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Arms・Front  作者: 白兎
敵地奇襲作戦
12/120

12話 迷い

「蒼嵐ちゃんは月が死んだのは自分のせいだと思ってるでしょ?」

「…だって私があの時力づくでも止めていれば月ちゃんも助けれたかもしれないのに…」

「かも!しれないだよ?」


『かも』という言葉を美咲は強調して蒼嵐に伝える。


「…っ!」

「実はあの時月を止めていたら蒼嵐ちゃん…あなたも死んでいたのよ」


と、美咲はあの時蒼嵐を狙い左右からアルマが襲いかかっていた、それに気づいた月はわざと蒼嵐の差し出された手を弾いたのだった。それに気づいた羽根が両側のアルマを撃ち落としていたのだった。


「そんな事が…」

「月ちゃんは蒼嵐ちゃんを守った…でも蒼嵐ちゃんがそんなんだと月ちゃんはどう思うかな…」

「でも…私はどうしたら…」

「決まってるでしょ?」


と美咲は蒼嵐の首にかけた2つの結晶を取り蒼嵐に見せる。


「蒼嵐ちゃんが月ちゃんの思いを引き継がないと」

「私が…?」

「そう!それに蒼嵐ちゃんには心強い力があるんだし!」

「でも…今まで使えなかった…のに」

「今の蒼嵐ちゃんなら大丈夫!だってもう蒼嵐ちゃんは迷ったりしないから!」


その言葉を聞き蒼嵐の心のモヤが晴れる。

(そうか…私はいつも迷っていた…どうすれば最善な行動ができるかを…)


「なんか出来そうです!」

「そう!それだよ!蒼嵐ちゃん!」


と蒼嵐は武装を纏い空に向かって飛び立つ。


「行ってきます!憐斗達のもとに!」

「おう!行ってこいっ!」


と美咲は蒼嵐を見送る。そこに空が笑みを浮かべながら近づく。


「なんか私が美咲を励ました時と同じ言葉を聞いた気がする」

「き…気のせいだよきっと…絶対!…多分…」


と美咲は空を見上げた。

(頑張れ、みんな…)



「はぁぁぁぁっ!てぁっ!あぁぁっ!っ!」


羽根は群がってくるアルマを斬り撃ち抜き撃滅していく。


「羽根ちゃん…」

「梨絵さん!」

「!?」


梨絵はハッとして前を見る。周りをアルマに囲まれていた。そこを憐斗と結彩が砲撃でアルマを沈め脱出口を作り出す。


「こっちだ!」


梨絵達は憐斗の元に進む。そこに夏琳が合流する。


「そっちの状況は!?」

「今のところ問題ない」


それを聞き夏琳の表情は曇る。


「どうしたんだ?」

「何だか上手く行き過ぎてる気がして…」

「言われてみれば…」


と、その時5人は咄嗟にその場から離れる。次の瞬間水柱が上がる。結彩が砲撃されたと思われる場所に向かって砲撃をする。が、そこに居たのは通常のアルマだった。

(今のは普通のアルマの砲撃じゃなかった…まさか!)

憐斗は周囲を見渡す。そして


「気をつけろ!ステルスアルマだ!」


と5人は一つに固まりお互いの背中を守るように陣形を組む。その時、憐斗は一瞬波が大きく波打ったのを感じる。そして次の瞬間波がした方向を向き砲撃する。すると爆発が起きオーラを纏った人型アルマが現れる。

人型アルマの姿を見た楓彩は人型アルマに狙いを定め砲撃する。それが人型アルマに触れる直前人型アルマは砲弾受け止め海面に叩きつけ爆発させる。


「「なっ…!?」」

「逃げろっ!」


憐斗が叫ぶと同時に人型アルマは楓彩の目の前に現れ砲塔を楓彩の腹部に向け間髪入れずに砲撃する。楓彩の身体は砲撃によって身体を貫通するほどの穴を開けられ宙を舞う。即死だった。

それを目の当たりした櫻宮を含むK-21部隊は人型アルマに向かって攻撃を仕掛ける。


「楓彩の仇っ!」


と空から銃弾を降らしながら向かって来るのを人型アルマはかわし、すれ違いざまに武装の翼を掴む。そして櫻宮から放たれた艦載機の攻撃を掴んでいた武装を盾のように使い防ぐ。艦載機の攻撃を受け死亡したのを見るとこちらへ向かってくる者達に向かって投げる。人型アルマに向かって行く者達の1人が飛んでくる死体にぶつかりバランスを失いその場に倒れる。それを見て動揺している所を狙い人型アルマは砲撃する。砲撃が直撃し死体と共に木っ端微塵になった仲間を見てもう一人は愕然となる。

(勝てない…)

人型アルマはそんな戦意を失った者を見て嘲笑う様に勢いよく近づき杖のような刃で勢いよく斬り裂くあまりにも勢いがあったため斬り裂かれると同時に肉片が飛び散る。


「あ…あっ…」


必死に艦載機を飛ばす櫻宮を人型アルマは見る。そして櫻宮に向かって突き進む。

艦載機の爆撃、機銃をかわし更に撃ち落としながらスピードを落とすことなく櫻宮に近づく。


「いや…嫌ぁぁぁっ!」


次の瞬間、櫻宮の杖が宙を舞う。手ごと切り取られたのだった。それと同時に無数の魔法陣がガラスの様に砕ける。

櫻宮は感覚と意識を失いそうになるほどの痛みを感じ手を抑えようとするが両手を切り取られた為にそれが出来なかった。人型アルマは無慈悲にもそんな櫻宮の心臓を貫いた。


「そんな…K-21部隊…全滅…した…だと…」


憐斗達は目の前で起きた出来事を理解するのに時間が掛かった。理解するより先に憐斗達は砲塔を人型アルマに向けた。少しでも隙をみせると次に殺されるのは自分とその場にいた全員が直感で感じたのだった。


「ぐっ…!」


羽根はアルマの群れと人型アルマと対峙していた。他の人達もアルマと戦闘していたが羽根は

1人で先行してしまった為、追い詰められていた。

(月の思いは絶対無駄にさせない!)

羽根は自身を回転させ弾幕を周囲に放つそして次々にアルマを撃ち抜きあっという間に人型アルマのみを残すだけになった。

更に羽根は人型アルマに向かって銃弾を放ちながら近づき剣の範囲内に入ると同時に振り上げる。人型アルマは咄嗟にそれをかわす。羽根は更に銃弾を放とうとしたが銃弾が出なくなった。

(こんな時に弾切れ!?)

羽根は前を見るそこには刃を振り上げる人型アルマの姿があった。

(こんな所で…ごめん月…)


「諦めないで!」


その時どこからか放たれた銃弾が人型アルマの手を撃ち抜く。


「蒼嵐さん!?」

「お待たせ!私も一緒に月の思いは2人で引き継ごう!」

「蒼嵐さん…はいっ!」


蒼嵐は結晶を手に取る。

(私はもう迷わない!迷って後悔なんて二度としたくない!だから!お願い力を貸して!)

結晶が強く輝き蒼嵐の武装を包み変形させる。

そして輝きが解け新たな武装が姿を表す。


「見よ!これが流星改よっ!」

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