5話 整備
「隠し子?」
「違う!」
憐斗の怪しむ視線を見て琢斗は即反論する。
「この子は自分を兵器と思い込んでいる、生まれた時からこの子の両親はこの子が生まれた時からそう教えていたらしい」
憐斗は玖由を見る。玖由は目に光が無く、感情のない機械の様だった。
「その椎名って娘が俺達の秘密兵器になると…?」
「そうだ」
「なら…」
「このまま出撃させろと言いたいようだがそれは無理だ、武装が彼女に反応しないのだ」
(聞いたことがある…アームズの武装には意思がありそれが認めない限り身にまといアームズとして戦うことが出来ないと…なら!)
「なら!別の適合者を探せばいいだろ?」
「それは出来ない、不思議な事に彼女の武装は彼女を認めているが、武装を身に纏わせる事を認めていないんだ、だから別の適合者なんて見つからない」
「なんとなく言いたい事は分かった、椎名が武装に身に纏わせる事を認めさせろと、そう言いたいんだろ?」
「そうだ、これはお前達にしか出来ない事だと俺は思っている、頼むぞ」
「って言われてその娘を連れてきたと」
「あぁ…はぁ〜なんで俺達が…」
「っつ!あーもう我慢出来ない!」
と蒼嵐は玖由の手を引っ張り自分ベッドに座らせる。そして玖由のボサボサの髪をとく
「何やってんの?」
「蒼嵐は髪が乱れているのが嫌いですから…玖由の髪が気になったのでしょう」
「ふーん」
梨絵の言葉を聞き結彩は蒼嵐をみる。何も知らない人が見ると姉妹の様に見えるんだろうなと結彩は思った。
「これで良し!可愛いわよ」
数分後玖由は蒼嵐によって髪がとかれポニーテールにヘアチェンジする。
「か…わ…いい?」
と玖由は表情は変わらなかったがキョトンとした様な声で蒼嵐を見る。
「ぐ…か可愛わよ」
(可愛すぎるんですけど!?)
「かわ…いい?」
と今度は憐斗達に近づき尋ねる。
「可愛いよ」
憐斗は優しく玖由の頭を撫でる。それを見て結彩は
(私も髪型変えてみようかな…羨ましくなんて無いけどね…!)
と、その時玖由は胸を抑え
「この感じ…温かくて好き心が包まれる感覚…どう表現したらいいか分からない」
「それは嬉しいですね」
「うれ…しい?」
「そうよ、そしてその時はこうやって笑顔にするの」
結彩は玖由に笑顔を見せる。
それを見て玖由はぎこちない笑みを結彩達に見せる。それを見て結彩達は保護欲と言うものを知った。
「梨絵、蒼嵐、玖由を任せて良いか?俺達は
用事があるから」
「憐斗…一緒に居たい…駄目?」
と玖由は憐斗の手を繋ぐ、それを見た結彩は唖然とする。
「……はぁ…まぁ良いだろう…な、結彩?」
「え、い…え?!…あ、あー良いんじゃない……かな…」
結彩は焦りを必死に抑え誤魔化しながらそう言った。
「私達も…行っても大丈夫?」
蒼嵐はそういい憐斗を見る。
「別に良いけど」
と五人は部屋を出る。そして建物の裏にある森に入り開けた空間にでる。
「こんな場所が…こんな所にあるなんて知らなかった」
「俺も今日知った、それでこれだけ広ければ色々な事が出来ると思ってな」
「でも、こんなに草がお生い茂っていたら…」
「だから、今日はここを整備するのさ」
「ひっ…虫!?」
蒼嵐が草にくっつく虫を見て後ろに勢い良く下がる。
「虫…これが…」
玖由はしゃがみ虫をじっと見る。玖由の視線に気づいたのか虫は飛んでいく。それを玖由は目で追いかける。
「ある意味これで良かったですね、憐斗、玖由も今まで経験出来なかったことが出来て嬉しそうですし」
「そうだな」
「憐斗ー出来たわよ」
と結彩は廃材で作ったベンチに持たれながら疲れたように言う。
「憐斗達は器用ですね」
「まぁね、こんな事をいつもやらされてたし」
結彩は嫌な事を思い出す様に目を逸らしながら言う。
「前から思っていたのですが二人はどういう関係なのですか?」
「幼馴染よ、と言っても幼い頃憐斗の両親が居なくなってから一緒にに暮らしている事が多いからね」
「まぁだからと言って別にどうって事は無いけとな」
「ちょっとそれ!どういう事よ!」
「くすくす」
玖由の笑い声が聞こえ憐斗達は玖由を見る。
「憐斗達…面白い…」
初めて見る玖由の笑顔を見て憐斗達も笑った。
「なによ…あいつら…!」
一人の少女が憐斗達を見てそう呟く、そして勢い良く振り返り歩き出した。




