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Arms・Front  作者: 白兎
舞鶴遠征任務
74/120

74話 屈辱

「二人を返せ…」

「あははっ格好いいですねあなた、ですが紫萩結彩は…」

「っ!」


男がそう言いながら結彩を見た瞬間、レンナは踏み込み強く蹴るするとレンナの姿が消え次の瞬間結彩を拘束する触手が切り裂かれ男の背後に結彩を抱いたレンナの姿があった。


「蒼嵐、羽根、渚、玖由、大丈夫か!」

「はい」

「な…何とかね」



渚は薙刀を支えに立ち上がり蒼嵐は羽根に支えられながら立ちレンナの元に集まる。


「それよりその姿は…大和じゃないよね?」

「あぁこれは夕立の武装だ」

「「!?」」

「レンナ、どうして!?」

「説明は後でする、結彩を頼んだ」


そう言いレンナは展開していた4つの大鎌に加え更に2本の大鎌を展開する。そしてふらっとレンナが前に体重をかけた瞬間レンナの姿が再び消え

男の目の前に現れ6つの大鎌を一斉に前に突き出す。男は咄嗟に爪で受け止めるが接触した衝撃で吹き飛ばされる。しかし吹き飛ばされながらも触手から砲塔を突き出しレンナに向けて放つ。レンナは大鎌を振り下ろし砲弾を切り裂くそして硬化した触手が迫っている事に気づく事が遅れながらも2本の大鎌を重ね触手を受け止める。触手を受け止めながらもレンナはアームを振り大鎌を切り離す。切り離された大鎌は空中を回転しながら男に向かって突き進む。切り離されたアームから砲塔が飛び出し大鎌に気をとられた男の右肩を撃ち抜く。右肩を撃ち抜かれよろめく男に大鎌の追撃が入り右腕を切り落とす。


「お前の負けだ、(さかき)

「どうしてその名前を…あいつか…!」


榊と呼ばれた男は血相を変えながらスイッチを取り出す。それを見たレンナは


「残念だけど意味はないぞ」


とブレスレットの形をした爆弾を榊に向けて投げる。


「どうしてそれを!」

「俺が破壊したからに決まっているだろ」

「くそっくそっ…クソがぁぁ!何奴も此奴も私の邪魔をぉっ!」


そう叫んだ瞬間、榊は頭を抱え苦しむ。レンナはそんな榊を見て身構えたが硬化した触手がレンナの腹部を突きそのまま引きずり回し突き飛ばす。咄嗟に夕立が装甲を展開した為ダメージを抑える事は出来たもののレンナは全身の痛みに苦しい表情を浮かべる。しかし間髪入れず硬化した触手が次々にレンナに襲いかかる。レンナは素早く動き撹乱するが正確に付いてくる触手を見て大鎌を振り下ろし触手を床に叩きつける。


「レンナ様これではきりがありませんわ、男を直接狙った方が良いかと」

「そうだなっ!」


1本の大鎌を取り外し手に取ったレンナは榊との距離を一瞬で詰め大鎌を振り下ろす。榊は硬化した触手を盾のように張り巡らせるが大鎌の威力に劣った触手は無惨に切り裂かれる。しかしその間に右腕を復活させていた爪をレンナに向けレンナを押さえつける。が、レンナはもがこうとはしなかった。そんなレンナに榊は違和感を感じるその時


「はぁぁぁっ!」


加奈が履帯を高速で回転させて突っ込む。それを見た榊は再生する触手を1本に集中させ勢い良く硬化した触手が加奈に向かう。触手に接触する直前加奈は飛び上がり榊の頭上から砲塔を榊に向け砲弾を放つ。砲弾は榊の顔を潰し下半身まで貫く。糸が切れた人形のように榊は倒れる。


