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Arms・Front  作者: 白兎
舞鶴遠征任務
75/120

75話 あの日のその後

「遥姉さん…」

「どうしたのですか?」


結彩が運転する車の中レンナは梨絵の様子を見る。左右から梨絵にもたれかかり寝る玖由と羽根を横にさせ自分の太ももに二人の頭を乗せて優しく頭を撫でていた梨絵がレンナに気づきレンナに問いかける。


「もしかしてレンナもして欲しいのですか?」

「ち…違う!あの後の事を聞きたくて…」

「あの後?」

「俺達が逃げた後、遥姉さんがどうしたのか知りたくて」

「そうですね…まず結果を言うと村を全滅させたのは私です」

「「!?」」

「はるねぇが…」

「憐斗達を逃がした後、私は私達を追っていた人達を襲ったアルマの様子を見るため戻ったのですが…」



遥香が戻るとアルマの姿は無く3人の遺体があるだけだった。遥香は心臓に手を当て確認するが息はしていなかった。しかし次の瞬間


「あ…あ……」


と呻きながらふらふらと立ち上がる。


「!?」


そして視界に遥香を捉えた瞬間襲いかかってくる。咄嗟に遥香は上に大きく飛び木の枝に捕まりそのまま勢いを付け木の枝の上に飛び移る。

(まるでゾンビ…ううん…完全なゾンビ…ですね)

と遥香は拳銃を取り出し迷うこと無く頭を撃ち抜くすると再び倒れ今度はピクリとも動かなくなたったのだった。



「あとから知りましたがあれはゾンビではなくアルマ化だという事を…」

「まさか…なら普通のアルマも人間をアルマにする力を持っているのか…ならなぜ俺達はアルマにならないんだ…」

「耐性がある人と無い人がいるからとか?」

「50点ですわね」

「わぁっ!?」


運転席と助手席の後ろは向かい合わせに長椅子が向かい合わせに付けられておりその端にひっそりと座っていた夕立が口を開く。全身黒一色の為完全に暗闇と同化していた夕立に驚き蒼嵐は長椅子から転げ落ちる。


「どういう事よ…」


不満そうな表情を浮かべながら蒼嵐は夕立に問いかける。


「人間にアルマ化に抵抗出来るなんてありませんわ…私達クリークが人間に抵抗する力を与えているのですわ」

「それが実体化したのが武装ですね」

「そうですわ」

「それで遥姉さんはその後どうしたんだ?」

「…そうですね…」


遥香は村人が避難した場所に向かうと既にアルマの襲撃にあいアルマ化になりかけの遺体が転がっていた。流石の遥香も動揺しどうすればいいのか分からなくなる。その時呻き声と共に暗闇が手が伸びる。その声で我に帰った遥香はバランスを崩し後ろに倒れるが、素早く手を地面に付け地面を蹴り足を中に浮かす。そしてアルマ化した人との間合いを見て勢い良く足を突き出し蹴り飛ばす。遥香はそのまま立ち上がり拳銃を手にする。


「ごめんなさい…」


遥香は発砲し眉間を撃ち抜く。しかし洞窟の中から更にアルマ化した人が飛び出す。遥香は手元にあったナイフを持つ。

(この先には憐斗と結彩が…絶対に通させません!)

と遥香は自ら人々の中に突っ込み注意を引く。

(一発当たれば…ゲームオーバーですか…どんな

くそげーですかね…)

遥香はナイフを襲いかかる村人の心臓に突き出す。素早くナイフを抜き取り更にその先にいた村人の目を狙いナイフを投げる。吸い込まれるようにナイフは村人の視界を奪う。間髪入れず拳銃を襲って来る村人目掛けて撃つ。そして気づけば遥香は村人全員を殺し遺体が散乱する中心に立っていた。返り血を全身に浴びた遥香は赤く染った服を見てため息を付く。


「結局私は殺す技術しか無いのですね…」


その時背後から現れたアルマの気配に気づき遥香は身を翻し後ろに飛び上がる。しかしアルマの攻撃の方が早く左腕に攻撃を受ける。

それと同時に遥香は今までに感じた事の無い痛みを感じる。


「あぁぁぁぁぁぁぁ…」


左腕を押さえながら遥香は痛みに悶える。そして恐る恐る見ると傷口から皮膚が黒く侵食されていた。

(ここまでですか…)

「っ!」


遥香は右手で拳銃を掴みアルマに突撃する。アルマは再び爪を振り下ろすが遥香は左腕を突き出す。肉が斬られる音が響き遥香の左腕が宙を舞う。遥香はアルマと至近距離まで詰め寄り拳銃を

アルマの心臓に突き出し、銃弾を放つ。


「はぁはぁ…」


意識が朦朧となりながら遥香は自分に寄りかかろうとするアルマを振り払い地面に落とす。しかし遥香に休ませる時間を与えないようにと更にアルマが2体現れる。

(こ…っら…さ…ぇ…た…ぉせば…)

遥香は最後の力を振り絞り2体のアルマ目掛けて走る。アルマは砲撃をして来るが遥香は避けること無く突き進む。そして遥香はすれ違いざまに一体のアルマに拳銃に残った2発の弾丸を放つ。遥香が放った弾丸は頭、心臓を貫く。そして遥香は拳銃を投げ捨て最後のアルマに体当たりをする遥香とアルマは崖から地面に落下する。アルマが抵抗するよりも早くに落下した先にあった木の枝にアルマは突き刺さり木の枝がアルマの身体の至る所から顔を出す。アルマが枝に突き刺さった衝撃で遥香は更に落下し地面に叩きつけられる。


「…何も…見えない…」


落下する際に両目を枝に切り裂かれ失目した遥香は唯一動かせる右腕を上に伸ばす。


「もっと…会いたい…せめて…もう…一度…」


右腕が力なく崩れ遥香の心臓は動きを止めた。

しかし


「ここは…」


遥香が目を覚ますとそこは見知らぬ場所だった。


「気が付きましたか」

「あなたは…」


起き上がるとその先に榊の姿があった。


「私は榊と申します…以後あなたの上司です」

「あなたが…」


と自分の声と身体に違和感を感じ遥香は鏡の前に立つ。するとそこに立っていたのは見知らぬ女性だった。


「この身体は…私はどうなっているのですか?」

「あなたの脳をこの身体に移植したのです、3ヶ月前あなたの遺体を見つけた調査隊はあなたの死体を見つけたのです。しかしあなたは人に知られてはまずい存在、そのため紺野遥香は行方不明で処理されました、解剖の結果幸い脳が無事であったため脳死した方、美来梨絵の脳と入れ替えたのです、それから1ヶ月半あなたが目覚めないので不安でしたが実験は成功しました」

「実験…」

「早速ですが貴方に最初の任務です」



「それが『呉基地に潜入しアームズを監視しろ』だったのです、そして再び憐斗と結彩に泣いて抱きつきたかったのですが出会った時、梨絵としての私が抱き着いても迷惑なだけですし、任務中だったので出来なかったのです…」


とその時いつの間にか助手席から移動していたレンナが梨絵の横に座り


「でも今はもう任務でも無く俺の中では梨絵は

遥姉さんだ、遥姉さんがやりたい事をしていいんだ」

「なら…抱き着いてもいいですか?」

「あぁ」

「あ…あぁぁっ!」


泣きながら梨絵はレンナに抱きつく。レンナは梨絵の頭を撫で


「おかえりなさい遥姉さん」


と呟いた。

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