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 とりあえずファミレスでポテトと唐揚げとサラダを頼む事にした。

 サイドメニューにお酒がある!ビールもいいけどレモンサワーを2個追加した。何杯飲んでも200円!?あ、時間過ぎてた、ちっ!

 会計ポチッとな……画面が光ってテーブルの上にポテトと唐揚げとサラダ、レモンサワーが現れた。


「すごーい、熱々だ!乾杯しよう、乾杯!はい、かんぱーい!」


 ぐびぐびぐびぐび~、ぷはー!あはははは~、こんな世界に急に連れてこられて、飲まなきゃやってられるかってのー!ううう、可愛い甥っ子姪っ子に会いたいよ~!

 ぱくぱくぱくぱく、ぐびぐびぐびぐび、おかわりポチポチ、ぐびぐびぐびぐび~

 ほう、飲み終わったジョッキは勝手に消えるのね。確かに残っててもどうしようもないか。


「ライアンも飲め飲め~!こんな訳わかんない世界に連れてきやがって!

 番だかなんだか知らないけど、私が頼れるのは旦那のあんただけなんだからね!絶対捨てないでよ!

 ううう、こんな世界で放り出されたら魔力の無い私なんて、生きていけないんだからね!」


「ああ、大丈夫だ。命有る限り側にいると誓う。

 結婚はしたがまだ番の絆を結んでないんだ。よければ今から番の絆を結んでもいいか?

 そうすれば互いに裏切ることは出来なくなる。まぁ、結ばなくても裏切るつもりなど全く無いが……」


「いいよ、何をすればいいの?」


「何も考えずに、俺のやることを受け入れてくれればそれでいい……」


「……んっ……ぅんん……」







 

「麻衣様、おはようございます。起きていらっしゃいます……か……?あ、あらあら!まぁっ大変!」


 パタン、パタパタパタパタ


「ん?う~ん……眩しい!もう朝?……ん?」


「おはよう麻衣、体は辛くないか?無事、番の絆は結ばれたようだ」


 そうだった……1人でトイレにも行けないような世界に召喚されて……家族+にも二度と会えない事実に腹が立つやら絶望するやらでやけ酒したんだった……

 そして放り出されたら生きていけないってライアンに詰め寄って、裏切らないようにと番の絆とやらを結んだんだったね……

 まぁあれだ、番のと言うくらいだから男女のあれなんだが、なんでも竜の血を引く一族の男性は生涯1度だけ特別な魔力を発動することが出来るらしく、それをどうやら無事受け入れたらしい。

 うん、なんかよくわかんないけど、この人は私のものだって言う感覚がすごくわかる。


「ああ……なんて最高の日なんだ……麻衣は……麻衣は俺の物なんだな」


「そうだね…………うむぅっ……んっ……ちょ……」


 バシバシバシバシ!急なキスに麻衣は慌ててライアンの胸を叩いた。


「はぁ、麻衣……」


「ちょっ、トイレ!トイレに行きたいのー!」


「あ、ああ、すまない!」


 ライアンが慌てて麻衣の上から起き上がったので、麻衣も急いでトイレに行こうとしたが、起き上がることが出来なかった。


「う、うそっ……こ、腰が……ふ、ふぇぇ?」


 腰に鈍痛がして、とてもじゃないが起き上がることが出来なかった。しかも体のあちこっちが痛い。トイレの限界で思わず泣きそうになったところで、ライアンに抱えられて何とかトイレに行くことが出来た。


「お、終わったよ……ドアの外から先に流して!流し終わったら……立てないから手を洗うところに連れてって……ぅぅ、情けない……」


「いや、俺のせいだな。すまん……」


 とりあえず顔も洗ってベッドに戻った。麻衣は寝起きにトイレにいっただけで、精神的にどっと疲れてしまった。

 絆を結べばトイレくらい流せるようになるんじゃないかと思ったが、そうそう上手い話は無いようだ。


 これから毎回トイレを流して貰わなきゃいけないと思うと、やっぱり辛い……シラフじゃ無理!いっそ朝から飲んでしまおうか……なんてね、ははは……


 気を取り直して着替えようと思ったが、昨日の服は洗濯すると持っていかれてしまったので服が無い。

 どうせ今後もいることだし、麻衣は服を買うことにした。

 さすがにドレスはめんどくさいし、昨日みたいにガウチョにカットソーじゃあんまりかな?等と色々考えたが、こちらの洋服事情も全く分からない。


 とりあえず無難なデザインの黒地に小花柄のロングワンピースにして、足を見せたらいけないかもしれないので歩きやすそうな茶色のショートブーツを合わせてみた。

 ついでにライアンにもデニムを買って渡した。

 ちょうど着替え終わったタイミングで外からバタバタと騒がしい足音が聞こえてきた。


 ドンドンドンドン、ドンドンドンドン


「ライアン起きてるか!?」


「ああ、そんなに慌ててどうしたんだ?」


 ライアンがドアを開けると、昨日のメンバーが勢揃いしていた。


「お前、まさか無理矢理襲ったのか!?麻衣殿、大丈夫ですか?」


 立ち上がるのが辛くてソファに座ったままだった麻衣は、不穏な言葉に驚いた。

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