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 城に帰ったら、メイドさんに夕食は要らないと伝え、お風呂も自分達でするのでと下がって貰った。

 正直使用人がいる生活などしたこと無いから、メイドさんがいると落ち着かないんだよね。

 ああ、ライアンは当たり前のようにいますよ?まぁ他人ではなく夫だしね……絆を結んだからか、近くにいるのが当たり前な気分だから気にならない。

 まぁ……トイレを流して貰うのはやっぱり精神的にキツいけどね。


 気を取り直して本を探そう!最強の家作り、カフェのような家、間取りの全て……どれも興味深い。とりあえず中が分からないから気になる本は買ってみることにした。

 パラパラ……おりおり。パラパラ……おりおり。よし、気になるページをもう一度見直して……ってお腹すいた!

 うわ、もう外真っ暗じゃん!ライアンもお腹すいたよね?ファミレスで何か買おう!う~ん……ん?一番下に系列店舗がこんなに!

 和食に中華、ステーキにしゃぶしゃぶ、お寿司にイタリアン、トンカツに唐揚げ、カフェにうどんにハワイアンだと!?

 これ田舎には絶対無いやつ!ファミレスと中華と和食のお店しか見たこと無いし!ちょっとこのハワイアン気になる……絶対おしゃれ!

 ガーリックシュリンプ!肉盛り合わせ!サーモンアヒポキ?海老とアボカドの塩レモンパスタだと!?めちゃくちゃ美味しそうじゃん!

 きゃー!可愛いお酒がいっぱい!


ドンドン、ガチャッ


「やあやあこんばんは~、まだまだ家の事を語り足りないから来ちゃった……って何このご飯?初めて見た!美味しそうじゃん!一緒に食べていい?ってうまっ!」


 アンドレは返事も聞かずに図々しくも指でつまんでつまみ食いした。まぁ……いいけど……あ、取り皿にカトラリーボタンがある!ぽちぽち

 

「では気を取り直して、かんぱーい」


 ぐびぐびぐびぐび、ぷはーっ!やっぱり暑い日のビール最高!


「うわっ!何これ!辛口でシュワッとするけどうっま!」


「うん、旨いな」


 気に入ったようでよかった。私は次は可愛いカクテルでも飲もうかな。ちっちゃいパラソルが付いてて可愛い!甘いけど、旨い!

 ご飯も美味しいな~、ふふふ。


「お、その本は何だ?……ふむ、やっぱり麻衣殿の世界の家は面白いな~」


「麻衣、俺はこの風呂がいい」


 ライアンはそう言ってお風呂のカタログを見せてきた。ちなみにカタログは無料だった。


「え!?こ、これ?これ大きいジャグジーだよ?こんな大きいのがいいの?」


「一緒に入るから大きい方がいい」


 え?一緒に入るのは決定なの?いや、日本式ならお湯も自分で出せるから一緒に入る必要ないよね?


「こっちでは夫婦は一緒に入るのが一般的だよ~、だからこれにしなよ。面白そうだし!」


 絶対嘘。ただ単に面白そうなのを設置してみたいだけだろ?思わずジと目でアンドレを見てしまった。


「こんな大きいお風呂、掃除も大変だよ。ジャグジーだってこまめに掃除しないと汚れたまりそうだし……」


「スライムがする」


 は?スライムがするとはどう言うこっちゃ?


「あ~、こっちのお風呂は専用のスライムが隅々まで掃除するから大丈夫だよ~。

 ちなみにゴミや下水もスライムね」


 ますます意味が分からなかったので、しつこく食い下がり詳しく説明を聞くと、どうやらこの世界ではスライムちゃん達が人間の世界を大きく支えているらしい。

 まず、下水道の様なものにスライムちゃん達がたくさんいて、下水を処理してくれているそうだ。

 そして別の階層には生ゴミや紙のゴミを処理してくれるスライムちゃん達がいるので、穴の中にゴミを捨てるようになっているのだとか。

 スライムちゃん達が上ってこないのかと言うと、穴と下水道を繋ぐところに魔石があって、上ってこられないようになっているらしい。

 生ゴミとかそのまま捨てるならパイプは汚れないのかと言うと、これまた魔石でバリア的なものがしてあって汚れないらしい!凄いよね!

 まぁ月に1回位魔力を補充しなきゃいけないらしいが、それはライアンがいるから大丈夫だよね。

 布や陶器、大きい木片やガラスや金属等はスライムちゃんが消化が苦手なので、回収してリサイクルしたり燃やしたりするそうだ。

 プラスチックも勿論無理だよね~ってどう言う訳か、プラスチックやビニール等は使い終わったら消えちゃうから大丈夫か。


 素晴らしいことに、この世界はスライムちゃんのおかげでスラム街が存在しないらしい。

 子供は孤児院、大人は男女別と家族用に保護施設があって、風呂トイレは共同だが、ベッドだけ置いてある小さな個室が与えられるらしい。

 大人の施設の食事は国の援助で朝、夕の2回出る。お風呂はスライムちゃんが掃除してくれるし、トイレは掃除するとパンが1個貰えるらしいのでいつでもピカピカらしい。

 やはり風呂に入ると綺麗なものを着たくなると言うことで、風呂ついでに洗濯もして、部屋も掃除して、自然と清潔に保たれているのだとか。

 施設があることで入居者の管理がしやすく、仕事の斡旋もしやすいらしい。

 スラムや孤児がいないと言うことは治安もいいわけで、みんな他人を思いやる余裕のあるいい世界のようだ。

 

 スライムちゃんがいると言うことは、魔物も少なからず存在するらしい。

 ただ、魔王がいない限りはそんなに数も多く無く力も弱いので、被害はほとんど出ないそうだ。

 魔王も2000年に一度くらいで現れるらしいが、勇者と聖女と共に各国の騎士団の精鋭部隊や魔法使い達が協力しあって討伐するのだとか。


 いや、確かにファンタジーで気になることのひとつだったんだよね。何でそんな少人数でっていつも思ってた!

 まぁ、それぞれの国が平和で仲が良いから出来ることらしいけどね。

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