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貞操逆転世界でもフツメンの俺に、土下座して先っぽだけお願いしてくる陰キャ女

作者: しゆゆ

書いてるうちに、ノリと勢いが出てきました。

もっと気持ち悪い感じを出したかったなぁ。

俺の名前は橘 瑛斗(たちばな えいと)

気付いたら貞操逆転世界に転生していた高校2年だ。


この世界は男女比が1:5になっていて、男は草食系、女は男に飢えた肉食系だ。

といっても、学校ではクラスあたり8人ぐらいの男子はいるし、ただ男子が少なめな共学校である。


そんな世界で生きている俺は、フツメンだ。

普通、転生といえばイケメンだと思うのだが、俺には当てはまらなかったらしい。

まあね、男女比狂ってるし、こんな俺でも女子とは仲が良いし、問題はない。


クラスでは女子とばかり話しているし、放課後も遊びまくっている。

今日もいつも通り、教室で女子と話していた。




今話している相手は、笹本 美香(ささもと みか)

なんというか、見るからに陰キャ女子っていう風貌をしている。


ストレートの黒髪ロングに、黒縁のメガネ。顔は整っていて可愛いと思うけど、化粧はしてないから垢抜けない感じがある。

胸はクラスどころか、学年でも一番大きい。でもこの世界、胸が大きいほど性欲が強いって思想があるし、実際そうだからモテないだろう。まあ、貧乳でも性欲強い人しかいないが。


美香はコミュ力も不足していて、前世で言う「オタク陰キャ童貞野郎」って感じである。

この世界風だと、「オタク陰キャ処女娘」だけど。男が少ないから処女は多いし、脱処女は結構な憧れだと思う。たぶん。



で、だ。そんな美香だけど、俺からすると前世の自分が重なって見えるわけで。

友達も数人しかいなくて、基本ボッチでいるのは見ていられない。俺の過去が抉られてる気分になる。


そういうわけで、俺はたびたび美香に話しかけている。


「おはよ、美香。今日もメガネ似合ってるよ」

「お、おはよう橘君。橘君は今日も、えっ、えっと…」

「あはは、無理して褒めなくて良いよ。いつも通り普通だし」

「う、うん。ごめんね…」


まあこんな感じで、童貞臭い。いや、童貞ちゃうけど。


でもま、俺からすると話しやすいんだわ。

クラスの女子といつも喋ってるから、別に喋れないわけじゃない。

でも、女子って何考えてるか分かんないし。表と裏があるじゃん。

でも美香は前世の俺と似てるから、大体考えてることが分かる。


どうせ今も、「あう、また褒め返せなかった…。で、でも、今日も話しかけてくれた…!橘君って、私のこと好きなの!?褒めてくれたし、絶対そうだよね!?」とか考えてると思う。


「今日は桜の花のヘアピンなんだね。可愛い」

「ふぇ!?か、可愛い??」

「うん。美香ってそういう女の子らしいのが似合うよね」

「あ、ありがと…」

「顔真っ赤になってる。そういうとこも可愛いね」

「うぅぅぅ…」


ごめん、美香で遊ぶのめっちゃ面白いわ。

前世でもクラスの女子に話しかけられたことがあったけど、多分同じ事を思われてたんだろうなぁ。

人をからかうの楽しすぎる。でも嘘は言ってないし、いいよね。


「じゃ、そろそろ次の授業も始まるし、席に戻るわ」

「あ、ま、待って!」

「ん?」


珍しく大きい声出すじゃん。どしたん?


「その、えっと、た、橘君に話したいことがあるから、昼休みに体育館裏に来てもらっていい?」

「お、良いよ。楽しみにしてる」


告白イベントキタコレ!





