追憶
ヤンキーの友人は皆、なぜか悪を正当化しようとした。俺は悪は悪で良いと思っている。誰からも必要とされないゴミクズで上等だ。ある日地下道に落書きしていた時
「これで社会の仕事が増える。俺は良い事をしている。」
と友人は言った。俺はそうは思わなかった。俺達は社会の為じゃなく、俺達の好きな事をやっているだけじゃないか。
「明るい絵を描けば世の中が少しは明るくなる」
彼はそう言ってスプレー缶を噴射するのだった。俺には全く理解ができなかった。それはそれとして、俺はグラフィティを描くのが好きだった。中学の時はノートを取らずにひたすらグラフィティを描いていた。横浜の有名なグラフィティ通りを見に行って、自分の地元もグラフィティでいっぱいにしたかった。今思い返すと、なぜそう思ったのかは全くわからない。
時は流れ、とうとう友人は親父狩りを始めた。親父狩りはバレれば一発で懲役だ。そして友人は懲役に行った。俺も現場に居たので調書を取られた。友人二人は有罪となり、俺は無罪となった。友人二人は俺を庇った。実際俺は手を下してはいないのだが、友人を止めずに懲役に行かせてしまった罪を感じていた。一番近くに居たのに。それから俺は孤独になる事に決めた。携帯電話をへし折って地元を離れた。そして二度と帰る事はなく、今こうして異世界で鋼鉄と化している。




