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ウチの母ちゃんが25年前に書いた小説見つけたったwww  作者: 征彌
俺は母ちゃんに復讐したい
55/210

55.弟子でし(前編)

 前回、あ、俺のパートってことだけどさ、

「電柱を見て駆け寄ったのに根元にくくりつけられた水入りペットボトルにすくんでオシッコできない犬」

って書いたじゃん?

 ああいう水入りペットボトル、誰がやってるか知ってる?


 あれ、ウチの母ちゃんがやってるんスよ。


 もちろん全国各地ってワケじゃなくて「ウチの界隈では」って意味。

 だから、ウチはリサイクルに出すペットボトルの数が極端に少ない。ほとんど電柱ガード用及び補給用行きになる。そして母ちゃんはいつもそのことを念頭に置いて飲み物を買うので、ウチではペットボトルといえば1.5リットル以上のLサイズを指す。

 なので、いつぞや尿意に耐え切れなかった俺が仏壇のお供え用◯ァンタ500mlボトルで急場をしのいだとき、すぐに母ちゃんに異変を察知されたのだ。

(詳しくは35話を参照されたし)


 しかし、電柱って、そんなにしてまで守らなきゃならないモンなのか?

 犬のオシッコが強酸で、かかったらすぐに電柱が倒壊するんなら必死で防衛する理由も分かるが、あそこまでいっしょうけんめいな母ちゃんを見ていると、もしかして

「電柱を守れ〜、電柱は神からの授かりものだ〜」

とかいう「電柱教」でもあって、母ちゃんはその信者じゃないかと思えてくる。


 それで、母ちゃんは「ひとり(ちゅう)(とん)兵団」をしてるってことで。


 そうそう。

 母ちゃんは「柱屯(ちゅうとん)兵団」だけでなく「ケンペイ団」もやってるんだぜ。

 でも「憲兵」じゃなくて「建蔽(けんぺい)」だからな、間違えんなよ。


 母ちゃんは町内の違法建築及び建物の違法な使用にも目を光らせていて「これは変」と思うと独自に調査を進める。

 ほんと、このあたりまで来ると俺から見れば、


「なんでヨソのことそんなに気にするのよ。監視されてるみたいで嫌だ、とか、プライバシーの侵害とかって騒がれるぞ」


と気が気でないのだが、現に母ちゃんの活躍で893の事務所が町に移転して来るのを未然に防げたこともあったので、いちがいに「悪い!」とは言えなかったりもする。

 そして調査はぎりぎりのところまで個人で行い、証拠固めをして本当に行政として何らかのアクションをするべきときに初めて町内会なり町の顔役に打診するので「権柄(けんぺい)」でもない。


 う〜ん、こういうの正直ビミョ〜だよな〜。


 誰かと話していて

「お前んとこの母ちゃん、何、やってるん?」って聞かれて胸張って答えられるようなもんじゃない。

「専業主婦」の一語で納得してくれればいいが、

「じゃあ、父ちゃんの稼ぎがいいんだな。ちなみに父ちゃんはどちらにお勤めで年収はおいくら万円?」

なんて、話題がさらにマズい方角へ逸れたらますます収拾がつかなくなるし。


「母ちゃん? あ、なんかー、町内会?っていうの? 地域の集まりなんかでいろいろやってる。お金もらってないし、ボランティアみたいなもんよ。パートとか、やりたいとか言ってるけど、ああいうのってさー、なかなか希望の時間に働けないじゃん? それにウチの母ちゃんはすぐに「肩こった、足が痛い」って言うから、できないと思うんだ、働いてお金貰うような仕事は」


といった模範解答例を、よどみなく、かつ自然に言えるように準備して、相手にそれ以上突っ込んだことを質問させないように対処してるんだぜ、俺は。


 で。

柱屯(ちゅうとん)兵団」「建蔽(けんぺい)団」と来たら、あともう一つあると思うよな。

 うん、あるよ。


調茶(ちょうさ)兵団」ってのが。

 その任務は、我が家に侵攻してくる「婦人(きょじん)」たちに茶を出してもてなし、その生態を調査するという、最も恐ろしく危険なものだ。そしてときには(かべ)(うちがわ)にいる、任務にないはずの民間人(俺と父ちゃん)までが巻き添えになり、大きく精神を削がれる。


「母ちゃんの活動領域を奪ったのはあいつらじゃないか。

 なぜ、茶を出す!?

 なぜ、茶菓子を出す!?

 なぜ、あいつらのどうでもいい話を聞いてやる!?

 駆逐してやれよ、一人(いっぴき)残らず!

 そうしないと、母ちゃんは出られないんだぜ、

 (かべ)の外へ(早く行かないとスーパー閉まっちゃうよ)」


 俺は何度か母ちゃんにその戦術価値を問うた。しかし母ちゃんはその都度


「これは△△さんから引き継いだ仕事だから」


と言って、笑顔で、だが毅然とキッチンへ向かうのだった。


「こわれせんべい2kg」

「ぶっかきチョコ大袋」

「天津甘栗お徳用300g」

「訳ありサブレ1kg」


そのうちのどれかを取りに。

 この間の「カラオケの話」のときに、あれだけ

「しんどい! もう二度と長文は書かねぇ!」

と心に誓ったのに、またやっちまった。


 途中からトーンが変わりすぎて、これを無理に1話にすると、間違いなく意味不明な出来になると思うので「泣いて馬謖を斬る」思いで前・後編にぶった切るは。


 ところで、この「馬謖」って何て読むんだっけ。

 ワープロ機能で勝手に出てきたから貼ってみたんだけんど。

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