「橘君!!先っぽだけで良いので、せっ、セックスさせてください!!!」

「うわぁ…」


俺の眼前には、コンクリートの地面に土下座している美香がいた。

この学校、体育館裏は駐輪場なんだけど、人は滅多に来ない。

だからこの状況を見てるのは俺だけである。


んー、俺、女性の土下座では興奮しない性癖なんだ。


「ごめん、流石にそれはドン引きだわ」

「うぅ…」


土下座したまま、ダメージを受ける美香。うなじ真っ赤だし、顔上げられないでしょ。

恥ずかしすぎて、死にたくなってるかもしれん。


「普通さ、このシチュなら告白でしょ。実は初めての告白かもって、めっちゃワクワクしてたのに。

それなのに土下座して先っぽだけのお願いとか…俺でもしたことないわ」

「ぐすっ」


ちょっと泣いてるじゃん。どうしてこんなことをしてしまったのか…。


「どうしてこんなバカなことをしたんだ…説明して」

「は、はい…」



美香は言葉に詰まりながら、赤裸々に話した。

まとめると。


「妹に彼氏が出来て処女卒業したって言われたり、数少ない友達たちも全員処女卒業したって自慢したりしてきたから、惨めになったと」

「うん…」

「どう考えても、今この状況の方が惨めでしょ」

「ぐすっ、言わないで…」

「というかさ、なんで普通に告ってこないわけ?

俺、美香なら普通に付き合えるけど」

「それはちょっと…」

「おい、酷くない?」

「だっ、だって…橘君、ビッチだって噂聞くし…だからこんなお願いしたわけで…」

「あぁ…」


俺は何も言えなくなった。

何故なら…


「その、嘘だとは思ってるんだよ?でも、毎日違う女の子と歩いてるとか、先生とホテルに入っていったとかそういう噂を聞いて…実際に私も女の子とホテルに入るとこ見たことあるし…」

「あー、まぁ、ごめん。その噂マジなんだわ」


そうなのだ。俺はいわゆるビッチなのだ。

いや、というか男なら分かるだろう。フツメンでもやり放題な世界なんだよ?そりゃ性欲旺盛な男子高校生ならヤルでしょ。しかも金まで貰える。天国かよ。

他の男は草食系ばかりだし、世界には処女ばかり。処女厨的には、しないほうが嘘でしょ。


「やっ、やっぱり…。私、付き合うならどっ、童貞が良いから…」

「あー、まあその気持ちは分かるわ」


俺もビッチを初めての彼女にはしたくないわ。ハメ撮りとかAVとか出てきそうで、NTRで脳が破壊されかねん。


「そ、それでえっと…返事は…?」

「あー、まあ、美香がそれでいいならいいよ。俺も美香とヤってみたかったし」

「び、ビッチだ…」

「そんなエロい身体してる方が悪い。じゃあ、いつする?今週は土曜ならいけるけど」


スマホでスケジュールを確認しながら言う。

土曜以外は女の子と遊ぶ予定で埋まってるんだわ。前世では考えられん。


「ど、土曜!?もうすぐじゃん…」

「でも、早く卒業したいから俺に言ってきたんでしょ?じゃあ良いじゃん」

「それはそうだけど、心の準備が…」

「そんなこと言ってるから処女なんだよ。チャンスを生かさないと」

「うぎゅっ」


あ、処女にクリティカルダメージを与えてしまった。

ごめんね。でも事実だから。童貞(処女)なんざ、普通に生きてたら捨てるチャンスはあるはずなんだわ。それを生かせないから童貞(処女)陰キャなんだけど。前世の俺もバカだったし。


