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先に生地を見せて気になる生地を見本用に最小単位で買いまくる。メモ帳とホッチキスも用意して、生地の情報を書いてホッチキスで止めていく。
そうしないと、さわり心地は全然違うのに、画面上ではどれがどれか見分けが付かなかったりするのだ。
全部同じサイズにカットして、少しでも見やすくするけど……この人どんどん買っていくから綺麗にまとめられる方法を考えなきゃな~……って私には関係無いか!危ない危ない、他人の心配までする暇無かったんだった。
生地の次はレースのモチーフをバンバン買っていく……これは小さい物は瓶に入れて情報を書いたシールのラベルを貼る。
大きい物はクリアファイルに入れて、同じく情報を書いたシールを貼っていく。クリアファイルってかなり大きい物まであるんだね~、初めて知ったよ。
リボンの生地で出来た1個1個リボンに結ばれたモチーフや、花の形のモチーフ等、こんなにあるの?と言うくらい色んな種類を買って瓶に入れてシールのラベルを貼っていく……
巻きのレースにリボン、糸見本にファスナーを見本用に全色と、使いやすそうな色をいくつかストックする。
ボタンも色々買って、ガラスの瓶に入れてシールのラベルを貼る。並べとくだけで可愛いな~。
ビーズは一回り小さな瓶に入れて、コサージュも色々気になったものを買うようだ……
え?お金?縫製代から引く感じで決定したよ。Tシャツとハーフパンツは、生地を持ち込んで縫製代だけ支払う。
下着やセクシーコスプレは、他にも使えるかもしれないので生地や材料は私から仕入れて、材料費+縫製代を支払う感じになる。
仕入れる分の代金を直接貰うと転売になるので、縫製代から引くことになったと言うわけだ。ってことで、しばらくはタダで色々作って貰うって感じになるんじゃないかな?気に入った生地は何メートルずつか欲しいみたいだし。
その辺の計算はちょっとめんどくさいけどね……まあ、これだけめんどくさいのは最初だけだと思うし、帰ったら頑張って総額の計算をしますか……
めぼしいものは買い尽くしたようなので、ようやくTシャツとハーフパンツの生地を追加する。
ピッタリ着るものじゃないから、そんなに透けないと言うことで明るい色も追加した。女性用に透けても大丈夫なように、下に着る柔らか素材のタンクトップも作って貰うことになった。
サイズは布用のインクを買って、首の内側の本来ならタグがある所にスタンプを押すことになった。
タグより簡単だし節約になるし、ゴロゴロもならずにいいよね。
「その服装、作業しにくくないですか?誰かに見られるわけでも無いし、工房の中だけでもズボンのが良さそう……あ、でも着替えるのめんどくさいかな?」
「麻衣ちゃんが今履いてるみたいなやつ?確かにミシンを使う時とかスカートの裾を踏んじゃったりして気にはなってたのよね~……でも、ちょっと派手すぎて勇気が出ないわ~」
「いや、この派手さは単なる趣味なので……あ、これとかどうですか?」
裾とウエストにゴムが入った、だぼっとしすぎてないけど足のラインは分からないパンツを見せる。色も黒、カーキ、ベージュの無地3色だ。
「あら、これなら大丈夫かしら……どう思う?」
「ズボンは履いたこと無いわ……どうなのかしら?でも、この履いてる人も女性でとっても素敵ね」
「ちなみにカフェや写真屋さんのスタッフもみんなズボンですよ」
衝撃の発言だったようで、みんなビックリして固まってしまった。でも、仲間がいるなら試しに履いてみる?と言うことで、みんなの分のズボンを希望の色を聞いて出した。
上も七分袖のセントジェームスのボーダーTシャツを、お揃いで出してみた。うん、可愛い!
デザイナーだけはこれがいいと言うことで、デニムになった。やっぱり美少女だ……まあ、肩幅があって胸はペッタンコだけど、こんな子普通にいるよな~。
なんで女装してるのか、仲良くなったら聞いてみよう。
「やだこれ、くせになりそうね……」
「動きやすくて裾を気にせず作業が出きるわ」
「思ったより全然気にならないわね」
「洗い替え用にもう1枚欲しいわ!」
皆さん気に入ったみたいでよかった~。
「あ、そうだ麻衣ちゃん……私達も洗濯機を使いたいんだけど……」
「あ、全然大丈夫ですよ。うちのスタッフのが終わった後なら問題無いです!干すのは自分でしてください。物干し竿増やしときますね」
これにはみんな大喜びだった。まあね、洗濯大変だよね。魔法でやれる人はやるみたいだけど、水魔法が使えない人は手だもんね~……アンドレ、頑張って開発してね。
みんなでデザイナーに交渉して、洗濯時間を30分貰うかわりに、終業時間を30分遅くすることで決定したようだ。
ぱぱっと洗濯機に入れに行って、終わった頃に戻って干して~で30分でいけそうだね。頑張れ!
なんか瓶がやたらと増えてごちゃごちゃなっちゃったな~……でも、今棚を出してもね……工房が完成するまではごちゃごちゃで我慢だね。
ちなみに工房の間取りはノータッチだ。コンセントだけ口を出す感じ。そこはもう使う人が使いやすいようにするのが一番だもんね。
1階のお店には既製品のドレスを置くそうだ。今の店に雇ってる人がそのまま来るのだとか。
向こうは向こうでまだ開けているので、工房が完成するまではそっちにいるらしい。
貴族女性用のサロンも出来るし、帰りにフラッとお店に寄る人が増えるかもしれないね。
よし、ここでの仕事はもうお仕舞いかな?そろそろランチタイムだし、みんなのご飯を出しにいきますか。




