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Arms・Front  作者: 白兎
四国奪還作戦
27/120

27話 素直

咄嗟に梨絵が榴弾を放つ。梨絵の狙いは黒い槍に命中させ放たれる前に巨大アルマを自爆させようとしたがスコープを覗かずに放った為砲撃がそれ巨大アルマの頭に命中し爆発する。それと同時に黒い槍が放たれる。しかし巨大アルマは爆発の衝撃で仰け反った為黒い槍は羽根の頭上を掠め直撃を免がれる、しかしその直後に羽根達を襲った衝撃波が羽根のバランスを奪う。


「きゃゃゃっ!?」


バランスを崩し地面に落下する。その時梨絵は羽根から手を離す。


「梨絵さん!」

「私は大丈夫です、だから一刻も早く体制を立て直して!」


梨絵はそう言ったが後数秒で地面に直撃する所まで迫っていた。一刻も早く体制を立て直そうと

羽根はもがくがはするが今の羽根は冷静さが欠けていた為すぐに体制を立て直せなかった。

(なんで!なんでなのっ!)

その時羽根の身体の力がすっと無くなり宙に浮く。


「えっ…」

「遅くなったのです!」

「映月…さん!?」

「梨絵っ!」


地面に直撃する前に憐斗が手を伸ばし受け止め地面を転がる。


「大丈夫か」

「えぇ…何とか、ありがとうございます憐斗」


梨絵は憐斗を優しく甘えるように抱きつく。


「くっ…羨ま…もうっ!」


蒼嵐は流星改の力を纏い力を込めで身体を回転させる。そしてそのまま巨大アルマの左肩を切り落とす。更に巨大アルマの目の前に飛ぶ巨大アルマは視界に入ってきた蒼嵐を打ち落とそうと口を開く。


「口開いたわね!文字通り食らいなさい!」


とミサイルを巨大アルマの口に投げ込む。ミサイルは勢いよく喉に突き刺さるが爆発を起こさなかった。


「不発!?こうなったら!」


サブマシンガンを両手に展開し不発弾目掛けで銃弾を放つ。銃弾が当たる衝撃でミサイルが爆発を起こし巨大アルマの黒い槍を放つ砲塔を破壊する。


「れ…憐斗!今よっ!」


梨絵を夏琳に預け憐斗は改大和の力を纏い大きく飛び上がる。


「大和っ!」


改大和の主砲から放たれたレーザービームのような砲弾を放ち巨大アルマの手足全てを跡形も無く消し飛ばす。それを見ていた蒼嵐は改大和は次元が違うと感じ。そして倒れた巨大アルマを見下ろし全ての砲塔を巨大アルマに向ける。


「撃てー!」


憐斗の合図と共に改大和に付けられた砲塔が一斉に火を噴く。レーザーに焼かれ更に機銃によってさらに粉々にされ遂には水晶までも消し去り砲撃の音が止む頃にはそこには何も無かったかと言うような平地が広がっていた。


「かっこいい…」

「何がかっこいいの?」

「きゃっ!結彩!?聞いてたの?」

「さっきまで雑音しかして無かったけど急に蒼嵐の声が聞こえて」

(なるほどね…あのアルマが邪魔してたのか)

「で?何がかっこ良かったの?」

「何って憐斗の…んっ!?」

「憐斗…の?」

(馬鹿馬鹿!憐斗の姿がかっこ良かったなんて言えるわけないでしょ!)


と、蒼嵐声は変わらないが表情が引きずっている結彩を思い浮かべた。


(なんて言ったら不自然じゃないか…そうだ!)

「れ…憐斗の改大和の50口径の46cm砲がかっこ良かったのよ」

「ふーん」

(あ…怪しまれてる…)

「まぁ良いわ今どこ?一度合流しましょ場所は…」


「分かったわ、じゃあ後で」

「蒼嵐、どうした?」

「結彩が合流しようだってさ」

「分かった、その前に羽根、梨絵を連れて玖由達の元に向かってくれ、露達も合流している筈だ羽根、梨絵を頼んだぞ」

「わ…分かりました!」


と羽根は梨絵を背負い玖由達が居る松山城に向かって飛ぶ。


「大部戦力が落ちたな…俺も弾薬がそこを尽きかけている」

「私もよ…魚雷が残り5本だし…魚雷が無くなったら何も出来なくなっちゃうわ!」

「囮にはなるだろ」

「憐斗酷いーっ!」

「冗談だ」

「いちいちそんな事しなくていいから!憐斗分かってる!?」

「いや…本当に冗談で…」

「言い訳するな!行くわよ!」

(蒼嵐…何起こってんだ)


蒼嵐は結彩達との合流地点に向かう。憐斗は蒼嵐に呆気に取られる、そんな憐斗を苦笑いを浮かべながら夏琳が背中を強く叩く。


「痛った…」

「仕返しよ」


と夏琳も付いて行く。そしてその後を憐斗がついて行った。



(ここも異常は無いか…)

居てもたってもいられなくなった玖由は艦載機を操り上空から状況を確認していた。その時負傷した露達が到着する。それを見た上井が駆け寄り露の手当てをする。肩から血を流す露を見て何も出来ない自分に腹が立つ。そして立ち上がろうとすると全身にマチルダから受けた痛みでふらつく。

(こんなことしている場合じゃない!)

と玖由は思い艦載機に意識を飛ばす。そしてしばらく進むと建物の屋上に人の姿を見つける。

(あれは…)

次の瞬間、砲弾が艦載機に命中し破壊される。


「っつ!」

「大丈夫玖由?」


玖由の異変に気付いた冬菜が駆け寄る。玖由は差し出された冬菜の手を振り払ってしまう。その直後自分が何をしたのかを自覚する。


「ごめん…なさい…」


自分に対する怒りを冬菜にぶつけてしまい申し訳なさそうに謝る。そんな玖由を冬菜は優しく撫でる。そして小声で


「時には自分の気持ちに正直になってもいいのよ」

「冬菜…さん」

「手伝うわ」


「冬菜あれ居ない」


珠愛は冬菜を探す為歩いていた。そこに子供達が駆け寄り


「お姉ちゃん、玖由ちゃん知らない?」


と尋ねてくる。


「玖由が居ないの?」

(まさか…あの2人…)


と嫌な予感がした為、珠愛は露達の元に向かった。


「さっきの偵察機は…」

「私達の居場所はバレただろうな」

「どうしますか、先輩」


武蔵が『先輩』と呼んだ人物に寄りかかり盗聴されているかも知れないと考え小声で話しかける。


「ならここで奴らを迎え撃つ、その方がこちらとしても楽だからな、マチルダ」

「は、はい!?」


後ろで気まずそうに立っていたマチルダは唐突に話しかけられ驚きのあまり声が裏返る。


「お前が先行しろ」


数十秒の間その言葉の意味を理解出来なかったマチルダは我に返り


「わ…私がですか!?」


と焦りながら問いかける。


「あぁ、このまま終わるなんてお前なら嫌だろ」

「分かりました!次こそは役に立てるよう頑張ります!」


とマチルダは勢いよく砂ぼこりを巻き上げながら突き進む。


「けほっ、けほっ…大丈夫でしょうか、マチルダは」

「……」


無言と言う返答に武蔵はそれ以上問いかける事は無かった。

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