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Arms・Front  作者: 白兎
舞鶴遠征任務
68/120

68話 敵

「はぁぁっ!」


憐斗は砲塔が付いたアームを振り回し目に付くアルマを片っ端から倒していく。

(やっぱりこれならこの化け物を殺せる!)

そして目の前のアルマを押し倒し腕に付いた砲塔で砲撃する。

そして飛び散ったアルマの破片の先に逃げ遅れた親子が居た。それを見た憐斗は


「早く逃げろ!」


と言うが最後まで言い切る前に親子は逃げていく。憐斗は親子を見送り周囲のアルマに目を向ける。しかし次の瞬間悲鳴が聞こえる。


「あの声…さっきの親子!あっちにまだ化け物が居たのか!」


憐斗は親子を助けに行こうとするがアルマの砲撃が行く手を阻む。

(くそっ…!)

憐斗は全方向に全砲塔を向け一斉に放ち周りのアルマと瓦礫を跡形も無く消し去り瓦礫の先に居た親子の姿を見つける。人型のアルマは刃を親子に突き出す。


「やめろぉぉっ!」


人型アルマは子供に覆いかぶさる母親に刃を突き刺さす。更に母親の身体を貫通しその先に居た子供の身体に突き刺さる。親子との距離は離れていたが肉が裂かれる生々しい音が耳に聞こえた気がした。


「くそぉぉぉっ!」


憐斗は走りながら右腕に付いた砲塔を前に突き出し人型アルマを狙い撃つ。しかし同時に憐斗を狙ったアルマの砲撃と憐斗自身の焦りが狙いを狂わせ二発放ったうちの一発が親子の死体目掛けて突き進む。

(しまった…!)

突き進む砲弾を止める方法などは無くなす術はなく。人型アルマと親子に命中し一つの破片と二つの肉片が飛び散る。すぐさま自分を狙ったアルマに砲塔を向けアルマを撃破する。


「ひっ!」


小さな悲鳴を聞き憐斗は恐る恐る振り返るとそこには逃げ遅れていた村人達が居た。


「こ…こ…れは…」


その時飛んできた石が頭に当たり憐斗は頭から血を流す。


「お前がこんな事をしたんだろ!」

「俺が…」

「そうだ!その姿も奴らの仲間の証だろ!」


憐斗は誤解を解くため身体の力を抜くすると武装が解除される。しかし村人の誤解は更に深まり村人達は憐斗を殺そうとする勢いで憐斗に詰め寄る。


「ち…違う…」

「「憐斗!」」


憐斗と村人達の間に結彩と遥香が割り込む。


「なんで憐斗を攻めるの!?助けられたんでしょ?」

「どうせ安心させて俺達を殺すに決まってる!」


その言葉を聞き結彩は頭の中が沸騰したように熱くなる。そして


「ふざけるな!お前達を憐斗が殺るならとっくに殺ってる!怖いからって人に八つ当たりするんじゃねぇ!この弱虫が!」

「このガキ!お前もそいつの仲間か!」


と大柄の男が拳を振り下ろす。が、結彩はそれを両手で受け止める。そして拳を上に弾き無防備な男の股間を蹴りあげる。


「私は化け物の味方じゃない!憐斗の味方だ!文句がある奴はかかってこい!」


結彩の威圧に負け村人達は渋々憐斗に敵意を向けるのをやめる。


「憐斗!大丈夫?」

「結彩…俺は人を殺したんだ…」

「違うわよ、あれは化け物のせいよ!」

「結彩の言う通りです、それに憐斗のお陰で化け物も殲滅出来たみたいですから」

「そう言えばあの力はなんなの?」

「分からない…」


とペンダントに戻った結晶を手にする。それを見て遥香は


「それは…?」

「父さんから貰ったものだ…いつも肝心な時に居ないんだ…今もどこに居るのか分からない…」


と結晶を握る。


「それでも憐斗はおじさんの事が好きなんだよね」

「なんでそうなる…」

「文句を言いつつもいつもペンダントを付けていたし」

「……はぁ…」


二人のやり取りを聞きながら遥香は周辺の警戒をするが全くアルマの姿を捉える事は無かった。


「撤退したの…」


その夜は生き残った村人を連れて洞窟に隠れ一夜を過ごすことになった。


12月24日


日が変わっても周囲の警戒をしている遥香を探すため結彩は森の中を探す。そして草むらに隠れる遥香の姿を見つけ駆け寄り声をかけようとするが結彩に気づいた遥香は結彩の口を抑える。


「しっ!」


遥香はそう言い草むらの先を覗く。それにつられ結彩もその先にを見る。そこには数人の男が居た。そして


「あいつを殺す計画は進んでいるんだろうな」

「あぁあいつのせいでこんな状態になったんだ相良憐斗…」

「!?」


驚いた結彩は思わず後ろにある木の枝を踏んでしまう。


「しまった!」

「誰だ!」

「結彩!今すぐ憐斗を連れて逃げますよ!このままだと憐斗が…」

「う…うん!」

「待て!」


と二人は憐斗を守るべく憐斗の元に向かう。

(憐斗…)

遥香は後ろを振り返り追ってくる男達を見て憐斗を思った。

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