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Arms・Front  作者: 白兎
東京襲撃
93/120

93話 因縁

「裏切り…むぐっ!?」

結彩の口をレンナは抑え人差し指を立て結彩に喋らないようにジェスチャーする。

「この事は誰にも話さないでくれ」

「どうして…」

「完全に確信しを持てたという訳でも無い、だから蒼嵐達を疑心暗鬼にする訳にも行かないからな」

「分かった…」

「今分かっているのは結彩と遥姉さんは白という事だ」

その言葉を聞き結彩はきょとんとし

「どうして私と遥姉ちゃんが白だと思うの?」

「遥姉さんは完全に国との縁を切り何も遥姉さんを縛るものもないだから遥姉さんが寝返る可能性は無いと思ってもいいと思うあと…」

レンナは走りながら横から自分を追いかける結彩を見る。

「結彩は嘘を付けない…正確に言うと自分の気持ちに嘘が付けないそうするとアルマの結彩が現れる…そうだろ?」

思わず結彩否定をしようとするが下を向き頷く。「気づいてたの…?」

「あぁ…と言っても気づいたのは最近だけどな」

「そう…」

「2人ともどうしたの?」

2人の後方を怪我で走ることが出来ない蒼嵐がヘルに背負われたまま2人に問いかける。

「特に大した事じゃないさ」

と言うレンナの言葉を聞き蒼嵐は

「そう…ならいいんだけど」

その時床が爆発しビークルアルマが現れる。

「やっぱり撒けなかったか…」

レンナが先行しビークルアルマをすれ違いざまに切り裂く。しかし次の瞬間夕立の大鎌が捕まれレンナは床に叩き付けられる。

「っ…!」

「なかなかの刃だった」

「…!?」

普段は不敵な笑みを見せる夕立が一瞬動揺した表情を浮かべる、がすぐにいつもの笑みに戻り

「紀伊…ですわ、気をつけて下さい!」

それを聞き素早く体制を立て直すが紀伊は素早く腕を振り上げ砲塔の付いた武装をレンナに向ける。レンナは素早く反応したが防御が間に合わず、夕立がアームを動かしレンナの反応速度よりはやく2本の大鎌をレンナの前に重ね砲弾を防ぐが大鎌が粉々に砕ける。

「レンナ!どいてろっ!」

宙に舞う鋭く尖った破片を見て大和がレンナの前に立ち砲塔を破片に向け空砲を放つ。空砲で空気を切る音が響く程の勢いで破片が紀伊に向かう。

「っ…!」

紀伊は大きく飛び上がり背後に頂けビークルアルマを盾にする。破片はビークルアルマに突き刺さり機能を停止させる。すぐさま別のビークルアルマの背後に回り込み破片を防ぐが破片の雨はビークルアルマを貫通し紀伊を掠める。紀伊はビークルアルマを投げ飛ばし目の前に装甲を展開し破片を装甲に突き刺す。

「はぁぁっ!」

紀伊は腕を後ろに引き突き出す。すると装甲に突き刺さる破片がレンナ達に向けて放たれる。

「みんな!構えて!」

とっさに梨絵が床に向けて榴弾を放つ。榴弾が地面にめり込み爆発を起こしレンナ達を床と共に下の階に落ちる。その直後頭上を破片の刃が通り過ぎる。

「ちっ!」

紀伊は自ら開けた穴に飛び込み下の階に降りるが目の前は梨絵の爆発によって瓦礫に塞がれていた。

「こんなもの!」

紀伊は瓦礫に向けて砲撃し瓦礫を吹き飛ばす。しかし紀伊は宙を舞う瓦礫の先を見て目を見開く。

「今だ!砲撃っ!」

「何っ!?」

砲撃直後の一瞬の硬直を狙いレンナ達が砲弾を放つ。

硬直から放たれたれた紀伊は素早く装甲を展開し砲弾を防ぐ。それを見たレンナが大鎌をアームから切り離しブーメランのように回転しながら大鎌が紀伊を切り裂く。

「やったよレンナ!」

安心した蒼嵐がレンナを見るがレンナは厳しい表情のままだった。

「見事だった」

土煙のなかから両腕を切り裂かれた紀伊が現れる。切り落とされた腕を見てレンナ達は驚くがそれ以上に渚が驚き唖然としていた。

「お前…紺さん達を…殺した…」

動揺しながら呟く渚の言葉を聞き紀伊は

「あぁ君は渚か…雰囲気が変わっていたから気づかなかった」

「殺すっ!」

一瞬で紀伊との間合いを詰め薙刀を紀伊に突き出す。

「よくも…!」

「君は絶望する顔がとても美しかったんだ」

「な…なにを…」

「君の親を殺したのも君の居た孤児院を破壊したのも私だ」

「…っ!?」

その言葉を聞き渚が突き出していた薙刀の力が緩み紀伊の砲塔に弾き飛ばされる。そして渚は力無く地面に座り込む。そんな渚の顎を紀伊の砲塔が持ち上げる。

「そう、その顔だ」

「あ…あ…」

絶望に染まり涙を流す渚を見て紀伊は笑みを浮かべる。

「渚っ!…お前は殺す!」

結彩は紀伊を蹴り飛ばし地面に叩きつける。その間にレンナは渚の元に駆け寄る。

「その力は…そうか君は姫か」

「なにを言って…かはっ…」

紀伊は足を突き出し結彩の腹部を蹴り飛ばし立ち上がる。

「…レンナ…どいて…」

渚が薙刀を拾い上げゆらゆらと立ち上がりながら呟く。

「待て!渚!」

「うるさい!あいつは私が殺さないとダメなの!」

渚は目の前の結彩に向けて薙刀を突き出す。気配を感じた結彩は渚を寸前でかわす。

「ちぃっ!ってかなんであいつからアルマの気配がすんだよ!」

渚を掴み抑えようとするが間に合わず紀伊に襲いかかる。しかし紀伊は今まではわざと受けていたと思わせるように砲塔を突き出し軽々と受け止める。それを見た玖由は

「あいつ…最初から渚だと分かってた…」

「どういう事?」

「より深く立ち直れないように絶望させるために…」

「酷い…」

玖由の言葉を聞き羽根は呟く。

紀伊は再び渚を吹き飛ばし薙刀を手放させる。すぐさま渚は砲塔を向け砲撃をしようとするが一瞬で砲塔が粉砕される。

「くっ…!」

「流石だ…だが渚はもっと美しくなるその時にまた会おう」

そういい紀伊は姿を消す。

「夕立!気配を感じないか?」

「いいえ、全く感じませんわ…」

「なんで…なんでっ!あぁぁぁぁぁぁっ!」

と渚の悲痛な叫び声が響き渡った。

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