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ウチの母ちゃんが25年前に書いた小説見つけたったwww  作者: 征彌
俺は母ちゃんに復讐したい
45/210

45.カラオケ ♞(中編)

<前編のあらすじ>

 試験の出来に絶望した「俺」は、友人3人とカラオケに行った。しかし、そこで彼らを迎えたのは「日常をぶち壊す」レベルのイケメン男性だった。


 何だかスカスカなあらすじだが、まあ、いいや。

 中編に行く。


 数分後、いや、十分以上かかったな、俺たちはようやく部屋に案内された。


 だってもー、あのイケメン男が使えなくて使えなくて。

 どんなに待っても一向に計算が終わんないもんで、


 …しまいには俺が代わりに計算してやったさ。


『ですからー、昼のフリープランが980円ですよね、それにドリンクが620円で、合わせて1,600円。でー、学割で15%オフというのは、1,600円の85%。だから、1人分は1,360円。そして、これに4かければ合計金額の5,440円(ほら、全然難しくないだろがっ!)』

 その辺にあった紙に書きながら説明してやったら、イケメン男は目をきらきらさせて聞いていた。


 う〜ん。

 きっと女はこういう表情を見てコロッと落ちるんだろうなぁ。

 たとえそれが超簡単な計算をしている(いや、してもらってる)ところであっても。


 しかし、このイケメン男、妙にバシッとできることもあった。

 無事に会計が済んでいざ入ろうというときになって、不意にイケメン男が俺たちに声をかけた。

『あ。えーと、すみません。こちらは店外からの飲食物の持ち込みはご遠慮いただいておりますので』

『はぁ?』

 俺たちがぽかんとする中、B一人が情けないほどキョドった反応を見せ、イケメン男と目が合うとおどおどしながらバッグを開けてポテチなどスナック菓子を取り出した。後で聞いたら、店で注文するとべらぼうに高いので外で買って持ち込めば出費が節約できると思ったらしい。Bの気がつくところがかえってあだになった。

 イケメン男はにこやかな顔でBのブツをまとめて袋に入れ、預かり札のヒモでくくった。カウンターで保管し、店を出るときに返してくるとのこと。こうやってマニュアル化してるところを見ると、飲食物の持ち込みって多発してんだろうな。

『それから』

 おい、まだ何かあるのかよ。

 うんざりと振り返った俺たちは次の言葉にぶっ飛んだ。

『刃物、お持ちですよね?』

『は〜、ものぉ〜??』

 意表をつかれ、全員、思わず復唱する。

『申し訳ございませんが、店内への持ち込みは禁止されてますので』

 んなもん、カラオケに持ち込むワケねーだろっ!!

 しかし、イケメン男は真面目な顔で続ける。

『刃物じゃなければ…そうですねぇ、何かとがったもの、ですね』

 そう言われて、Aが「オゥ」みたいな声を出した。

『おれ、コンパス持ってたわ。実技で使ったやつ。それかなぁ』

 当然、AのコンパスはBの持ち込み品と同じ運命をたどった。

 何だよ。この店、金属探知機でもあるのか?


 と、部屋に到着するまでにさらにこれだけのことがあったのだ。

 疲れたぜ、全く。


「おっしゃあ、ガンガン行くぜ〜っ!」

 出遅れた分を取り戻すべく、俺たちは部屋に入るなり選曲を始め、予約を入れていった。

 機械いじりが好きなAが予約係を一手に引き受け、Bはメニューの吟味に余念がない。そしてCは新曲情報を語りだす。

 俺は今年のアニメの中から知名度が高く、かつ俺が歌えそうなのを2曲エントリーした。俺たちのカラオケにおけるスタイルは基本「ヒトカラ×4」なので、ちょっとしたコメントやかけ声は入れてもそれ以上の干渉はしない。「こんな曲、歌っちゃてもいいかな」とか「被ったらどうしよう」などといった心理的葛藤もなくて、いい。超、ラク。


