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story:00 プロローグ

俺の人生は、儚い。


暗くて、冷たくて

例えるなら


この牢獄のように。


俺の人生は、散った。


優しく、寂しく

例えるなら


この華のように。



儚く、散る華の如く

STORY:00 プロローグ


狂い始める前は、明るくまぶしかった。

何不自由なく育ち、

才にも恵まれ、俺は、ある意味幸せを掴んだ。


そのおかげで、大学を首席で卒業し、

アメリカ軍の特殊部隊に配属された。

いわば、「エリート」として仕事を熟してきたが、


歯車が狂い始めた。


任務中、

同期であり、友人であったケヴィンが死んだ。

明らかに敵の発砲で彼奴は死んだのに、

疑いの目が、俺に降り注いだ。


俺を、かばう奴もいた。

だが、次第にそんな奴らはいなくなった。

奴らは、俺を「友人殺しのキラー(殺人鬼)」と呼ぶようになった。


俺は、無実のまま逮捕され、身に覚えのない証拠を突きつけられ、

裁判にかけられた。


判決は、


「被告人、カナタ・マツキを、終身刑とする。」


否認し続けた結果がこれか?

驚きよりも、呆れるというのが俺のこのときの心境だ。

マスコミは俺を「狂気の男」と煽った。

意味が分からない。

「狂気」は、俺を陥れた、軍の人間だ。


刑務所での面会で親父は俺に言った。


「すまないが、今はお前を助けることはできない。」


親父の権力を当てにしていたのは、確かだ。

この言葉で、全てが終わった。


「"今は"ってことは、何時なら助けられるんだよ。」

「わからない。だが、必ずなんとかする。それまで待っててくれ。」





あれから何年か経った。

今が、何時なのか、わからない。

あの日から、カレンダーや時計を見るのは止めた。

何時まで経っても来ない助けにしがみつくのが嫌になったから。

同時に、来ないものを待つのが怖かったからでもある。


その時、大きな爆発音がした。

それと同時に警報音が刑務所全体に響き渡り、大きな揺れが起きた。


(地震・・・?いや、今の爆発で・・)

考えをまとめていると、牢獄の重いドアが勢いよく開いた。


「松亀奏大だな。」

「・・・ああ。そうだけど。」


ドアの向こうには、背は俺よりも2㎝ほど小さく、細い体をした男だった。

顔は、非常時のスモークでよく見えない。


「生きたければ、俺と来い。死にたいなら、残れ。生きるか死ぬかはお前の勝手だ。どちらを選んでも、誰も咎めはしない。」


鋭く、俺に突き刺さる言葉だった。

答えは、


プロローグ END


プロローグ(後編)に続く

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