「じゃあ決定で。待ち合わせは11時に○○駅で。持ち物はお金ね。ホテル代は払ってよ」

「う、うん…手慣れてるね…」

「まあ、やりまくってるし。俺、○○駅近くのホテルが好きなんだよね」

「それは、どうして?」

「行けば分かるよ。じゃ、そろそろ教室に戻るわ」

「う、うん」


俺は歩き出して…思い出す。

美香の方を向くと、やっと土下座を止めて立ち上がっていた。


「そういえばさ」

「な、なに?」

「美香の友達の美知留とか友梨の処女卒業させたの、俺なんだわ」

「え、えぇぇぇ!?友梨たち、彼氏だって言ってたのに!」

「そりゃ、見栄を張っただけでしょ。俺だって、ビッチで卒業したとか言いにくいし」

「え、じゃあ、私たち穴姉妹になるってこと…?」

「そういうこと。あ、ちなみに、美知留たちは普通に誘ってきたよ。

俺の人生で土下座してきたの、美香だけなんだ」

「え、うそ…ほんと…?」

「うん。美香なら普通に「しよ」って言うだけでしてた。そのおっぱい揉んでみたかったし」

「そ、そんな…」


無駄に生き恥を晒した美香は、絵に描いたように呆然としていた。



---------------------------------

私の名前は笹本 美香(ささもと みか)

共学校に通う高校2年生。自分で言うのもアレだけど、地味な女だと思う。


こんな私だけど、いつも話しかけてくれる男の子がいる。

彼の名前は橘 瑛斗君。


橘君は、めちゃくちゃ格好いいってわけではないけど、しっかり髪を整えて学校に来ていて、雰囲気も垢抜けている。

髪を整えてくるような男子は、社会で働いてる人でもたまにしかいないから、彼がどれだけ珍しいかは分かって貰えるはず。


そんな橘君は、制服を着崩していて、Yシャツの裾はズボンから出てるし、ボタンは上から2つも開いている。しかも、男性用ブラジャーもしていない(タンクトップに透け防止のパッドが付いているやつ)。肌着のシャツと、Yシャツだけだから、よく胸チラしていて、眼福だったり。


あまりにも無防備だし、しかも女子と仲が良い。

私みたいな陰キャにもよく話しかけてくれるから好き…にはならない。


というのも、橘君は悪い噂が絶えない。

曰く、毎日違う女の子と遊んでいる。曰く、学校の先生とホテルに入っていった。曰く、援交をしている。曰く、学校中の女とした。曰く、抱かれた女は1000を超えるなどなど。

私自身、彼が女の子とラブホテルに入っていくところを見たことがあるから、全部とは言わないけど、噂通りな人だと思う。学校中の女性とはしてないと思うけど(私としてないし)。



そんな彼だけど、悪い人ではない。


「おはよ、美香。今日もメガネ似合ってるよ」

「お、おはよう橘君。橘君は今日も、えっ、えっと…」

「あはは、無理して褒めなくて良いよ。いつも通り普通だし」

「う、うん。ごめんね…」


橘君は、私みたいな地味な女のことも軽率に褒めてくる。

こんなだから、ビッチだって言われるんだけど…それはそれとして、顔が赤くなるからやめてほしいけど、褒められるのは嬉しいから続けてほしいというジレンマ。


そもそも、この世界にこんな風に女の子を褒める男はほとんどいない。

いたとしても、家で妻や娘にだけだと思う。少なくとも私は、街中や学校では彼しか見聞きしたことがない。


本当に困る。相手がビッチで痴漢(=痴女)だと分かっていても、好きになりそうになる。

まあ、好きになってしまったら、相手は山ほど地雷を抱えているだろうし、頭が壊されてしまうと思う。だからギリギリ耐えてる。マジで抱かせろって思いながら。


というかさ、橘君って絶対に私のこと好きだよね???

他の女の子も褒めてたりするけど、明らかに私を褒め殺してきてる。頻度が全然違うのよ。

私を褒めないと死ぬんじゃないかってぐらい、事あるごとに褒めてくる。情緒がおかしくなる。


「今日は桜の花のヘアピンなんだね。可愛い」

「ふぇ!?か、可愛い??」

「うん。美香ってそういう女の子らしいのが似合うよね」

「あ、ありがと…」

「顔真っ赤になってる。そういうとこも可愛いね」

「うぅぅぅ…」


ほんっとこういうとこ!!!!なんなの、私のことが好きなら、素直に来いよ!!!なんで他の女ばかりと遊ぶの!?私のこと壊したいの!?!?

