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「ミーナさん!これ醤油ですか!?」
「あら、奥様ご存知なの?東方の国のポピュラーな調味料だって聞いて買ってみたんだけど、その色でしょう?全然売れなくて……閉店セールで安くしときますよ。うふ
その棒みたいなやつも欲しいんですか?まだ裏にあるから出しますね。サミーは何か欲しい物無いの?」
棒って……バニラね。ふふふ、確かに棒だね。サミーは慌ててスパイスを探しだした。想像より色々揃ってるみたい。
「ミーナさん、お店閉めちゃうってことは、今後醤油やスパイスは何処に行ったら買えるか分かりませんか?」
「そうね~……いつも来る商人に、そちらのお店で定期的に欲しいって言ってるって伝えときましょうか?」
「本当ですか?ありがとうございます!ミーナさん、よかったら最初の商談の時、同席して貰えませんか?初めてなので勝手が分からなくて……なんならうちで働きませんか?」
「うふふ、ありがとうございます。商談は同席させて貰いますけど、働くのはお断りさせてください。
少しゆっくりしたくて……お金がなくなったらお願いするかもしれませんけどね?うふふ」
はう~……美しい……あ、もしかして結婚の予定があるとか?あり得る!サミー……ドンマイ
「あったっす!全部あったっす!もっと欲しいんっすけど、あるっすか?」
裏に在庫があるらしく、取ってきてくれるそうだ。カレーのスパイスは全部揃ったけど、他にも要らない?とりあえず他のスパイスも全部買っとこう!
これなんだろう?タバスコ?あ、タバスコっぽい!これも買おう!
ん?これは……棒寒天に見えるんだけど……違うかな?
「ああ、それは寒天って言うらしいんですけどね~、使い方聞くの忘れちゃって。もしかして知ってるのかしら?」
お~、やっぱり寒天だった!お菓子作りに使えるよね!いや、待てよ……ゼラチンがあるかな?
「サミー、この世界ってゼラチンある?」
「あるっす。前菜のテリーヌとか作るのに使うっす。貴重なんで貴族しか食べれないっす」
「そうなんだね。寒天はゼラチンと比べて透明感が少ないしちょっと固いけど、代用できると思うよ。お菓子作りにゼラチンは使われないの?」
聞いたこと無いらしい。ふっふっふ、また新たな看板メニューが出来そうだね!これも全部貰っていこう!
「てかやっぱり働きませんか?ガッツリじゃなくていいから、仕入れの担当をして欲しい!」
「そうね~……なんだか楽しそうだからちょっと悩みます。ゆっくり考えてみますね。うふふ
他は要らないかしら?」
他にも東方の国の物はあるか聞いたけど、無かった。その代わり、今度商人が来たら聞いてくれることになった。
ふい~、いい買い物をした!満足したからギルドに寄って帰りますか。
ギルドに行くと、何も言わずに受付のお姉さんに個室に案内された。常連扱い?
「これはこれは勇者様に麻衣様、ちょうどいいところにお越しくださいました!例の男爵家で保護された男性達が、先ほど到着したので連れていこうと思っていました」
おお、それはちょうどよかった!とりあえず後で紹介して貰うことにして、先に小麦粉や卵やお肉や野菜の仕入れ先を相談して、配達の手配もお願いした。
とりあえず量はサミーがざっと見積もって、パン職人さんが来たら1回みんなでお試しデーをしてみて修正しようとなった。
パン職人ファミリーは、午後到着予定だそうだ。来たら連れてきてくれるそうだ。
社宅は明日の朝から入れるとみんなに伝えて貰うことにした。その際、保護施設の女の子に、明日の朝から子守をお願いしたいと一緒に伝えてもらう。
辻馬車も無事ルート運行が決まったらしい。こっちからいくらか渡さなきゃなのかな?と思ったけど、必要無いそうだ。
あと、この国の高給取りは、普通に雇われだったら銀貨25枚とからしい。お城の文官とかでも銀貨30枚位だとか。
自分で商売してる人はもっと多いそうだが、だいたいそんなものだとか。
ふむ、やっぱりハンスは30枚だな!サミーとパン職人さんは22枚くらいからにしようかな~……とりあえずね、売れ高次第で上がっていくからね!
それでも街の食堂で働くシェフと比べたらかなり多いそうだ。18枚スタートの料理長で25枚レベルらしいので、すでに中堅?
サミーの契約も終わり、いよいよ3人と会うことになった。どんな人達かな~、ドキドキする。
しばらくすると、お姉さんが3人の若者を連れてきてくれた……うん、第一印象はヤボったい。
髪で目が隠れてたり、服のサイズがあってなかったり……まぁ仕方無いか。それにしてもみんな痩せてるな~……これでも太ったの?まじですか……
「あ、あの、はじめまして、マイクです。こっちは弟のニックです。この黒髪はケビンです。一生懸命働きますので、よろしくお願いします!」
おお、みんなそんな深々頭下げなくても大丈夫だよ!怖くないよ~。とりあえずギルドのおじさんに契約内容は聞いてたらしいので、契約を済ませることにした。
「すげ~……本当にちゃんと雇って貰えるんですね……あの、勉強も教えて貰えると聞きました!本当ですか?」
「大丈夫だよ~。他にも保護施設から来る子達にも教えるから、みんなで一緒に勉強しようね」
「あ、あの、自分は字もまだあまり出来なくて……本当に大丈夫ですか?」
「うん、やって貰う仕事は計算は必要ないし、字は出来たがいいけど1人でする訳じゃないからボチボチで大丈夫だよ」
不安そうにしていたケビンだったが、そう説明するとやっと安心したようで肩の力が抜けたのが分かった。
ケビンも契約を済ませ、3人用に辻馬車を用意して貰ってカフェに戻る事にした。
午前中だけでもかなり実りのある1日だったな~。くふふ、カレンちゃん寒天喜ぶだろうな。




