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ウチの母ちゃんが25年前に書いた小説見つけたったwww  作者: 征彌
俺は母ちゃんに復讐したい
23/210

23.話題が…ない

 はー、辛いわー。

 完全に「9月病」ですわ、俺。


 何か、久しぶりに仲間に会っても、

「コイツらのうちの何人が休みの間にデビューしたのかなぁ」

とか考えだすと、比べて自分は何たる変化のなさよ、と内心忸怩たる思いを抱えてぐじぐじしてしまう。

 お、「忸怩」ってこういう漢字を書くんだな。

 見たとこ「紐」と「泥」に似てね?


 まあ、男ならいろいろ話しようがある。

 問題は女だ。

 一体何を話したらいいんだ。

「あ〜、久しぶりぃ〜。何か違って見えるね。髪、切ったぁ?」

とか言えばいいのか?


 休み前にやはり話題に困ったときに、友人が

「あー、今なら「3Dプリンター」って言っとけ。うまく行けばそれだけでお持ち帰りも可能だ」

などと言うから、真に受けて実行したら、


 見事に1分で会話が終了した。


 何が「お持ち帰り」だ。

 持ち帰るどころか逃げ帰る羽目になったぞ。


 ま、その知恵を俺に授けたのは、例によって友人Cなのだが。


 はー、バイト先でなら、テンプレどおりのことを言ってりゃそれだけでオッケーなんだがなぁ。

 って、俺の職場、そーんなに喋るところじゃないけど。

 お客さんとも1分以上話すこと、めったにないや。


 で、バイトから帰ったら、ウチにも誰かが仕事で約1分滞在していた様子。

 宅配便のおにいさんだ。

 玄関から漂う芳醇なダンボールの香り。

 それに混じってぷりぷりと鼻を刺激するのは、梱包に使われた「ぷちぷち」。

「何か、お届けもの、キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

 靴を脱いで上がると、間違えようのないPVCの匂いが。


 え、もしかして。


 居間には潰したダンボールがあり、PVCの匂いはそこからさらに二階へ続いている。

 二階にあるのは俺の部屋。


 もしかして、母ちゃん。

 やっぱりあのことをすまなく思ってたんだな。

 そして、俺のいない間に注文しといてくれたのか。

 俺の嫁を。


 俺は階段を二段抜かしですっ飛ばして上がり、部屋のドアを勢いよく開けた。


「リララたんっ!」


 俺の棚にはフィギュアがあった。

 制作会社より直送、完全塗装済み、関節はリボルテクノでポーズ自由自在。

 飾り台とオプションパーツもしっかり付いた、


 仏像。


 なんでだーーーーーーーーーっ!!


 母ちゃんは、最初は本当にリララたんを弁償するつもりだったらしい。

「でも、どんな人形だったかよく覚えてなかったし、ネットで見たら、ものすごく高いじゃない。これで違うの買ったらもったいないと思って。それでいろいろ見てたら、仏像に心惹かれたのよね」

 そう、すか。

 さっきの階段全力駆け上がりの疲れがドッと出た。

「それに」


 それに、何よ?


「この間ね、アンタが出かけてるときに、お父さんが…見たんだって」

「見たって。……俺の部屋で?」

「そう。だから、本物じゃなくても仏像置いといたらご利益あるんじゃないかと思ったのよ。魔除けとか」


 ちょwwwwwwwwwww。


 かくて。

 今晩から俺の部屋に仏像が鎮座することになった。

 これで安眠できるだろうって?

 冗談だろ。

 何の宗派か知らないが(てか、フィギュアの仏像って宗派とかあるの?)その仏像、首がたくさん付いてるんだぜ。もう、それ自体がホラーだっての。

 もう、部屋にいても落ち着かなくて5分に1度は本棚のほう見てる。何か、長期でこれやってたら、首が凝っちまいそうだ。

 母ちゃんは母ちゃんで「じゃあ、これ、今日の分ね」とか言って、仏像の前に五円玉置いてるし。おこづかいじゃないんだから。


 まあ、こんな風に俺の周りには話題が豊富にある。

 ただ、内容が必ずしも一般受けするわけじゃないってだけで。

 この話だって、夏だったら怪談ってことで盛り上がったかもしれないが、もう9月だし。

 来年の夏まで温存しておくか。

 てか、

 この仏像、いつまで飾っときゃいいんだよ。


(* 「父ちゃんが視える人らしい」というのは、俺のウチでは全然大した扱いではないので、そのうち何も書くことがないときにでも披露するつもりだ。でも、あまりにあっさりしてるから怖くなったりはしないと思う)

 花札やら友人Cの「女攻略ストラテジー」やらですっかり盛り上がったけど、友人Aの別宅に泊まったあの夜、俺は得意(?)の怪談話「俺の父ちゃん〇〇見たんだぜ〜」を提供した。

 しかし、こういうネタは中坊辺りが受けるピークで、後はだんだん下る一方だな。

 H系の話>恋バナ>ゲーム・アニメ・マンガの話>怪談>真面目な話

という順序で、どうしても下半身の話題が優位に来る。

 だから、翌日片付けしてるときに

「「俺」、(昨夜は怪談話ばかりしてたけど、実は)何か言ってないこと、あるでしょ?」

と変にカマをかけられたのだ。(* 詳しくは17話参照のこと)

 ちなみに、そう言ってきたのは友人Bである。

 元々ゴツイ見た目なのに身体鍛えてますますゴツさに磨きをかけているが、人間関係とかにはとても敏感なタイプだ。


 俺が今やってることをもし俺の友人たちが知ったら、一体どんな反応するんだろう。

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