 まあ、こうやって一緒にいて楽な同士でつるんでいて自ら積極的に新たな局面を求めないから「出会い」も「攻略」も起こらないんだよな。


 分かってる。これではいけないって。

 しかし、今晩ぐらいは見逃してほしい。

 試験の出来が悪かったのだ。

 週明けから本気出すから。


 しかし、現実は常に俺の斜め上を行く。


 カラオケが始まって一巡目が終わろうとしているときに、誰かがドアをノックした。

 折しもBがマイク片手に振り付きで◯K◯をファルセット全開モードで歌っているときだった。

 こちらが返事をする間もなくドアは勝手に開けられ、さっきの女の子とは違う子が部屋に入ってきた。

「コータ、いる? いないか」

 部屋の中をざっと見回し、一人でそうつぶやくと出て行った。


 滞在時間約5秒。


「何だ、今の」

「部屋、間違えたんだろ」

「メイド服着てたな。スタッフか?」

 女の子の闖入に気づかなかったBが歌い終えて可愛らしくお辞儀をした。


 まあ、それ一回なら単なる間違いだと思う。

 だが。


「リュウさんいますか? あ、ごめんなさい」

 今までの二人とは色違いのメイド服の子。

「コッタく〜ん、やっほ〜! …チッ」

 女子高生。何だよ「チッ」ってのは。

「コータさん…いませんよね…失礼しました」

 OLさんですか。一瞬、カラオケ部屋がオフィスのムードに。

「リュー、遊びに来たよっ。って、あれ?」

 不明。何かケバい。

「Hello boys. Gee, I got the wrong room. Sorry ☺」

 人外、いや、外人。白人女性。デカい。

「Hu大哥在哪儿?」

 中国人であろう。なぜチャイナドレスじゃないんだっ?


 こんな感じで、それこそ一曲に一回の割でドアが開いて誰かが部屋をのぞき込んでは出て行くようになった。


 お、落ちついて歌えねぇじゃねぇか〜っ!


 何だか、トイレの個室に入ったら鍵がちゃんとかからず、用足してるあいだじゅうひっきりなしにドアを開けられちゃって尻も満足に拭けない、みたいな苛立ちとフラストレーションがつのる。


「じゃあ、オレ、さっきのもう一回歌うわ。途中で止めちゃったから」

「おれもそうする」

 予約した曲を片っ端から歌うという俺たちの作業効率もダダ下がりしてきて、ついには一曲をどうにかコンプリートすることが目標になってしまった。


「なんか、さあ」

「うん」

「ちょっと、な」

「だよな」

「ま、ここまで多くの女の子と、しかも個室でエンカウンターしたのは初めてで、それ自体は、うれしいっちゃあうれしいけど」

「明らかに他の男を探しに来るっていうシチュは素直に喜べない」

「エロゲで、バグって延々次のステージに行けないっていうか」

「それは単にお前がヘタなだけ」


 主催者の俺を気づかってみんな核心をつく発言をはばかってはいるが、言いたいことは共通していた。


 た、楽しくないっ。


「あ、そうだ、そろそろ腹減ったから、何か注文しねぇ? 俺、今日太っ腹だからおごるし」

 さっきのBじゃないが、俺も◯ックブックを買うべく現在出費を抑えてるところだ。

 それに、俺の腹は太くない。

 最近コレ(「母ちゃんの小説」プロジェクトのこと)のせいでついサボってしまうこともあるが、筋トレとジョギングはマメにやっている。


 その俺が、どうして仲間の機嫌を取るべく自腹切らなきゃならんの!?

 もとはといえば店のマネジメントがgdgdなせいだってのに。


 せ、責任者、出てこいっ!

 やっぱり前・後編でまとまらなかった。

 俺は出来事をうまく簡潔にまとめる能力ないわ。

 まあ、後編ではきっちり終わらせますんで、勘弁してつかあさい。

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