表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/113

38

 王都は賑わっていた。スラムや貧民街もないので、裏通りも安全らしい。そして、色んなところに花があって綺麗だった。

 ただ……平民の服は結構地味なのね~……完全に浮いてる気がする。可愛い雑貨屋さんやお菓子屋さんに後ろ髪引かれつつ、カレンちゃんの家へまずは向かう。

 カレンちゃんの家はお城のすぐ近くだった。この辺はお城で働く人達が住むエリアのようだ。


「麻衣ちゃん勇者様いらっしゃ~い。何か用事があるって聞いたけどどうしたの?あ、これ朝から焼いたんだけど、よかったら食べて」


「カレンちゃん久しぶり~。ゆうくんと赤ちゃんは?うわっ!めっちゃ美味しそう!さすがだね~」


 明るく清潔なリビングのテーブルには、かわいくくり貫いてジャムを挟んだクッキー、ピンクの桜形のメレンゲの焼き菓子、プチエッグタルトが並んでいた。

 

「子供達はちょうどお昼寝中だよ~」


「そうなんだ、会えなくて残念~。めっちゃ美味しそうだね!いただきま~す」


 もぐもぐ、旨い!こっちももぐもぐ、やっぱ旨い!最高!


「あ、ごめん美味しすぎてつい食べすぎちゃった。えっとね、色々聞きたいこととかお願いがあってきたんだ……

 ずばりさ、働く気ない?今度図書館を作ることになったんだけど、そこに併設してカフェを作る予定なんだよね。

 そこでパティシエとして働いて欲しいなと思って……今からギルドに行ってパン職人は募集するつもり。軽食担当はアンドレ様が宛があるみたいだからお願いした。

 目の前に託児所も用意して安心して働ける環境は作る予定だから、お願いできないかな?

 あ、あと託児所の裏に洗濯機と干す場所も用意するから、洗濯は心配しなくて大丈夫だよ!

 お昼も賄いが出る予定。子供達の食事はもちろん給食が出るよ!どうかな?」


「え?えっと……ちょっとビックリしたけど……嬉しい、ありがとう。仕事を辞めてからちょっと物足りなさを感じてたんだよね……最近この本を貰ってから特にね。

 すぐそばに託児所があるなら安心して働けるし、ちょっと主人と相談してみるね!」


「うん、いい返事を待ってるね!もう1人パティシエに知り合いとかいないよね~?カレンちゃんが休みの日とかどうしようって思って……」


 そう、週休2日は絶対だから、カレンちゃん休みの日はケーキが焼けないのだ!パンも……交代でパンか軽食かスイーツをお休みにするか……人を増やすかだよね~。

 それかもう週2回はお店お休みする?いいかもしれない……写真屋さんも図書館も全部お休みにしちゃえばいいんじゃない?

 曜日は決めちゃうと来れない人もいるかもしれないから、ランダムにしようかな。うん、いいかもしれない。


「やっぱりあの辺一体を週2回お休みにすることにする!とりあえずだけどね。無理無い程度から始めた方が、色々いい気がしてきた」


「あ~、確かに一気に雇うよりも慣れた頃に次の人を雇ったがいいかも。こっちも教える余裕が出来るし、自分以外の人が同じように作るのはどうやったら簡単かとか考える時間が欲しくはあるね……

 でも、休みにして大丈夫なの?売り上げとか……」


「売り上げ?あ~、別に初期投資がぼちぼち回収出来ればいいんじゃないかな~?私も美味しいもの食べたいし……」


「ああ、今まで使い道がなくて溜め込んでた分だ。麻衣の好きなように使ったらいい。

 体育館や道は国庫から出るようになったから当初より予算が浮いたしな。俺はバスケが出来ればそれでいい」


「そ、そうですか……」


 あ、カレンちゃんが呆れてる!まぁ確かに人のお金だよ?でも使えないくらいたくさんあるのを好きにしていいって言うし、ドレスや宝石に使うよりみんな喜んでくれるしマンガ文化が広がるからいいじゃ~ん……って本当よく考えたら人の金でやりたい放題だな!

 チラッとライアンを見ると、気付いて優しく微笑み返された。うん、まぁ幸せそうだからいいか……


 その後も色々話した結果、数人元メイドさんのママ友がいるようなので、声をかけてくれるそうだ。

 元メイドと言ってもヘアメイク等が出来る人は1人で、他の人はお掃除担当だったり洗濯担当だったそうだ。

 この辺は平民街なのでそんなもんだよ~とのことだった。ちなみにカレンちゃんの旦那さんのお兄ちゃんの奥さんも、メイドさんだったらしい。

 棟梁の奥さん等、子育てが終わった世代の人達は、お針子さんとしてすでに働いているそうだ。なるほどね~。

 決まっている雇用はギルドに行くと専用の魔石を貰えるらしく、それに契約内容をギルドで入れて貰い、サインのような感じで相手が魔力を入れれば完了だそうだ。

 詳しい契約内容が決まったら、さっそくカレンちゃんとハンスの分をお願いしなくては。


 あと、レジはだいたいレジカウンターに引き出しがあって、そこに金庫?みたいな箱が入ってて暗算もしくは小さな黒板みたいなものや、木の板、布などに書いてお会計をするらしい。

 八百屋さんなどの個人商店では、アイテムボックスにそのまま入れるのだとか。

 なので、結構売り上げ計算もざっくりしてるそうだ……大丈夫かそれ?計算しやすいように青銅貨は使われなくなったのだとなんとか……まぁ、確かにそっちが分かりやすいけど。


 オーブンは小さいので大丈夫とのことだった。1階の厨房がいっぱいで2階になっちゃってごめんね……運ぶの大変だよね?と言うと、アイテムボックスがあるから問題ないよ~とからから笑ってくれたので安心した。

 ちなみにこの世界でケーキの持ち帰りは無いらしい。パンもみんな籠バックに布で包んで入れたり、布に包んでアイテムボックスに入れたりするらしい。

 日本みたいに色々ついてたり乗ってたりするパンがないらしく、みんな固めでコロンとしてるから可能なんだそうだ……

 でも……せっかくだったら色んな惣菜パンを売りたいよね?くっつく系は薄い紙で包む?袋?ちょっと考えようかな。

 とりあえず日本風のパンは画期的なんだそうだ。自分が誉められたわけではないが嬉しくなって、お土産に日本風のパンを色々渡してバイバイした。

 ちびちゃん達に会えなくてちょっと残念だったが、またすぐ会えるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