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Arms・Front  作者: 白兎
東京襲撃
102/120

102話 もし次があるのなら…

私は紺野遥…いや今は未来梨絵と言います。私は幼い頃、親を殺しました。その自分の力が怖くなり現実から目を逸らしました。そのせいで私は弟を死なせてしまい私が一人になってしまいました。そんな私は政府の人間に保護され、そこで戦う術を学び実戦を重ねてきました。そんな時異常な反応を調査すべくとある村に行きました。そこで私は出会ったのです。今思えばあれは運命だったんだと思います。昔の私ならこんなロマンチックな事を考えることないでしょうね…。

話を戻します、そこで私は憐斗達に出会いました。そして憐斗が弟と重なり自分でも気付かぬうちに世話を焼いていました。この事に自覚したのは後のことでした。そしてあの悲劇が発生、私は急いで憐斗達の元に行きました。しかし、私が高台から見下ろすと村が壊滅し獣型アルマに襲いわれる憐斗達が目に入りました。私は考えるよりもはやく憐斗を助けるため高台から飛び降り爆風で飛んできたであろうパイプを抜き取り向かいました。そして憐斗がアームズの力を手に入れアルマを退ける事が出来ました。しかしその夜アームズの力を敵視する人間に命を狙われた憐斗を連れて夜の森を駆けました。その頃憐斗に対する憎悪がアルマを引き寄せたのか森に隠れる人々が虐殺されました。私達はその場にいませんでしたが憐斗に引き寄せられているのか虐殺された人間がアルマ化し私達を追ってきたのです。結彩を人質にとられ咄嗟に私は拳銃を手に取り結彩を取り返し憐斗達を逃がしたのです。その後ろ姿を見て私はこう思いました。これは私の償い、現実から逃げた罰なんだと…

私は見通しの良い森から憐斗達の姿が見えなくなり安心してしまった一瞬の隙を付かれ捕まえられました。そして抵抗出来ないよう両腕両足を折られ現れた獣型アルマに餌のように食いちぎられたのです。食われる時は痛みを感じないもので感覚が無くそれでも肉が食いちぎられる音が耳に響きながら私は意識を失ってきいました。死んだ…と思いました、誰だってそう思うはずです。しかし、私の瞳に再び現世の光が差し込んできたのです。鏡の前に立つとそこには見慣れない人の姿がありました。その人は不思議な事に私が思った通りの動きをしました。これがどういう事か理解するまでそう時間はかかりませんでした。何故なら私をこの人の身体に移植させた人物、榊に説明されたからです。この身体は脳死した美来梨絵という人の身体だということ、私がこうして生き返ったのは私に利用価値があると判断された事を…

そして再び私は政府の為に様々な任務を遂行していきました。そんな時アームズにスパイを送り込むという計画がある事を知り私はアームズになる事の出来る憐斗と再び会えるのではないかと考えた私は自ら志願し私はスパイとしてアームズに入ったのです。それから2ヶ月後、再び憐斗達と再開する事が出来たのです。あの時私は嬉しくて今すぐ抱きしめたかったのですがそんな事をする訳にもいきませんでしたね…

そして私は再び誓ったのです、憐斗は私を守ろうと…しかし舞鶴で私は榊に命令され自分の命が脅しに使われていたとはいえ憐斗に銃口を向けてしまったのです。そこで私は察しました、命を掛けて憐斗を守ると言いながらもそれはただの自己満足だったのだと、そして私は憐斗に救われました。更に憐斗達は一度裏切った私を受け入れてくれました、本当に自分が情けないと思いました。それと同時に私は憐斗だけで無く憐斗を支えてくれる仲間も無くしたくないと思ったのです。

ーーーーー

あの日からそう心に決めていたから今、こうして居るのですね…

玖由を庇うよう為飛び出した梨絵の身体を次々と銃弾が貫通し赤い血が飛び散る。

「遥姉さん…っ!」

憐斗は梨絵に駆け寄り自分の腕で梨絵の頭を支えながら呼びかける。

「どうして…こんな事をしたの…!葵っ!」

「どうしてって、裏切り者を殺した…それだけじゃん」

葵は憐斗達を見下しながら笑う。

「あんた達本当に馬鹿ね、私の正体に気づきもしなかった、本当は感の鋭い玖由を殺してからその裏切り者を殺る予定だったんだけど…正体もバレちゃったしもういいわ、あなた達全員殺してあげる!」

「許さない…絶対に許さないっ!」

結彩の怒りが頂点に達し葵を睨む。

「相手してあげる!」

と葵が手を上げるとビークルが現れる。

「そんながらくたっ!」

結彩の目が紅く染まり次の瞬間葵の周りに居たビークルが2つに分かれ床に転がる。結彩はそのまま葵の背後から砲塔を振り上げる。しかしそれを葵は人差し指一本で受け止める。

「そんな攻撃なんて無意味」

葵が指に力を入れると結彩は突き飛ばされ壁に激突する。

「結彩!」

自分の腕に横たわる梨絵を見て戸惑う。

「…って…げて…」

「!?」

薄らと目をあけ梨絵は憐斗に言う。

「行って…上げて…」

「でも、遥姉さんは…!」

「いいの…一度死んでるんだから…何度…死んでも同じこと…だから…」

梨絵は力を振り絞り憐斗の頬を撫でる。

「私は…あなた達がいつまでも一緒に居てくれたらそれでいい…」

「俺には、遥姉さんも…居て欲しい!」

「今のあなたなら大丈夫…だってあなたは私の初恋の人なんだから…」

梨絵は憐斗に笑みを向けるが力が抜け梨絵の手は床に落ちる。その手を憐斗は握る。

「ごめんなさい…もう力が入らなくて…」

「梨絵…私…」

更に息づかいが荒くなり苦しそうな梨絵を見て玖由は動揺を隠せずにいた。

(私が油断したから梨絵が死んじゃう…嫌…嫌っ!)