もう怒った。絶対ぶち犯してやる!!!


「じゃ、そろそろ次の授業も始まるし、席に戻るわ」

「あ、ま、待って!」

「ん?」


珍しく大きい声を出したからか、橘君が驚いている。でも、これだけは伝えないと!


「その、えっと、た、橘君に話したいことがあるから、昼休みに体育館裏に来てもらっていい?」

「お、良いよ。楽しみにしてる」


こっちは緊張であわあわしてるのに、余裕ぶちかましやがって!!!!






「橘君!!先っぽだけで良いので、せっ、セックスさせてください!!!」

「うわぁ…」


まあ、ね。

なんだかんだ言っても、私はこういう女なわけで。

初めから堂々と告れるなら、今頃処女じゃないのよ。


「ごめん、流石にそれはドン引きだわ」

「うぅ…」


ぐぐぐっ…冷たい声が心に刺さる…こんな声初めて聞いた。

いや、逆にレアなのでは!?


「普通さ、このシチュなら告白でしょ。実は初めての告白かもって、めっちゃワクワクしてたのに。

それなのに土下座して先っぽだけのお願いとか…俺でもしたことないわ」

「ぐすっ」


ごめん、嘘。めっちゃ恥ずかしくて死にたい。というか殺してください。

ま、まあ、好きじゃないし???そんな相手からドン引きされても、まあ、そんなにダメージないし??実質ノーダメだし????


「どうしてこんなバカなことをしたんだ…説明して」

「は、はい…」


私は素直に、全てを吐くことにした。


「妹に彼氏が出来て処女卒業したって言われたり、数少ない友達たちも全員処女卒業したって自慢したりしてきたから、惨めになったと」

「うん…」

「どう考えても、今この状況の方が惨めでしょ」

「ぐすっ、言わないで…」

「というかさ、なんで普通に告ってこないわけ?

俺、美香なら普通に付き合えるけど」

「それはちょっと…」

「おい、酷くない?」

「だっ、だって…橘君、ビッチだって噂聞くし…だからこんなお願いしたわけで…」

「あぁ…」


私が前から思っていたことを言うと、橘君は一瞬黙ってしまった。

土下座してるし、どんな顔をしているのか分からないんだよね…。


「その、嘘だとは思ってるんだよ?でも、毎日違う女の子と歩いてるとか、先生とホテルに入っていったとかそういう噂を聞いて…実際に私も女の子とホテルに入るとこ見たことあるし…」

「あー、まぁ、ごめん。その噂マジなんだわ」


ズキッって効果音が、私の体内からした気がする。

いや、別に好きじゃないよ???どれだけ褒められても、結構激しめのスキンシップが多くても、そんな事ぐらいで好きになったりしてないし???

そう、これは、仲の良い友達が男を金で買ってるのを知って失望したとか、そういうのと同じ類だし???ノーダメですから^^


「やっ、やっぱり…。私、付き合うならどっ、童貞が良いから…」

「あー、まあその気持ちは分かるわ」


んー、やっぱり橘君とは話が何故かよく合うんだよね…。

どうしてこれでビッチなの!?そうじゃなかったら、そうじゃなかったら!!!


「そ、それでえっと…返事は…?」

「あー、まあ、美香がそれでいいならいいよ。俺も美香とヤってみたかったし」

「び、ビッチだ…」

「そんなエロい身体してる方が悪い。じゃあ、いつする?今週は土曜ならいけるけど」


なんか、橘君の本性が見えてきた気がする。

女に対してエロい身体とか、初めて聞いた台詞だ。創作の世界ですら、あり得なさすぎて叩かれるレベル。

橘君さぁ…私たち女と同レベルでは?女好き過ぎん?この世にそんな男存在するの?

