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暗闇シリーズ

暗闇

作者: イソジン

ちょっと変わった話書いてみました。

あなたは転生って信じますか?僕は信じません。いえ、信じていませんでしたの方が正しいですね。


僕は転生したようです。


今世の話をする前にまず前世の話をした方が良いですね。


前世の僕はろくな人生を歩んでいませんでした。


僕は元々勉強が大好きな真面目な男の子で、中学校卒業までは自分でも上手く立ち回れていたと思っています。


それが崩れたのが地元の進学校に入った最初の夏です。


僕は入ったバイト先の4つ上先輩と仲良くなりました。先輩は最初はすごく優しくいい人でした。


それがバイトに入って2ヶ月たったある日、僕は先輩に呼び出されました。


先輩は少しお金を貸してほしいと頼んできました。人に頼られるのが好きな僕はお金を快く貸しました。


それからと言うもの先輩はことあるごとにお金を貸してと頼むようになり、いつしか貸せというようになりました。


僕は先輩が怖く、嫌だと言えず十万ほど貸しました。そして先輩はお金を返さずにバイトをいつの間にかやめました。


今まで人に裏切られたことのなかった僕は簡単に心を壊しました。


年上の人が怖くなりバイトに行けなくなり、親からどうしたと聞かれるようになりました。


お金を貸して返してくれないなど言ったら、おおごとになるのが目に見えたので親に言うことはできませんでした。


次に僕が崩れたのは、その年の秋でした。


その頃、僕は好きな人がいました。あるときその人と付き合うときになりとても幸せを感じました。


ですが少しした後、急にフラれました。話を聞くとその子は友達との罰ゲームで僕と付き合っただけでした。


僕は本当に好きだったのですが、僕と付き合うのは彼女たちには罰ゲームでだったようです。


今まで楽しそうにしていた彼女は心では自分を笑っていたのでした。僕をフったとき悲しそうにいうのが引っ掛かりましたが僕は深く深く傷つきました。


それ以来、お母さん以外の女の人と話せなくなりました。


それでも僕はまだ生きていました。親には普通に見えていたと思います。頑張って笑顔をつくっていました。


ですが僕の不幸は始まったばっかりでした。


次の年の春のことです


親が離婚をしました。子供の自分の目から見ても幸せそうだった二人の仲は僕の知らないところで切れていたことを知りました。


お父さんはお母さんと僕に出ていけと言い、僕はお母さんと二人でアパートに住むことになりました。


名字が変わり、今まで友達から名字で呼ばれていた僕は「○○君、あw△△君だっけwww」といじられるようになりました。


みんなは笑っていましたし僕も合わせて笑っていましたがとてもそれがつらく心が暗くなって行くのを感じました。


今まで家で家事をやっていたお母さんは仕事をするしかなく家での会話も減り、笑顔も減りました。


高校3年生になり、進学校だったので進学について話が始まりました。


生きていくことがやっとで、お父さんは全くお金をくれないと言っていたので僕は友達が進学先を決めていくなか就職を考えなければ行けなくなりました。


学校でそれなりに頭のよかった僕が進学をしないというと先生たちは僕を責めました。


やれ、なんのためにお前に教えてきたと思ってる。やれ、高卒でろくな人生は歩めないぞといってきました。


僕にそういうことを言うのは先生だけではありませんでした。いつもテストで僕に点数で負けていた人たちも文句をいうようになりました。


それは俺たちへの当て付けか。大学に行く気がないならテストで俺に勝つな

僕は学校に居場所がなくなりました。


高校3年生の二学期から僕は学校に行かなくなりました。いわゆる不登校です。


お母さんは僕を心配していましたが僕は黙ることしかできませんでした。


不登校のまま卒業をし、僕は職につきました。


ですが普通科で高校をでて、学校からの斡旋のない自分にはろくな職場はなくどうにか入った職場は世間でいうブラックでした。


サービス残業は当たり前だし、社長は仕事もせず遊び回っています。給料は最低賃金です。


1ヶ月、2ヶ月と時間が過ぎるたび僕は後、何年で仕事をやめることが出来るのかばっかり考えるようになりました。


仕事を初めて2年がたったときお母さんが再婚をすることになりました。相手はそれなりにお金持ちでした。


やっと幸せになり始めた。僕はそう思いました。ですがその男の人は僕を極端に嫌ったのです。


お母さんも自分の幸せがそこに見えてきたのに僕がいることでそれがなくなると考えたのでしょう。そろそろ独り立ちをしなさいと、なかば強引に僕を家から追い出しました。


僕は新しく家を借りそこで住むことになりました。今までかかっていなかったお金も余計にかかるようになり少ない給料では生活が厳しくなりました。


税金や公共料金が払えない月が出たりご飯を抜いたりで仕事に行く。生きていくために仕事をするのではなく仕事のために生きているようでした。


そんな僕にあるときひとつの選択がちらつくようになりました。


道を歩いているとき、窓をみたとき、紐をみたとき、刃物をみたとき、火をみたとき。その選択は僕に迫りました。


その選択はどんどん自分のなかで大きくなり、いつに僕はそれを選択しました。


それが僕の前世です。さあ今世ですが今は回りが真っ暗です。


本当に転生したのか?って思うのですが鼓動の音がしたり、外から話しかけられたり、童謡が聞こえたりするのでどこかの胎児に転生したみたいです。


また人間になったようですね。それからさっき話した外から聞こえる声ですがどこが聞き覚えがありました。


どこで聞いたんだっけ…、ん。あれ、僕って何て名前だっけ…


どうやら記憶が薄れてきたようです。こうやって生まれる前に記憶が消えていくんですね。


外のお母さんはとても優しそうな声をしています。そういえば僕の前世のお母さんはどうしているでしょうね。悲しんでなければいいのですが…


そろそろ時間のようです。僕の今世の話はまた今度。





今度は幸せな人生が歩めますように
















さぁ不幸せだった男は幸せになれたのでしょうか。あなたの前世がこの人だったり?

まぁそんなことはわかりませんが今の自分は前世に誇れる生き方をしているでしょうか。何かをやらずに諦めたりしていませんか?まだまだ皆さんには未来があります。いくらでもやり直しは聞くと思います。この男の人のように、ある選択がよぎってもできるだけ抗ってみてみませんか。あなたの今はもしかしたら、前世のあなたが幸せを願った今世かもしれないですから

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