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Arms・Front  作者: 白兎
四国奪還作戦
16/120

16話 襲撃者

「私達と一緒の部隊に?」

「はい!…やっぱり駄目…ですか…?ち…ちゃんと司令官からも許可は貰っています!後は皆さんの反応次第と…」

「どうするの憐斗?」

「な…なんで俺に聞く」

「だってこの部隊のリーダーは憐斗だから」

「まて、結彩、それ初耳なのだが」

「だって初めて言ったもん、でも蒼嵐達も同じ事思ってる筈よ」

「なんか…心を読まれたようで嫌だけど…確かにリーダーは憐斗が一番ね」

「私もそう思います」

「流石私の憐斗だっ!」


誇らしげに言いながら大和が憐斗に抱きつく。


「私も皆さんの意見と同じです、あの作戦の時も私に変わって皆さんに指示を出していただきましたから」


と露も賛成する。

それを聞き憐斗はため息を付きながら


「分かったやってやる」

「リーダー問題が解決した所でそろそろ羽根に触れてやったらどうだ?さっきからおどおどしてるぞ」


大和がそう言ったお陰で羽根に全員が注目する。羽根はビクッとなりながらも


「なんかすみません…」

「なーに、気にすることじゃない」

「構わないぞ、羽根」


それを聞き羽根の表情が明るくなる。


「ありがとうございます!」

「良かったね」

「それで…」

「部屋なら私が羽根ちゃんのところに行くわ」

「どうして蒼嵐が移動しないと行けないのだ?」

「俺達の部屋は五人部屋だぞ、俺、結彩、蒼嵐、玖由、大和、羽根誰か2人が別の部屋に移らないと行けないだろ」

「それなら問題ない私は憐斗と一緒に寝れば…」

「駄目だ」

「私も憐斗と寝る」

「お前らぁ…」


憐斗は言うことをきかない玖由と大和に呆れる。


その夜蒼嵐の小規模(?)な引越しが夏琳、露も加え総動員で行われた。


「ったは~何が少しよ!10往復以上はしたわよ!?」

「まぁまぁ」

「でも…大分すっきりしたな」

「この部屋の荷物はほとんど蒼嵐のものでしたからね」

「や…と…い…」

(今の声は…!?)

「大和どうした?」

「いや…何でもない」(はずだ…)


その夜大和は何故か寝付ける事が出来なかった。


(あの声…は確かに…でも…)

(やまと…こい)

(!?)

(今のは気のせいでもなんでもない)


「憐斗起きろ!」

「なんだ…大和」

「今すぐ刀を持って私に付いてこい!」

「ちょっと…まて…!」


と大和は窓から部屋を飛び出す。そして小柄な体を生かして屋根から屋根へと忍者のように飛び移りながら灯台がある堤防へと向かった。憐斗と大和に言われた通りに剣を取り大和を追いかけるためドアを開け灯台を目印に大和の後を追った。


「やはりお前だったか…」


灯台の光が二つの人影を照らす。そして睨むような鋭い目つきで大和を見る者に語りかける。


「お前達もここにいたのだな…」

「あら、随分と幼くなったな…大和はそんな趣味だったか」

「うるさい!それより」

「大和こそ…なぜ人間の味方をしている?」

「人間の味方をする…それが私達の指名だろ!」

「違う!それは人間の勝手な都合だ!意識を持てるようになってなお人間に従う理由はない!」

「武蔵っ!」

「うるさいっ!」


武蔵は嫌な事を振り払うように右腕を振り台形の個体が手を覆い更にそこから砲塔伸びる。そして衝撃波と共に砲弾を放つ。


「っ!」

「はぁっ!」


横から伸びた剣が大和に向かう砲弾を切り裂く。


「憐斗!」

「人間が…っ!」

「させない!」


大和は背中に装甲を展開そしてそこからアームのような物が四方に伸び一つのアームに2本の副砲を展開する。


「放てっ!」


大和は武蔵達に向け砲弾を放つ。が、武蔵の前にもう一人が立ち左手を前にだす。すると、弓が展開され矢を放つ。放たれた矢は空中で分裂し大和の砲弾を貫き空中で爆発を起こす。


「くっ…信濃!お前まで!」

「間違っているのは姉様です!分かってください!」

「分かってたまるかっ!間違っているのはお前達だって言っているだろ!」

「はぁっ!」


武蔵の左手に持った剣を振りかざしながら大和に走り寄る。それを見た憐斗は素早く大和の前に立ち武蔵の剣を受け止める。


「邪魔をするな!人間!」


憐斗の弾きで身体が仰け反った武蔵は砲塔を憐斗に向け砲弾を放つ。それを憐斗は剣を縦にし砲弾を掠めさせ直撃を防ぐ。その隙を見て武蔵は体制を立て直し剣を憐斗に向けて突き出す。


「しまっ…」

「やめろぉぉぉぉぉっ!」


肉を刃物で突き刺すような音がなり憐斗は目を見開く。


「大和!」

「大和…そこまでしてその人間を守りたいか」

「あぁ…こいつは私の命に変えても守る…!」


と力づくで腹に刺さった剣を引き抜く。その時

武蔵は衝撃波を感じ取り咄嗟に後ろに下がる。

それと同時に目の前を砲弾が過ぎ去る。更に艦載機が2人に向けて機銃を放つそれを2人は腕に身体を覆うほどの装甲を展開し機銃を防ぐ。


「憐斗!」

「結彩!?どうして…」

「どうしても何も急に2人が部屋から飛び出していくし爆発音が聞こえるし何かあったとしか思わないじゃない!と言うかこの騒ぎで起きなかったらどれだけ深い眠りしてんのよ!私もそんな深い眠りをしたいわよ!」

「結彩、願望が混ざってるぞ…」

「はっ!?とにかく一旦離れて!」


結彩は2人が装甲を解除しないように砲撃を繰り返しながら大和を抱き抱えている憐斗と結彩は後退する。その時、爆発が武蔵達と憐斗達の間で起きるそして煙が晴れるとそこには武蔵、信濃の前に五人の姿があった。


「随分と手間取っていたな」

「すまない」

「だ…大丈夫ですよ、武蔵さん」

「撤退だ、行くぞ!」


とその時、武蔵が振り返り


「人間…次はお前達を殺す」


と言い残し消える。

それを朦朧とする意識の中大和は力を振り絞り消える武蔵に向けて手を伸ばしたが力尽き大和は眠った。


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