これって私の妄想じゃないよね?起きたら土下座した事も夢になってない?


「ど、土曜!?もうすぐじゃん…」

「でも、早く卒業したいから俺に言ってきたんでしょ?じゃあ良いじゃん」

「それはそうだけど、心の準備が…」

「そんなこと言ってるから処女なんだよ。チャンスを生かさないと」

「うぎゅっ」


うぐっ…はーっ、はーっ!!!

あっぶない、危うく死ぬところだった!

的確に私の急所を刺してこないで!人殺しになるよ!!!

というか、私に対する理解度が高すぎて、ホント頭おかしくなる!!!!!

なんでビッチなんだよーーー!!!好きになった瞬間NTRムービーが山ほど出てくる地雷を、私が引っ掛かりそうな餌で釣りやがって!!!


「じゃあ決定で。待ち合わせは11時に○○駅で。持ち物はお金ね。ホテル代は払ってよ」

「う、うん…手慣れてるね…」

「まあ、やりまくってるし。俺、○○駅近くのホテルが好きなんだよね」

「それは、どうして?」

「行けば分かるよ。じゃ、そろそろ教室に戻るわ」

「う、うん」


ま、まあいい。これで約束は出来たし、後は橘君を抱くだけだ。

絶対分からせてやる!!!乙女の純情を弄びやがって!!!


「そういえばさ」

「な、なに?」


やべっ、土下座しすぎて、足が痺れてる。

なんとか立ち上がると、橘君がまだ何か話そうとしている。


「美香の友達の美知留とか友梨の処女卒業させたの、俺なんだわ」

「え、えぇぇぇ!?友梨たち、彼氏だって言ってたのに!」

「そりゃ、見栄を張っただけでしょ。俺だって、ビッチで卒業したとか言いにくいし」

「え、じゃあ、私たち棒姉妹になるってこと…?」

「そういうこと。あ、ちなみに、美知留たちは普通に誘ってきたよ。

俺の人生で土下座してきたの、美香だけなんだ」

「え、うそ…ほんと…?」

「うん。美香なら普通に「しよ」って言うだけでしてた。そのおっぱい揉んでみたかったし」

「そ、そんな…」


うそ、でしょ…。

美知留たちの嘘に乗せられて、こんなバカなことをしたのに…橘君の私に対する好感度が…。

死にたい…。







数日経ち、何とか立ち直った私は、橘君との待ち合わせ場所に来ていた。

気合いを入れて、妹に教えてもらった化粧と、妹に選んでもらった服で来ている。


今日の私は、いつもの1.5倍は強い(当社比)。


「あ、美香。今日はいつも以上に可愛いね」


橘君が来た。

うっわ、めっちゃ爽やかな青年やんけ!私服だから、制服以上に大人に見えるせいで、大学生ぐらいに見える。これで裏ではすることしまくってるんだから、世界は狂ってる。

初見だったら一目惚れして告白してたかもしれない。


「あ、えっと、お、おはよう」


やばい、今から彼で処女卒業するんだと思うと、緊張が!!

相手はビッチ、相手はビッチ!私みたいな芋女とヤるような奴なんだぞ!

緊張するような相手じゃないだろ!!!

私は処女卒業、相手は快楽のために身体を重ねるのであって、そこに情は無いんだから!!!


「あはは、緊張してるね。大丈夫、俺が全部リードしてあげるから」


それはそれとして、男子からリードされるとかいう夢が現実になるなんて!!!

エロい男とか、私みたいな処女からすると大好物でしかない。ありがとうございます、ありがとうございます!!!





橘君に導かれるまま、ラブホに入った。

手を繋いだことする初めてなのに、指は絡めてくるし、夫婦みたいな距離感で耳元で囁いてくる橘君。

なにそのエッチな手のつなぎ方!?私知らないよ!?

