はろー、あんどぐっばい。
「《風符「風神一扇」》!」
いきなりかい!
そんな当たり前のことに驚きながら白狼天狗の姿のまま跳び上がる。
早い弾幕だが場所によっては密度が違う。
それに白狼天狗の視力では比較的遅く感じる。
余裕とまではいかないが大丈夫そうだな。
そんなことを考えたのが俺の運の尽き。
突然後ろに殺気を感じた。
「ッ!」
強引に空中で体を捻って何かを避ける。
首も後ろに捻ると少女の白狼天狗が俺の背中に当てる予定だった刀を振り切っていた。
確か…犬走 椛だっけ?
うん、たぶんそうだ。
というか椛の正式なZUN絵がないからなぁ…
顔を見たことない。
そういう意味では不憫な奴だ。
俺に蹴られるという点においてもな。
俺は猫辰に戻ると猫の後ろ脚で胸を蹴り飛ばしてやった。
猫の足には知っての通り肉球がある。
怪我はせずとも吹っ飛ばされる。
便利だな、ねこの足。
逆に攻撃するときは前足の竜の足を使えばいい。
でもなんで浮けるのかな?
何かの部分が宙に浮けるようになってるんだろう。
話がそれたが前に文がいることをすっかり忘れていた。
「《疾風「風神少女」》!」
俺の周りを文が飛び回って弾幕を設置していく。
原作では2次元だから突破できるけど生憎ここは3次元だ。
という訳で上下左右360度を弾幕で囲われた。
言ってしまえば文の必殺技だな。
実際の霊夢がこれを突破したのなら恐らくかなりの猛者だ。
ゆっくりと弾幕が迫ってくる。
だがしかし!
俺の能力を侮りすぎじゃあないか?
饕餮を挟んで正邪に化ける。
「リバース。」
ただこれの一言で俺と文の位置はひっくり返った。
「あやや!?」
自分の弾幕を避ける羽目になったあやや、ご愁傷様。
やったの俺だけど。
まあ頑張ってくれ、俺はまだやってくる白狼天狗の部隊を相手にしないといけないから。
なんか蜘蛛に転生した少女が活躍する物語にもそんなモンスターがいたな。
1体倒すだけで群れが総出で倒しに来る感じのモンスターが。
どちらにせよ今の俺には相手にならないけど。
一番手前の天狗を猫の足で蹴り飛ばした後ワザと鼻の先でガチンと音を立てて口を閉じる。
もちろん取って食うような真似はしない。
むやみに殺す必要がないならこちらも殺しはしない。
でもビビった天狗はそのまま気絶した。
あらら、脆いねぇ。
そのまま、勢いにまかせてもう1人の白狼天狗に飛びかかる。
通り過ぎ様に舌でべろりとそいつを舐めるとそいつは顔を真っ青にして空中でうずくまった。
再起不能だな。
では次。
「はろー、あんどぐっばい。」
猫の足で地面に叩きつける。
上手く着地できれば無傷で済むと思うぞ。
そのまま4人目に行こうとしたけど相手は警戒して距離を取りこちらを囲っている。
こりゃ膠着状態だな。
こういう時の為の能力だけど。
俺は蠅に化けた。
相当目のいい奴じゃないと見つけるのは不可能だ。
それに目のいい奴ならさっき蹴り飛ばしたし。
という訳であばよ!
俺は地底で余生を過ごさせてもらうぜ!
こうして俺は慌てふためく天狗たちを置いて地底に向かった。




