46話 わたしの
「…わ…す…」
瓦礫を吹き飛ばし人アルマは立ち上がる。
そして足を引きずるようにゆっくり歩き出す。それを見ていた夕立は笑みを浮かべ影に消える。
「作戦決行は今日の夜か…大丈夫なのか蒼嵐…」
赤く染まった空を見ながら憐斗が呟くとビクリと身体を動かし震えた声で
「な…何が!?」
と言う
「いや…確か蒼嵐って暗いのが…」
「な、な、な、んな分けないでしょ!」
「え…いつも…むっ!」
「あぁぁぁぁぁっ!そ、そろそろ出発の時間ね
サーイクゾー!」
「んーー!」
顔を真っ赤にして蒼嵐は羽根の口を抑え武装を展開し羽根を引っ張りながら連れていく。
「俺たちも行くぞ」
と、憐斗は足の武装から車輪が飛び出し滑るように道を進む。
(憐斗様…)
「!?」
「憐斗?」
「悪い、先に行ってくれ」
と、憐斗は引き返す。
「やっぱり…君か…」
「お久しぶりですわね、あとわたくしは夕立です」
「夕立か…それで何の用なんだ?」
「人アルマについて…」
次の瞬間憐斗の武装が解除され大和が砲塔を夕立に向ける。
「大和…!?」
困惑する憐斗に聞こえないように小声で
「余計な事を憐斗に吹き込もうとするな」
「ふふっ、教えてあげた方がいい様な気もしますが…」
「お前…」
「言っておきますが…これは憐斗様の為では無くあなたの為です…」
「2人ともどうしたんだ?」
「いえ…大した事ではありませんですの、憐斗様わたくしはいつも傍にいます、いつでも頼ってくださいまし私の憐斗様」
と囁き夕立は闇の中に消える。
(夕立を頼る事は無いと信じたいな…)
と憐斗は大和を見る。大和は悔しそうな表情を浮かべていた。そんな大和の肩を叩と我に返った大和は憐斗を見る。
「ごめん…」
と武装となり再び憐斗に纏う。
「行こ…」
「分かった」
ーーー
「ここから作戦を開始するわ!美咲達お願い」
「了解、航空偵察部隊行くわよ!」
美咲、空に続いて蒼嵐、羽根、輝夜といった戦闘機アームズが飛び立つ。
「まずは美咲達からアルマの居場所を把握してもらいます、前の戦いでここのアルマはいくつかのグループに分かれている事が分かりました、なので私達は3班に分かれアルマを各個撃破していきます」
「すまない、遅れた」
「なにかありましたか?」
「…いや…普段あまり車輪を出す事がないから回転が悪くてな、修理していたんだ」
と憐斗はそう言って誤魔化した。
「ここから私達も3つに分かれて行動するわ」
と飛行したまま振り返り輝夜が口を開く。
「まずは1班は私と羽根、D-59部隊、秋で東を2班、美咲、蒼嵐、R-2部隊、珀で南を、3班は空、映月、K-33部隊 遥香で北の偵察を!」
「「了解!」」
「よし…解散!」
「あの…輝夜さん」
「なに?」
「私…夜間だと索敵どころか飛行するので精一杯なのですが…」
と蛇行しながら飛行する羽根は輝夜に言うと輝夜は
「大丈夫、索敵は私がやるあなた達は私の護衛をお願い」
「分かりました」
「大丈夫、私も輝夜より先が見えてないから」
「秋さんも…ですか?」
「このライト意味があるのかしら…」
と頭に装備されたライトをつつく。
「まぁ…夜間飛行は慣れね、頑張って」
「頑張ります」
(でも…蒼嵐さんは大丈夫でしょうか…)
(怖くない怖くない怖くないやっぱ怖い!)
羽根の予想通り暗闇でパニックになりかけていた蒼嵐はそれを美咲と珀に悟られないように冷静に振る舞う。が、そんな蒼嵐の心境を見抜いていた美咲は
「あーあそこにアルマがー」
「ひゃぁぁぁぁっ!」
パニックになった蒼嵐は周囲を銃で乱射する。
「じ…冗談よ!」
「美咲さん!なんて事を!」
「ごめんごめん、蒼嵐を見ていると面白くって」
「はぁ…」
その時、美咲のレーダーにアルマの反応を感知する。それを見て珀は
「遊びはここまでね…美咲分かってる?」
「あっ…はい…」
睨まれた美咲は思わずかしこまった返事をしてしまう。そして美咲はアルマの反応をした場所を
千陽達に送る。
「多いな…」
次々に受信するアルマの位置情報を見て憐斗は呟く。
「各班分かれてアルマを撃破そして人化したアルマの救出、最悪撃破!なにが起きるから分からないから気を引き締めていくよ!……愛でる子が減るのも嫌だし…」
「千陽、今最後なんて言ったの!?」
「気を引き締めていくよって」
「……むっ」
そんなやり取りのおかけで張り詰めていた空気が少し和らぐ。そして憐斗達も3班に分かれアルマの撃破に向かった。
「さみしい…ひとり……」
ゆらゆらと歩きそれは手を前に伸ばす。
「だれにもわたさない…わたしの……れんと…」




