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Arms・Front  作者: 白兎
敵地奇襲作戦
6/120

6話 勝負

「うぅっ…」


憐斗は身体に何かがくっついているのを感じ身体を起こし布団をめくる。そこには憐斗に抱きつきすやすやと寝息を立てて寝る玖由が居た。


「!?」

「ん〜」


その時結彩が目を覚ます。この状況を見たら確実に誤解されると思った憐斗は慌て布団で身体を隠す。


「憐斗どうしたの?」

「い…いや何でもない」


動こうとするが玖由がいるせいで身動きが取れない憐斗を見て結彩は不思議そうに尋ねる。それを憐斗は誤魔化すが、その時布団がもぞっと動き憐斗は冷や汗をかく。

結彩は立ち上がり憐斗の元に歩み寄り布団を行き良いよくめくる。そしてそこに居る玖由を見る。


「どういう事か説明してもらおうか、憐斗」

「いやこれは…あの…」


憐斗が弁解をしようとした直後結彩の張り手が憐斗の顔に飛んだ。


「っつ…」

「大変でしたね」


あの後、騒ぎによって目覚めた玖由によって理由が述べられ結彩の誤解は解かれたのだった。


「憐斗…ごめん…私…一人で寝れなくて…」

「別に玖由が悪い訳じゃないよ」


憐斗は優しく玖由の頭を撫でる。それを見て梨絵は笑う。


「何かおかしかったか?」

「いえ、玖由にはあまいんだと思って」

「…そうか?」

(自覚してなかったのですか)

「ちょっとあんた達!」


と怒鳴るような声を聞き憐斗達は声の主を見る。


「ひっ!?」

「あんたは…」


怯えて玖由は憐斗の後ろに隠れる。憐斗は少女を見る。


「M-82部隊の花阪(はなさか)夏琳(かりん)さん…ですよね」

「…!、そうよ!あんた達に用があってわざわざ来てやったんだからね、特にお前!」


と夏琳は憐斗を指さす。


「勝負しなさい!」

「なんでそんな事しなくちゃいけなきゃいけないんだよ」

「私はあんたの力を認めていないからよ!それに出撃して足で纏になられると困るし、それにお前が武装を纏えたのは偶然みたいだし」

「偶然…だと?」


憐斗は夏琳を睨む。挑発と分かっていても聞き捨てならなかったのだ。


「だってそうでしょ?聞いたわよ、お前の町はアルマに襲撃され生き残ったのはお前と紫萩結彩だけ、それも生き残れたのはお前がアームズになれたから、お前の武装も随分とお人好しなのね、こんな奴に力を貸すなんて」

「夏琳!言い過ぎ…」

「お前は武装のお陰てここに居るのだから調子に乗るなと言いたいんだろ?いいぜ受けてやる、偶然で纏えた訳じゃない事を証明してやる」


梨絵の静止を聞かずに憐斗を夏琳の挑戦を承諾した。


「憐斗…」


そうして憐斗達は海上演習場でお互い武装を装備し距離をとりむかいあった

玖由は憐斗をみて心配そうに呟き、梨絵の袖を掴む。


(花阪夏琳…武装は雷巡大井か)

(大和…火力は劣るが動きは私の方が上…スピード勝負で決める!…絶対あいつには負けない!)


次の瞬間二人は水しぶきを巻き上げながら二人はお互いに距離を詰める。夏琳が先に主砲を憐斗に向け放つ。憐斗は身体を横に向け砲撃を交わす。すぐさま憐斗は体制を立て直し一斉射撃を夏琳に向かって放つ。夏琳は水柱をかわすため蛇行しながら勢い良く進む。その時砲弾が水柱を突き破り夏琳に命中し夏琳は中破判定となる。


「こんなものぉっ!」


夏琳は叫ぶ、それと同時に憐斗の周囲から水柱が上がり、憐斗は小破判定となる。

(酸素魚雷!?まさか…砲撃をかわしながら放ったのか)

(ああは言ったけど流石大和ね…40門の魚雷を受けても小破なんて)


夏琳は砲撃をしながら憐斗の狙いが定まらないように進む。憐斗は副砲のみを展開し夏琳との距離を詰める。


(速い!?戦艦の出せるスピードじゃないわよ!)


夏琳は振り返り酸素魚雷を放つ。それは確実に憐斗に着弾した、が次の瞬間水柱を切り裂き憐斗が刀を振り下ろす。それを夏琳は主砲で受け止める。


「残念だったな」

「ふざけんじゃないわよ!私みたいにアルマと戦うために必死に武装に認めてもらったのに…お前を見てると私がしてきた事が馬鹿に見えるのよ!」


力押しで憐斗から少し距離をとり至近距離から酸素魚雷を放つ。憐斗は次の瞬間刀を水に入れ振り上げる。それと同時に魚雷がすべて切り裂かれ水柱が起きる。夏琳は目を見開きその場で立ち尽くす。夏琳が我に返ると同時に憐斗の主砲が目の前に固定されていた。が、憐斗は主砲を夏琳の目の前から放す。そして


「お前の武装も優しいじゃないか」

「どういう事よ?」

「お前の武装は試していたんだ、お前が戦場で死なないほどの実力を持っているのかを、だからあえて武装はお前が強くなるまで認めなかったんじゃないか?お前を死なせないために」

「どうしてそう思ったの?」

「カン」


と言って憐斗は梨絵と玖由が待つ岸に向かった。

夏琳は顔を赤くし


「き…今日の所はこれくらいにしといて上げる、でっ…でもあなたを認めた訳じゃないんだからねっ!」


と、憐斗の後ろ姿に向かって叫び逃げるようにそこから離れていった。


「憐斗ボロボロ…大丈夫…なの?」

「あぁ…それにこれは演習用の演出だからな」


と言って、憐斗は武装を解除しいつもの服装に戻ると玖由は安心したような表情をし憐斗にくっつく。

そこに結彩が駆け寄ってくる。


「やっと見つけた、こんな所で何してたの?」

「散歩ですよ」

「こんな所まで…散歩…?…まぁいいわ!それより憐斗!おじさん…司令官が呼んでるよ!早く来て蒼嵐ももう付いていると思うよ」


「入ります、司令官」


そう言って蒼嵐は司令室に入る。


「残りの三人は後から来ます」

「そうか、なら先に蒼嵐にだけ渡しておこう」


と琢斗は蒼嵐に結晶を渡す。


「これは…」

「お前達の新たな力だ、これが使えるかはお前達次第だ」

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