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訃報

 ほうぼうのていで王都に着いた。ウチダヤに案内されるがまま教会で祝福を受けた。俺のジョブはプッシャーだった。薬品作成のコマンドが追加された。俺のジョブが決まってウチダヤは安心したようだった。

「今度俺にもフリスクを回してくれよぉ?」

 なんて意味不明な事を言って笑った。ウチダヤはこちらにも顔見知りが居るらしく今度は十六人のパーティで帰路に着くと言う。

「さようならアヅチ。オマエは最高だよ。誰に強姦されたってオマエは完全なままだからな。何も失ってなんかない。オマエの人生はくだらなくなんてない。何も持たずに生まれて来て何も持たずに還るんだ。拉致られてリンチされて土下座して裸にされて全財産取られて強姦されて友達誰も助けてくれなくて一族郎党皆殺しにされたって、オマエの反応は自由なんだ。囚われるな。解放しろ。重たい扉を開く時だ」

 ウチダヤは相変わらず意味不明な念仏を唱えながら、とても綺麗な涙を流すのだった。


 俺が薬草の栽培農家で働き始めてしばらく、悲しい噂を聞いた。

「リスポーンの町長が、帰り際にスカイドラゴンに襲われて死んだ」

 はぁどいつもこいつも……返しきれない借りを抱えて天に召されやがって……。ギリギリと歯を噛み締めて、噛み締めすぎて歯がパキッと割れた。ウチダヤは在るべき場所に還ったのか?俺にはわからねぇ……若者特有の視野狭窄なのかなァ……?


「上 等 だ ク ソ 野 郎 ! !」


 

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