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 「上流の為の社会だよ」

田吾作さんはズシリと重い口を開いた。

「物価は日に日に上がっているけど、派遣のワシの給料は下がってる。寮費無料も死ぬほどキツい自動車のライン以外選択肢が無い。ワシはもうダメかもしれない」

「それどころじゃないんだよ田吾作さん!太陽は膨張を続けていて、80億年後には俺らの地球は消滅してまうんだ!!」

「カーッペッ!!知った事かぁ!そんな事ぉ!!80億年後だーぁ!?寝言は寝て言えぇ!!クソガキぃ!!ワシは今日生きるのだって!!精一杯なんだぁ!!!!」

 この人はダメだ。そう思った俺は隣の小平次さんに訴えかけた。すると小平次さんは

「オラぁ腸捻転二回やってもう長くね。明日をも知れぬ我が身だ。オラにとって人生とは、今日一日の事だ」

 その隣に居た次三郎さんも口を開く。

「オラぁ癌のステージ6だ。もう助からねぇからターミナルケアで自由の身になった。オラ達にも確かに未来が、昔にはあった。だどももうエンドロールさ眺めて立ち尽くしてる。やる事はやったんだ。悔いはねぇ」

 癌にステージ6なんてねぇよボケジジイ。俺がこの手で6feet underしてやろうか?破滅が迫る異世界に危機を伝える為に東奔西走したが、オオカミ少年よろしく俺の言葉に耳を貸そうとする者は遂に現れなかった。そうして80億年後にこの異世界が滅ぶと言う事実は、狂ったジジイ共によって真っ赤な嘘になってしまうのだった。

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