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ウチの母ちゃんが25年前に書いた小説見つけたったwww  作者: 征彌
俺は母ちゃんに復讐したい
28/210

28.母ちゃんの小説 第14話

 灯りを消した室内で二つの緑の光芒が漂っている。

 遙が辺りを見まわしているのだ。

 彼は翔の体を肩から下ろし、ベッドにそろそろと横たえた。

 緩く結んであった浴衣の紐が解け、白い肌がむき出しになる。

「きれいな肌だな」

 遙が低い声でつぶやいた。

 翔は唇にこわばった微笑を浮かべた。しかし目はなおも固く閉じたままでいる。

 その頬に遙は唇を寄せた。

「どうして目をつぶっているんだ」

 翔は微かに身悶えした。

「……何をしていいか分かんなくって」

 震える声で言うと、脱げかけた浴衣を引きかぶり体を丸めた。それはまるで狩人に追われて穴に逃げ込もうとする仔ウサギのようだった。

 獣はそれを見ると低く笑った。

「馬鹿だな。何もしなくていいよ。ただ感じたとおりに動けばいいんだ。例えばーーここを触ったらどう感じる」

 大きな手がわき腹をなぞった。

「ん。くすぐったい」

 少年は小さく叫んだ。

「じゃあ、ここは」

 わき腹から上がった手が肩や背中をさする。

「…気持ちいい」

 手は少年の腕を上げさせ、気づかないうちに翔は広げられた浴衣の上で一糸まとわぬ姿にされていた。

 ベッドの脇でジッパーを下ろす音がし、衣服を椅子の上に投げ出す音がつづいた。

 翔はうっすら目を開けた。

 闇の中で二つの緑の炎が揺らめいている。

 それはゆっくりと翔に向かって近づくとスプリングを軋ませながらベッドに上がってきた。

 目が慣れるに従って若き野獣のシルエットは鮮明になった。

 暗がりでその日に灼けたブロンズの肌は見えない。しかしシルエットであってもその肌の下で筋肉の生き物が波うちうごめいているのが分かる。そしてその上で誇り高き野獣の毛色をした斑の髪がカーテンの隙間から漏れくる僅かな光を受けて瞬いていた。

 彼は翔の体に近づくと静かに覆いかぶさった。

「翔」

 たくましい腕が少年のほっそりした背中をかき抱いた。

「翔。翔」

 ぶつかるように激しく唇が肩や首すじに押し当てられて。同時に背中にまわった手が腰へと滑りおりる。

「…ぁ」

 声にもならない声を上げ、翔は白い腕を青年の首に巻きつけ細い指先を遙の髪に這わせた。

「…と、油断させてからの、ジャーマン・スープレックス!」

「うわっ」

 技の名前とともに少年の体は宙に浮き、次の瞬間ベッドに叩きつけられた。

「何するだ、ハルカッ!」

「翔。甘いな、大甘だ」

 闇の中、遙の声が響く。

「巨大なベッドに男二人、と来たら、やることは一つしかないだろう」

「え」

「プ・ロ・レ・ス・ごっこ」

「そうなの? って、遙は脱いでないじゃないか!」

「相手は脱がしても、自分は脱いだと見せかけて脱がない。ギリギリまで脱がない。最後の最後まで脱がない。これが影島家の極意だ」

「だましたなっ」

 やみくもに伸ばした翔の指が布地に触れた。彼はつるつるした感触からそれが遙の履いているサテンのトランクスだろうと推測した。

「なら、こうしてやる」

 そう言うなり、翔は布地を両手でつかむと思い切り引き下ろした。

「これでおあいこだねっ!」

 トランクスと思しき物はあっさり遙の膝まで落ちた。

「見せてもらおうか、蓮根群のもずくスープの性能とやらを」

「ふふっ、股下も爪が甘い、いや、またしても詰めが甘いな」

 膝までずり落ちたトランクスをものともせず遙が笑い声を上げる。

「な、なんだとっ」

「通気性のいいサテンのトランクスは快適だ。だが、戦場に在ってはこの自由自在な開放感が命取りとなる。いつなんどきずり下ろされ、半ケツ、あるいは全ケツ、さらには下の下、足首まで晒されるか分からないのだ。俺はその危機的状況を幾度となくかいくぐってきた。トランクスの防御力なんてハナから信じちゃいないんだよ」

 翔の手は遙の腰に触れ違和感を覚えた。

「これはっ」

 先ほどのサテンより粗いが、その分しっかりと素肌を覆う布地がそこにあった。

「100%コットン、それでいて伸縮性に富む。これが新時代のブリーフだよ。もう白地に緑のラインのだるだるをブリーフなんて呼ばせない」

「知らなかった。…遙が二枚履きだったなんて」

 翔はうなだれ、がっくりと肩を落とした。

「違うよ、翔」

 遙の大きな手が翔のうなじを覆い、後れ毛の生え際を撫でさする。

「三枚…いや、もう一枚履いてる。俺はこう見えても冷え性でね。冬場はこの上にさらに股引を履くから下半身をスリムに見せるのに苦労する」

「そういや遙の体、冷たい」

 翔はそろそろと身を起こした。

「オレが…暖めてあげるよ」

 少年はそう言うと手を伸ばし、闇をまさぐるようにしてベッドから下りた。そのまま数歩進み、壁際に置かれた電子レンジを開け、何かを入れるとスイッチを押した。

「バスルームにウィートパックがあったんだ。この部屋、ホテル以上に何でもそろってる」

「さすが但馬、ジジイだけあって保温対策に余念がないな」

 笑ったのか、暗がりで金褐色の遙の髪が揺れた。

 これでノートの3ページ分なんです。

 そして、まだ続くんです。

 確実「R18」アウトな原文をじっくり読みながら「R15」に改変していく作業は思っていた以上にキツくて、俺が壊れそうです。

 母ちゃん。

 なんちゅうもんを読ませてくれたんや…なんちゅうもんを…。

by「俺」

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