第3話 炭焼きの逆召喚 ~年齢は?~
あれからまたしばらく経ちました。10回位後の逆召喚儀式魔術です。
「カイト。」
いつもの姫さんです。私もいつも通り魔法陣班の作業を見ています。
「魔法陣の描き方が変わったの?それとも他の事をしているの?」
地面を整地していますからね。
「魔法陣を描く事前準備ですね。先に地面を平らにする事にしたようです。小石も先に退けておくようです。」
平らで邪魔物がない方が描きやすいですからね。
「呪文詠唱隊の人達は以前と同じね。」
「呪文の練習ですね」
真剣に練習していますね。もう緊張の色は見えません。
「あそこで飲み物を配っているみたい。」
「あれは屋台ですね。暖かい飲み物を見学者達に売っているんです。」
この寒空に暖かい飲み物は魅力的ですからね。商機を見つけたのでしょう。
「一つ欲しいわね。」
寒いですからね
「終わったら買って来ましょう。」
先に儀式魔法ですからね。
「それで今日はどんな人?」
「この村のはずれで炭を焼いていたコールさんです。」
「それで年齢は?」
それを聞いてきますか。
「気にしなくて良いのでは?」
「そう言って前回は6歳だったわよね。」
6歳で彼女持ちでした。
「向こうで10年戦えば16歳ですよ。」
「召喚されたときに戻ったとか言って6歳だったわよね。」
それでおばさんって言われたんでしたね。地味に傷ついてましたっけ。
「6歳で炭焼きは出来ませんよ?」
「それで何歳?」
ごまかせませんか。
「60歳です。」
「お爺さんじゃない。」
「若返ることもありますから大丈夫ですよ。」
そうそう、年齢が高すぎると若返るか、そのままで肉体年齢だけ若返るかすることが有りますね。そのままの場合もありますが。
「それで召喚されたときに戻ったら60歳。」
「若返ったときにそれは無いんじゃないですか。」
召喚者も望まないでしょう。
「じゃあさっさとやってしまいましょう。」
期待は全然していませんね。寒いですからさっさと終わらせましょう。
皆が所定の位置に着きます。
姫さんが魔法陣に魔力を流すと、魔方陣が淡く光ります。
それを合図に、呪文の詠唱が始まり、詠唱が進むにつれて、光がだんだん強くなります。
詠唱が止むと同時に姫さんが力ある言葉を唱え、唱え終わると、魔方陣の光が目を開けていられないほどになり、眩しい光が皆の視界を奪います。
その光が収まると、中心に一人の中年が立っていました。30代半ばでしょうか、贅肉の無い体つきです。男の魅力って年齢じゃないんですね。
姫さんが男の前に立って訪ねます。
「私は第2王女エルメラと言います。貴方がコール様ですか。」
「そうじゃよ。お嬢ちゃんが元の世界に呼び戻してくれたのかのお、ありがとうよ。」
「いえ、この国は今魔物に攻められています。お力を貸していただけませんか。」
「わざわざ呼び戻してくれたんじゃ、この力を貸そうかのう。」
助力いただけるそうです助かります。
「コール様、ありがとうございます。すべてが終わりましたら私と結婚していただけませんか。」
姫さん直球ですね。
「残念じゃが、儂とお嬢ちゃんでは歳が離れすぎておるからのう、お断りさせてもらおうかのう。ではいったん休ませてもらいたいでな。」
そのままコールさんは去って行かれました。
「あれ?姫様どうかしたのですか?」
両手を組んで、瞳がうるんでます。
「お礼言われたの、逆召喚してきて初めてだったの。」
「そうでしたかね。」
二人の世界を作る人が殆どでしたし、そうでなくても知り合いの所へ一目散な人が大半でしたね。
「嬉しいよぉ。」
良かったですね、姫さん。
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