合ってみようと思ったんだ。
なんかうちの親父が「クラスに馴染めるように」と奮発してちょっと高いフルダイブ機器をゲームソフトとダブルで買ってくれたが、何となく気が引けて箱にしまったままにしていた。
それを今、思い切って開封したんだが…
俺、神楽春輝はソフトを目の前に悩んでいた。というのも…
「…これ、どう見ても明らかに初心者が触っていいタイプのゲームじゃないよな…」
親父から手渡されたそのソフトはいわゆるファンタジーというジャンルなのだろうが、タイトルとパッケージから察するにこれ多分終末世界物に近い何かだよな…しかもオンラインゲームっぽいし、何より舞台が
「第三次魔法魔術戦争で放たれた超大型魔法が原因で地上が呪れた魔力(魔素)に汚染され、人々は汚染地域や魔素によって凶暴化されたモンスター達から生き残れるように安全な街や浄化装置を開発して安住の地を、汚染を無くし元の平和な世界に戻す方法を探している」
っていう、戦争後の世界とかあるあるの設定だ。俺なんかVRMMOどころか普通のRPGすら触ったことないんだが??絶対親父の趣味だってこれ。
まぁ、持ってこられてしまったものは仕方ない…ちょっと遊んで、合わなかったらやめればいい。
そう思い、俺はソフトを説明書通りに機械のスロットに差し込んで、自分のベッドに横たわる。
親父が買ってくれたのは、いわゆるゴーグル型のフルダイブ機器だ。これの一世代前で丁度セールで安くなっていたのはヘッドギア型、最近の最新機種はベッド型とかあるらしいが、流石にそんな最新のとか買ったら親父の財布が心配だし、周りに馴染むどころか自慢することになってしまう…
電源を入れ、ゴーグルを装着し目を閉じる。
数秒でフッと意識が落ちるような、レム睡眠に入るような不思議な感覚の後、水に沈められた浮き輪の如くパッと意識が復活すると、俺の周りには何やら紫と黒のモヤモヤがあった。
身体はと言うと、ベッドで寝転がった時のままの姿ではあったけど、俺は現実で体を動かすことはなくゲームの中で自由に腕を動かしたりすることが出来た。
すげぇ、フルダイブ型VRってこんな感じなんだ…なんか不思議な感覚だな…
『動作感度良好、これより身体スキャンを開始致します。』
「うわっ!?」
女性の声がどこからともなく聞こえたかと思うと、体に線状のレーザーが当てられてまさにスキャンしてますーみたいな感じで全身を撫でるように上から下へ光線が動いていった。
そして目の前に大きめのウィンドウが表示され、俺のリアルの姿が少しデフォルメされたような感じのアバターが表示される。
うわっ、俺色んな角度から見たらこんな感じなんだ…自分を第三者視点(?)から見れる事に若干興奮を覚えつつ、すぐに当初の目的を思い出す。
『外見を調整することが可能になっています。ただし体格を大幅に変えすぎると現実に戻った際に支障をきたす恐れがあるので、ご注意ください。』
なるほど、身長やら体格やら、顔のパーツやら手の形やら…いやめちゃくちゃ細かいところまで変えられるな!目の色も変えられるぞこれ!オッドアイとかロマンでしかない!
という事で、調子に乗って色々いじりまくった結果俺の見た目は、黒髪に白と金色のメッシュを入れた髪型と、リアル寄りだけどちょっとイケメンっぽく目元と鼻を調節した顔に、リアルよりちょっと身長と体格を良くしたような、いわゆるパテを盛ったみたいなアバターになった。ちなみにオッドアイにするのはなんか黒歴史が増えそうだったのでやめた。まぁその代わり目は金色にしたんだけど。
『スキルポイントを振りますか?』
え、今?今振るの?
ゲーム始まってないしぜんっぜん触り掴めてないよ?絶対今振ったら後で後悔するタイプでしょうこれは。
俺の目の前に表示されたのは注意書きとはい、いいえの2択。
ざっと注意書きを読んでみたが、ツリーを見つつポイントを振れるし、不安ならゲームを開始してからでも大丈夫との事。
ただし、その場合は街に備え付けられているスキル設定場で割り振る必要があるらしい。
いや、だったら後でいいじゃん、なんで今聞くんだ。
…まぁ、わざわざ行くのがめんどくさい人向けなのかな…?
という訳で、ツリーをざっと見てからキャラ作成を終えた。
『プレイヤー名を入力してください。この名前はゲーム内でのあなたの名前です。本名や友人の名前等個人情報は使わないでください。』
おっ、今のゲームには大体あるって聞いた名前入力だ。
今後このアバターとゲームには散々お世話になるかもしれないし、ゲームが合わなくて辞めちゃう可能性も高いがそれなりにいい名前をつけておきたい…
って言ってもなぁ…ネーミングセンス皆無だもんなぁ…いっそ本名からなにか文字ってこようかな。
ええと、俺の名前が神楽春輝だから…神…楽しい…春に輝く…よし、決めた。
『ガイドラインに違反していないことを確認しました。それでは、魔法と終末の世界へようこそ。この世界で貴方が何をしようとも、ストーリーを決めるのは貴方です…』
そして、俺の意識は再び闇の中へ落ちていった。
(VRMMO系統は)初投稿です。
作者が設定厨モドキなため設定がまだガバガバな所もあるかもしれません。
矛盾している点があったら遠慮なくコメントで申し上げてください、修正致します。
これから拙作をよろしくお願いします。
ちなみに主人公君は6月頃に新しい高校に転入し、友人が少ないまま夏休みに突入してしまっています。
SNSを交換した友人も居ますが、話題があまり合わずに会話がまともに出来ていません…




