14話 巨大アルマ
「はっ!避けろっ!」
巨大アルマの大きさに圧倒されていた憐斗だが巨大アルマが手を振り上げるのを見ていち早く我に返った憐斗は攻撃を避ける様に全員に促す。憐斗の声で我に返った結彩達は手の範囲から逃れる為に四方に散る。
次の瞬間巨大アルマの手が海面に着水し大波が憐斗達に襲いかかる。
「憐斗っ!」
「こっちだ!」
結彩は声のする方に手を伸ばす。そして憐斗の腕を掴む。憐斗は腕を引き結彩を大波の中から引っ張り出す。
「けホッ…」
「大丈夫か?」
「なんとか…」
「みんなは!?」
「大丈夫ですよ!」
「危なかったけど」
梨絵と玖由が近づいてくる。
「私達もなんとかなったわ…ったく…あいつの衝撃波で吹き飛ばされそうになったわ…」
「あはは…」
蒼嵐の言葉を聞き羽根は苦笑いする。
「こっちも全員いるわよ!」
と夏琳と露達も憐斗達の元に集まる。
「どうすれば言いでしょうか…お姉様…?」
「そうね…とにかくあいつの弱点を把握する為に2人1組になって攻撃を仕掛けましょう、どちらかが行動不能になってもそうすればもう片方が護衛して一度離脱、そしてW-15部隊の工作艦明石、上井さんに応急処置をしてもらってください!」
「分かりました!」
「あと…次にお姉様とか呼んだらお仕置きでもしようかしら…」
「「ご褒美です!」」
「……っ!行きましょう!」
露達のコント(?)のお陰で緊迫した空気が少し和み憐斗達の緊張が収まる。
憐斗と結彩は巨大アルマの背後を取ろうと巨大アルマの足元を通り抜ける。その時二人は改めて巨大アルマの大きさに驚く。
(遠くからみたら分からなかったけど…)
(こいつ10mはある…!)
そして二人は後ろに回り込む
「「なっ!?」」
巨大アルマの背中には背後からの攻撃を防ぐためか数える事が不可能な程の機銃を装備していたのだった。
「まずい…結彩!」
「分かってる!」
機銃が憐斗と結彩を捉え火を吹く。
「憐斗!このっ!こっち向けっ!」
と蒼嵐は銃弾を放ち巨大アルマの注意を自分に向けようとするが注意を引いたのは機銃のみで、蒼嵐は慌て旋回し機銃の射程範囲から逃げる。蒼嵐と入れ替わりに羽根が巨大アルマの首に銃弾を浴びせる。確実にダメージは与えているが巨大アルマは虫を追い払うように手を振り上げる。羽根はそれを避けるが、それと同時に巨大アルマの背後に回ってしまう。
「しまった!」
機銃が一斉に羽根を見る。
(新手のホラーだ…)
と、その時羽根は巨大アルマの背中に大きな結晶体の様なものを見つける。
「梨絵さん!背中です!背中の結晶体がこいつの弱点です!」
「了解です…でも」
「梨絵さんが背後に回るまで私が…」
巨大アルマの頭上で爆発が起き羽根は空を見上げる。
「なにが…」
「私も手伝う!」
羽根と玖由の放つ無数の艦載機によって機銃の狙いがまばらになる。
「そこっ!」
梨絵が機銃の注意が向かない隙を狙い巨大アルマの背中の結晶体目掛けて砲撃する。
砲撃が命中し結晶体にひびが入る。そして巨大アルマは悶絶をしているかのように苦しむ。
「「!?」」
「敵の弱点は背中の結晶体です!」
「でも、あんな高い場所の的梨絵さんみたいな自走砲じゃないと届かない…」
「作戦は…ある!」
「「憐斗!?」」
「はぁーっ!」
夏琳達M-82部隊は魚雷を放ち、そして巨大アルマの両足を破壊する。
「もう1度借りるよ!羽根ちゃん月ちゃん!
はぁぁぁぁぁぁっ!」
流星改の力を纏い機銃の弾幕を高速でかわす。そして身体を回転させ剣を振る。
蒼嵐が通り過ぎると、そこにあった機銃が粉々に破壊される。
「はぁはぁ…後は任せたわよ…」
武装が解除され蒼嵐は海面に落下する。それを羽根がうけとめ離脱する。
「そこです!」
「はあっ!」
梨絵と玖由が巨大アルマの左右の目を潰す。
「憐斗行くよ!」
「ああ!こい結彩!」
と、憐斗は高くジャンプするそして結彩は落下する憐斗に照準を合わせそして空砲を憐斗の武装目掛けて放つ。空砲の加速を加えて憐斗は勢い良く巨大アルマの腹部に潜り込む。そして
憐斗は改大和の力を纏い主砲を巨大アルマの腹部に向ける。
「貫けぇぇっ!」
憐斗の放った砲弾が巨大アルマの腹部にめり込むそして結晶体を砲弾が貫く。
巨大アルマは雄叫びの様な叫び声を上げながら消滅した。
「やったよ憐斗!」
結彩が憐斗に抱きつく。それを玖由、蒼嵐、夏琳は羨ましそうに見る。
「ちょっ!?」
こうして憐斗達にとって初めてとなる作戦は多大なる犠牲を払い成功したのだった。