「くっ…わわっ!?」


勢いのあまり着地に失敗し加奈は地面に転がる。


「みんなごめん!」


立ち上がり加奈は蒼嵐達に土下座をする勢いで謝る。


「どうして加奈が謝るんだ?」

「だって蒼嵐達があいつの注意を引いている間に姿を隠していたうちが奇襲をするってのが作戦やったのに…レンナが来て出て行くタイミングを見失ったせいで…」

「問題ないさ、加奈が途中で飛び出さなかったお陰で俺も助かったんだから」

「そうですよ!加奈さん!」


レンナの言葉を聞き羽根も加奈を励ます。


「うっ…」


苦しいそうな表情を浮かべながら結彩が目を覚ます。そして結彩は蒼嵐達、そしてレンナの姿を見て良かったと言うような表情になる。そしてその先に倒れる榊を見て結彩は


「あいつは…やったの?」


結彩の問いかけにレンナは首を横に振り


「いや…まだだ…あいつの弱点を切り落とさない限り復活する」

「弱点…」

「右肩だ」


その時顔面を再生した榊が立ち上がりレンナ達を見る。


「どうする気…?」

「大丈夫だ心配しなくても」


と結彩を見て呟く。


「みんなは爆発に備えて離れてろ!」

「爆発!?…れ…レンナ!?」


榊は硬化させた触手を向かって来るレンナに向けて放つレンナは硬化した触手を大鎌の側面で弾き飛ばす。そして翻った触手を身体を回転させ大鎌で切り裂く。その勢いのままレンナは2本の大鎌を切り離しブーメランのように回転させながら榊に向けて放つ。榊は触手を軟化させ伸ばし大鎌を受け止める。しかし放たれた大鎌にはワイヤーが繋がれており手に持ったをワイヤーを引っ張ると大鎌が引っ張られ触手を引きちぎる。再びレンナは榊と距離を詰めるそして一瞬で背後に回り込み大鎌を振り上げるしかし背中からレンナを覆うような巨大な尻尾が生えレンナを吹き飛ばす榊はすかさずレンナを再生した触手で掴み徐々に全身を締め付ける力を強める。


「ぐっ…」

「そう!そうやって苦しみながら殺してあげますよ!あなたを殺したあとはあちらの方々も殺して上げますから心配せず死んでください」


その言葉を聞きレンナを笑みを浮かべる。


「死ぬのはお前だ、榊」


ーーー

「こんな距離から狙撃なんて無理だ…」

「そうですね…でも1%でも成功する確率があるなら何もせず後悔するよりその1%に掛ける…あなたのパートナーが教えてくれたことです、大和」

「梨絵…」


梨絵は地面に伏せ5km以上先にあるレンナ達が戦っている建物の換気扇をスコープ越しに見る。換気扇につけられた2枚の羽が重なる瞬間部屋の中が見え一瞬だけレンナの姿がスコープに映る。

スナイパーライフルが揺れないように固定し梨絵は深呼吸をする。

そしてレンナが壁に打ち付けられ触手に捕えられる姿が見えすぐに引き金を引きそうになるがそれを耐えチャンスを待つ。そして右肩をこちらに向けた榊がスコープの中に入って来る。と、同時に梨絵は引き金を引く。するとスナイパーライフルの中でエネルギーの塊が爆発を起こしその衝撃波が装填された小型徹甲弾をスナイパーライフルの中から押し出し衝撃波を放ちながら小型徹甲弾が放たれる。それは空中の空気を切り裂き空気を掻き回す。

ーーー


小型徹甲弾は換気扇の2枚の羽が重なる瞬間をくぐり抜け榊の肩に命中し肩が消し飛ぶ衝撃波を放ちながら爆発を起こす。


「私の…私の右肩がぁぁぁ!貴様っ!殺す!殺すっ!」

「殺す殺すうっせぇんだよ…」

「結彩…」


ゆらゆらと立ち上がり結彩は榊を睨む。それと同時に結彩の結晶が強く輝き武装が以前結彩がアルマ化した時に似た武装が黒く染まり更に武装の至る所に亀裂が入りその部分が赤く輝く。そして首から腰まで届くマフラーを纏った姿に変わる。

無表情のまま結彩は手を横に振るとアルマが召喚される。アルマは結彩の意思に従い榊を殺そうと襲いかかる。今までの威勢が消えアルマを初めて見た人のように悲鳴を上げる榊を見てレンナは大鎌を振り触手を切り落とす。その間に結彩は榊との間合いを詰め両手を突き出し首を掴み握り潰すような力で榊の首を絞め殺そうとする。それを見たレンナは


「結彩!そいつを殺すな!」

「…ちっ!」


結彩はゴミをゴミ箱に投げ捨てるように榊の首を掴んだままレンナに向けて投げる。地面を転がり咳き込む榊の首に大鎌を向ける。


「ひっ!?」

「一つ、これ以上結彩の命を狙うな

二つ、梨絵はお前達の所有物ではない俺達の仲間だ、分かったか…っ!」

「わ…分かった…だから」


とレンナは大鎌を榊が離す。


「殺しはしないさ、ただお前はアームズを嫌っている…そんな奴らに負け更に命は取られずに済むなんて屈辱だろな」


とレンナは笑みを浮かべる。その笑みは今の結彩でも恐怖した笑みだった。


「お前そうしてこの忘れられない屈辱と共に生きればいいさ、行くぞ、梨絵達が待ってる」


とレンナは振り返り部屋から出ていく。それに続いて結彩が榊に向けて舌打ちをしてレンナを追いかける。続いて我に帰った蒼嵐達がレンナと結彩を追いかける部屋を出て行く。


「くそがぁぁぁ!いつか…絶対復讐してやる…

アーームズぅ!!」


取り残された榊はそう叫んだ。

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