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いつか、どこかの地の底で
「ハハハ! バッカだなぁ! 作者より頭の良いものなんて作れる訳ねーだろ!」
「うっせぇモヤシ! 黙ってろ!」
ゴブリンは脇目も振らずに木偶人形をいじる。
「お前には出来たんだ。オイラにも出来るさ!」
「あァ? 俺ァ作った覚えないぞ。自分以上のものなんて」
「見ろよ、完成だ!」
ゴブリンがナットを締めると、木偶人形の口がカタカタと動き出した。
「ハロハロゴブ、ニュニュニュ、ニューワールドブ!」
「10たす9は?」
ゴブリンが尋ねる。
木偶人形はガタガタ震え、やがてチーン! とベルを鳴らした。
「42」
俺は「おぉ……」と、感嘆の声を漏らした。
「すげぇ。ちゃんと増えてる。確かにこいつはお前以上だ」
「うっせぇバーカ!」