そんな玖由に梨絵は目を向け

「大丈夫よ…玖由…私の分まで…憐斗を支えて上げて」

「う…うん」

涙を流しながら玖由は梨絵の冷たい手を握る。玖由と憐斗と温かさを感じながら梨絵は安心し目を閉じる。

「ありがとう…だいすき…」

最期にそう呟き梨絵は息を引き取る。

「遥姉さん!」

「梨絵っ!」

「っ…あぁぁぁぁぁぁっ!」

憐斗の叫び声が響いた。

ーーーーー

『神様…もし私に次があるなら、また恋してみたい…です』

ーーーーー

「もう終わった?」

悲しみに怒りをねじ込まれるように葵の言葉が突き刺さる。

「そんなに悲しいならあなた達も後を追わしてあげる」

「っ!」

次の瞬間、葵は気づくと壁に打ち付けられていた。

「かはっ…!?」

流石の葵も自身の身に起きた事に理解が追いつかず、自分の口から血を吐き出す。

「へぇ、面白いじゃない」

いきなり超大和へと武装を変化させ一瞬のうちに葵に衝撃波をうち放たれ壁に叩きつけられたというか事に気づいた葵は笑みを浮かべる。

「はぁぁぁぁぁぁっ!」

砲剣を突き出しながらも自分の背後を浮遊するレールガンからも砲弾を放つ。砲弾は葵に命中しとどめとして砲剣の刃を突き出す。

「流石、けど残念」

「なにっ!?」

砲剣の刃を素手で受け止めている葵に憐斗は驚きを隠せずにいた。その時頭上から迫る刃に気づき咄嗟に後ろに下がる。

「私も本気だした方が良いわね」

武装が砕け散り葵は蒼いオーラに包まれる。更に髪が伸び髪の先端にいくにつれ濃い青色になる髪色に染まる。

「あははっ」

「その力は…もしかして葵も五神…」

「えぇアメノウズメタギツミコそれが私の力」

「だからどうしたっ!」

憐斗は葵との間合いを詰め砲剣を振り下ろす。

「無駄無駄」

笑いながら攻撃を避ける葵に更にレールガンを向け放つが素早くしゃがみ砲弾をかわす。そのまま葵は蹴りあげ憐斗を軽々と吹き飛ばす。

(五神の力に対抗するには五神の力なの…)

結彩は自分の手を見る。

(でも…私はまだあの力を使いこなせていない…と思う…こんな事を考えてる暇はない!遥ねぇの仇は刺し違えてでもとるっ!)

とツクヨミの力を引き出そうとするが力を引き出せ無かった。

「どうして…」

「ぐはっ…」

葵の圧倒的な力に憐斗は手を出せず一方的に攻撃を喰らっていた。

「こんな事してる場合じゃない!」

結彩は立ち上がりに葵に向けて砲弾を放つ。しかし葵はそれに見向きもせず漂うオーラが手のように砲弾を受け止め、破裂させる。

動揺しながらも結彩は地面を蹴り葵との距離を詰める。すかさず葵は振り返り結彩を殴り飛ばそうとするが結彩は履帯を逆回転させ距離をとる。そして飛び上がり葵の額に蹴りを入れようとするが葵は身体を後ろに仰け反らせ蹴りを寸前でかわす。

「ちっ!」

「あはっ」

葵は結彩の足を掴み軸足としている左足を葵は蹴り結彩のバランスを崩す。バランスを崩しながらも両手で押し返し葵を蹴り飛ばす。しかし葵は微動だにしておらずカウンターとして結彩の腹部に蹴りが打ち付けられる。

「っ…かはっ…」

「へぇ、耐えるんだ」

よろめきながらも結彩は葵の足を掴み結彩は葵の首に手を伸ばしそのまま押し倒す。

「ぐっ…」

「許さないっ!」

「私を…舐めるな!」

オーラに結彩は包まれ持ち上げられるように天井に打ち付けられる。重力に引き寄せられる為落下しタイミングを合わせ結彩に蹴りが打ち付けられる。血を吐き出し結彩は壁に打ち付けられる。

「やばい…強すぎる…」

「あんたは強いけど迷いがある時点で私に勝てない」

「迷い…」

「あいつの言う通りさ、私の力を使いこなせないかもっていう迷い、だからこの力を使わせなかった」

「使いこなせない…」

「なんで迷うんだよ!今まで何をしてきたんだよ!お前が使いこなせない奴なら私が力貸すわけないだろ」

「ツクヨミ…あなたは私を認めてくれていたんだ…ごめん…弱気になってた、行こう!」

「あぁ私の力存分に使え!」

「よくも手こずらせてくれたわね…」

葵は結彩にとどめを刺そうとするが結彩から放たれた衝撃波を受け吹き飛ぶ。

「っ…!?」

「これ以上すきにはさせない!」

葵と同じく髪先にいくにつれ濃い紫色へとなる髪色に染まり薄い紫色に染まった瞳を葵に向けた。

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