やめて、今ですらコレなのに、本当に頭が破壊されかねない。

ダメダメ、絶対に後悔するから、ビッチを好きになったらダメなんだから!




初めて入ったラブホに戸惑っていると、橘君は一番グレードの低い部屋を選んだ。


「あ、ごめん、私に気を使ってもらって…」


男の子に安い部屋を選ばせるなんて、処女の私でもダメだと分かる。

情けない…。


「いやいや、この部屋が良いのよ。さ、エレベーターはこっちだよ」




部屋に入ると、精算機?に会員カードを挿す橘君。

こういうのを見ると、本当に手慣れてるんだなぁって思う。


扉を開くと、そこには小さなテーブルに2人が座れるだけのソファ。そしてテレビと大きいベッドだけ。


「こ、こんな感じなんだ…」

「一番グレードが低いからね。高い部屋だと、天蓋とか、道具とか設備が付いてたりするけど、ヤルだけならコレで十分だし。無駄に金を使うぐらいなら、来る回数を増やしたいし」

「そ、そうなんだ…」


あー、やっぱり橘君って、ヤることが優先なんだなぁ。性に生きてる感じが凄い。

今日も、私のことを好きって訳じゃない気がしてきて、少し冷静になる。ただお互いに、身体を求めてるだけの関係なんだなって。


「じゃあ、先にシャワー浴びてきてよ。髪を濡らすと乾かすのが手間だし、気を付けてね」

「うん…」





「浴室は広いけど、脱衣室は狭いなぁ」


トイレも脱衣室からしか行けないし、本当にヤるためだけの場所って感じがする。

私はさっと身体を綺麗にし、下着と薄いバスローブだけを着て部屋に戻る。

橘君はスマホを触っていた。なんだかんだ緊張してるのは、私だけみたい。


「じゃあ、次は俺が浴びてくるから、待ってて。

テレビ見てても良いよ」


彼が脱衣室に行った。

脱衣室の扉って、下が開いてるんだよね。

だから、彼が服を脱ぐ音が、静かな部屋に響く。


「お、落ち着いて…大丈夫、ただヤるだけだから…相手はあのビッチな橘君だから…」


やばい、また緊張してきた!

というか、彼が服を脱いだりシャワーを浴びてるのを凄く覗きたい!!!

でも、流石にそれはマナー違反だよね…。






「どうしたの、そんなそわそわして」

「ふぇ!?も、もう戻ってきたの!?」

「まあ、シャワーだけだし」


待って、心の準備が!!!

橘君が近付いてきて、座ってる私の目の前に来た。


「大丈夫、そんなに緊張しないで」


私の肩を押して。


「全部俺がするから。それこそ、天井のシミでも数えててよ。

ま、美香には先っぽだけなんだけど」


私の上に重なってきて…。







「…あれ?」


ふと、正気に戻った。

確か、橘君に押し倒されて…口には出せないようなあれやこれをして、されて…あれ?

ふと隣を見ると、ボロ雑巾のように力尽きた橘君が寝ていた。なんというか、性根尽きたっていう顔をして、まるで気絶しているかのように仰向けで脱力している。


「えっと…よし、とりあえず写真撮っとこう」


エロい場面はおかず…もとい思い出として保存しておかなければ。




数十分経ち、橘君が起きた。


「ひぃ…もう許して…」


なんか、私を見て怯えている。

なぁぜ?


「どうしてそんな顔するの?私食べたりしないよ?」

「う、うそだ…あんなに、滅茶苦茶にしてきたくせに…」


んー?なんか記憶が飛んでる気がする。


「橘君、確か最初は橘君が上だったよね?」

「そ、そうだけど…気付いたら上下逆転して、俺が食べられてたんだよ…」

「んー…思い出せない。ごめん、正気じゃなかったかも」

「化け物…」


なんで記憶がないんだろ?

