てめーらは俺を怒らせた。
令和元年。
眠い…
「おい…お前ら…正邪に何をしたァ!?」
いまだかつてないほど激昂する。
たった1人で里を守ろうとした俺に唯一手を差し伸べてくれた戦友。
それが、たった今命を散らした。
理解しても俺は怒りをぶつけざるを得なかった。
そのくらいキレていた。
みんな殺してやる。
独りだって逃がさない。
あの戦車の中にいる奴らは特にだ。
ゆっくりと痛めつけて殺してやる。
殺す殺す殺ス…
俺の体に変化が生まれた。
腕は鱗に覆われ、やや細身の竜の腕を形成する。
足は豹の様に筋肉質のネコ科の足へと変化する。
胴体は鱗で覆われる。
頭にも変化があった。
竜と虎を掛け合わせたような感じがする。
キトラの竜たちが少し下に見える。
恐らく巨大化した。
尾は龍の尾が生えており、その先端は狐の毛で覆われていた。
「グォォォォォォ!!!」
麒麟の様な胴体に細身の竜の前足。
豹の後ろ脚にとがった猫の耳を生やし、金色の猫の目で相手を睨みつけ、虎、または竜の様な頭を持つ化け物。
美しくも恐ろしく、儚くも力強い獣。
俺はそれを猫辰と名づけることにした。
1番近くにいた奴を竜の爪で引っ掛け放り投げる。
次の瞬間、俺はそいつに食いついた。
いとも簡単にそいつの胴体は分断される。
まだだ。
俺はそのまま頭のくっついた上体を喰らう。
兵士の悲鳴が聞こえるがその程度で済むと思うな。
「俺の、親友を、殺した罪は重い!」
何度も喰らいついて咀嚼する。
胸から下を腹に収めたとき、俺は残った部分を喰らい尽くした。
俺の目に向かって銃を撃ってくるが遅い。
まるで止まってるみたいだ。
優雅な動作で全弾避けてやった。
流石のキトラの竜たちも焦ってきたがもう遅い。
異能力漫画3部のある名台詞があるがそれが今は素で言えそうだ。
てめーらは俺を怒らせた。
喰らってやる。
俺の糧にしてやる。
爪を振るって相手を斬る。
俊敏な足が奴らの動きを封じる。
逃げられると思ってるのか?
個別に殺した奴は咀嚼して喰らう。
ここにいる全員を殺すまで死ぬ訳にはいかない。
正邪にこの魂どもを捧げてやる。
逃げられると思うなよ?
お前らが体感するのは戦いじゃない。
ただの虐殺だ。
俺の行為を正当化する気など毛頭ない。
殺し尽くす。
正邪が望んでいようと望んでいまいと俺はここにいる奴らを殺してその魂を献上する。
ただただひたすらに体を動かした。
ある時は直接喰らい、ある時は爪で斬り刻み、ある時は尾で叩き潰す。
その死肉すらも喰らい続ける。
肉片は一片たりとも残すつもりはない。
1人が怯えたように銃を発砲する。
聞いていなかったのか?
俺に殺される権利はあってもお前らに抵抗する権利はないんだよ。
そんな理不尽を抱えながら殺し続ける。
もちろん銃を発砲してきた奴は個別にむしゃむしゃだ。
易々とは殺さない。
易々とはな。
生きた状態で散々に痛めつけた後殺す。
以上だ。
俺は憤怒に身を任せて敵を蹂躙しまくった。
喰らい、斬り、叩き潰す。
そんな単調作業でエリートといわれたキトラの竜がいとも簡単にやられていく。
何人か避けては銃を撃っていたがそいつらは後回しだ。
恐らく竜人。
壊れにくい体を持つ者だ。
あとでゆっくりと玩具にしてやる。
まずはいらない連中の処分だ。
俺は突っ込むと雑魚を全員散らした。
もちろん逃がしたという意味ではない。
文字通り命を散らしてやった。
これで残っているのは竜人の兵士と戦車が1つ。
そばには正邪も転がっている。
どうしてやろうか…
遺体とはいえ正邪は出来ればちゃんと持ち帰りたい。
それが戦友としてせめて俺が出来ることだ。
先に動いたのは敵だ。
銃を発砲しながら銃剣で突撃してくる。
そんな特攻程度でどうにかなると思うなよ?
それにお前らが結界の札を持っていることもお見通しなんだよ。
俺は上空に跳びあがる。
俺は空中であるものに化けた。