あと、橘君が酷い。


「酷いなぁ…そんなこと言う元気があるなら、続きしようよ」

「は、はぁ!?もう無理だって!」

「だって、私記憶無いし。こんなんじゃ処女卒業したって言えないよ」

「待って、無理、全身力が入らないから…」

「大丈夫だよ。天井のシミでも数えてて」

「ひぃぃぃ、誰か助けてぇ…」


私は最初にされたように、橘君を押さえつける。


「うひひっ、いただきま~す♥」








私が処女じゃなくなってから、数ヶ月が経った。

あの日、十数回かした後にやっと記憶を取り戻した私は、しっかり処女を卒業したと言えるだろう。


あれから私の日常に、少しだけ変化があった。

あの日から数日は、橘君は私を見ると怯えて恐れるようになった。

私としては、凄く傷付いたんだけど…。


2週間後、彼の方から声をかけてきた。


「み、美香…さん」

「ん?どうしたの橘君」

「あの、えっと…」


橘君らしくなく、なんかモジモジしてる。


「何?お腹痛いの?」

「そ、そうじゃなくて、えっと…その、ね。

……てほしい」

「ん?なんて?はっきり言ってよ」


「その、えっと」



「お、俺のことをだい、てほしい…」

「え、どうしたの急に?」


あれからも変わらず、橘君は毎日色んな女の子と遊んでるはずだし、わざわざ私みたいな女に声をかける必要なんかないでしょ。


「その、ね。美香に抱かれてから、全然満足出来なくて…」

「ふーん」


私は出来る限り冷たい声を出す。

うふっ、やばい。にやけがとまらない。


「どーしよっかなぁ。だって私、もう処女じゃないし、ビッチな橘君とする理由がないんだけど」

「あっ、そんな…」




「おねがい、します…俺を抱いてください…」

「えー、でもなぁ」


私が焦らすと、橘君はいじらしい顔をする。

あー、やば、めっちゃ可愛いじゃん。


「じゃあさ、してあげるよ」

「ほ、ほんと!」

「うん。でも…先っぽだけね」

「えっ…」


あは、思った通り絶望した顔をしてくれる。

やばい、めっちゃ悪女になった気分。男の子をからかうの楽しすぎる。


「お、お願いします…ちゃんとしてほしい…」

「じゃあ、さ。」


私は言ってやった。同じ経験を彼にしてほしくて。

あまりに屈辱で、でもそれだけで求めるものが与えられるならと、折れる心と身体を。

逆に潔くて、気持ちいいまであるアレを。


「土下座してお願いしてくれたら、考えてあげるね」



貞操逆転世界で、男が勝てるわけ無いんだよなー

大人しく食われときな。



・橘 瑛斗


現代日本から転生した。ビッチ。性欲さいつよ男子。あまりに強い性欲のせいで、美香の最強性欲を相手にある程度戦えてしまう不幸。力尽きれば良いのに、身体は反応してしまうのだ…。


・笹本 美香


元陰キャ処女娘。現プレデター。童貞(=処女)臭さから、瑛斗に気に入られて、よく純情を弄ばれていた。貞操逆転世界であるため、女性の性に対する欲と体力は元々多いが、巨乳であるが故、女性ホルモンやらの関係で瑛斗を超える性欲を持つ。男が女に勝てるわけ無いだろ!いい加減にしろ!!!


・瑛斗の通う学校


教師も生徒も、大体瑛斗と関係を持っている。既に瑛斗の手に陥落しているハーレム学校。


・美知留、友梨


瑛斗で処女卒業した。見栄っ張り。でも、周りも同志だし、誰も責めない。


・美香の妹


実は瑛斗で処女を卒業したとかしてないとか…。美香より化粧やファッションの知識がある。彼氏いるのホント???

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― 新着の感想 ―
[良い点] ただの陰キャで地味メガネっ娘と思って油断したら……。 これはなかなか面白いです。
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