第5話 魔法試験です!
復帰作ってやつだね!
「よし!まずは私からね!」
順番はリン、ミラ、俺でルシルだ。
この試験は魔力量、魔法の威力、そしてちゃんと扱えているか、の三つを審査される。
ここではまず、魔力量の審査だ。
「名前と受験番号を。」
「はい!228575番 リンです!」
「…よろしい。では始めよう。まずは魔力量を見させてもらう。その場で魔力を溜めてみろ」
「よーし…!」
リンが魔力を貯める。…普通だな。まあ普段から国の一番上のやつの魔力見まくってるんだからそう感じるのかもしれない。
「…いいだろう。なかなかの魔力だ。」
「あ、ありがとうございます!!」
魔力量は大丈夫だろうなリンは。さて、次は…
「では、次番号と名前を」
「228579…ミラ…です」
「…よろしい。では魔力を溜めてみろ」
「…」
ミラが魔力を貯め始める。
「…凄い。」
ルシルが目を見開いている。それもそのはずだ。
俺から見てもかなりの魔力を秘めている。
なるほど、魔法の試験だけで受けると言い張るだけある。
「…いいだろう。君はどこかの貴族の生まれかい?」
「いえ、平民です。」
「そうか…素晴らしい魔力だった。よし、次に移りなさい。」
「ありがとうございます…。」
あ、ちょっと照れてる。嬉しかったんだろうな。
…可愛い。
「何してるの?次あなたよ?」
「あ、はい!よろしくお願いします!!」
「うむ、では番号と名前を」
さて、ここが問題だ。貴族だから名字を名乗るのが当たり前なのだが…ここでバラしたら大変だろうなぁ…。リンもミラも俺が魔王の娘って知ったら話しかけてくれないかもしれないし…。
一か八か…!
「228590番 …ハルです!」
「…ほう、君が…」
まずい!言うな…言うなよ!
「…よろしい、では魔力を溜めてみろ」
よかったァ…と俺は胸を撫で下ろし、魔力を貯める。…少し加減しないとな、、どれくらいかな…試験管の顔を見つつ調整するか…。
「な、なんだこの魔力は…」
げっ!5割じゃ流石にやりすぎたか…。ルシルも何も言えないのか目を見開いて口をあんぐりさせている。
「こ、これほどとは…よろしい。次に移りなさい。」
「ありがとうございます!じゃあルシル!後でね〜!」
「…ほんとに何者なのよ彼女…」
「では次、番号と名前を」
「228562番 ルシルです」
「…君はあの家の子か。よろしい、では魔力を溜めてみろ」
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「あ、ルシル!どうだった試験」
「あなたよりは劣るけどまあ大丈夫でしょうね。」
「二人ともすごいんだね!ここまで魔力がはっきり分かるほど強いだなんて!私そんな魔力持ってるのミラ以外知らないよ!」
「…悔しいけど二人の方が上……。」
ルシルもここから感知していたがなかなかの魔力量だった。それでもミラと同じくらい…いや、少し頭一つ出た感じか。
「ありがとう!ミラちゃんも凄かったよ!」
「…ありがとう。」
この子は褒められるとすぐ照れるな。ほんと可愛いなぁ…
「よし!次も頑張ろう!」
次の試験は魔法の威力とそのコントロールのテストだ。
四人一列に並んで、的を魔法で破壊できれば満点。
傷が付けられれば50点。当てることが出来たら20点 それ以外は0点だ。
また、見たところかなり強固に的は作られている上に魔法で強化してある。壊すのは並大抵の魔法では難しいだろうな。
「そう言えばあなた前の試験、あの魔力量で驚いたけど、あれでもかなり手を抜いてたでしょ。」
「そんなことないよ!あれでも8割くらいでやってたんだよ!?」
言えない!5割くらいしか出してないなんて言えない!
「ふーん、まあ次の試験のために少し温存するのは賛成だけど…(冗談のつもりだったけど本当にあれで加減してたのね…本気だとどうなってたのかしら…)」
それから数分後…
「では次のもの、四人前へ出てこい。」
よし、これが終わったらまだ武術もあるからな。さっさと終わらせよう。
俺たちは試験官に番号と名前を告げ、それぞれ指示された位置に並んだ。
「あの二人はなんか余裕そうね…」
「…あの的…かなりの威力がなかったら壊れないようになってる…気を引き締めて、リン」
「う、うん!」
「では順に魔法を放ってもらう。壊すことが出来れば満点だ。では、はじめ!」
リンから順に魔法を放っていく。あの魔法は…「フレアボール」か。リンの魔法はまっすぐ飛んでいき的に当たるとボン!と音を立て火花が散る。
向こうで別の試験官が手を上げる。
「…傷ありだな。よろしい、次!」
ミラが魔法を放つ。「フレアボール」か、だが威力は段違いだな。初級魔法とは思えん…中級くらいあるな。
ミラの魔法がまっすぐ的を射抜く。爆発とともに的は粉々に砕け散った。
「素晴らしい。満点だ。」
「…ありがとうございます」
「よし、次だ」
さて、俺の番か…じゃあ俺も無難に「フレアボール」で…
「あなた、私の的まで壊さないでよね」
「大丈夫!」
俺は「フレアボール」を作りだす…。
「…ねえミラ」
「うん…」
「「デカくない?」」
俺が加減して作った「フレアボール」はボールと言うよりは巨大な岩のような大きさになった…
「やば!ちっさくしないと…」
俺は巨大な「フレアボール」をピンポン玉くらいにまで小さくする。
「…あなた、極端すぎるわよ…」
…もう知らね!いっけー!俺のフレアボール!!
フレアボールと言うにはあまりにも小さいそれは目にも見えない速度で放たれ、的の中心を射抜き…試験場の壁を貫き…
「やばい!魔法解除!」
俺はこのままだと大事故に繋がると直感しすんでのところで魔法を消し去る。
「あ、危なかった…やりすぎる所だった…。あれ?」
全員が口を開け目を見開いている。ルシルは呆れて言葉も出ないようだ。
「あの〜試験は…」
試験官はハッとしたようにこちらを振り向き、
「あ、ああ、文句なしの満点だ。」
「…よかったァ。ありがとうございます!」
「し、しかし君、あの威力の魔法をあのサイズに留めて放つなんて…そんなの出来るのは我々教師陣でも限られて…」
まずい!
「む、昔からそういう練習ばっかりしてたもので!」
「そ、そうなのか…よろしい。」
ふぅ…何とかなったな。さて、次はルシルか…
「では次、はじめ!」
「はぁ…あなたのあとだと見劣りするわね…」
ルシルが魔力を練りみんなに合わせて「フレアボール」を放つ。的を壊すには十分すぎる威力のフレアボールが的に向かって放たれる。すげぇ…。爆風がここまできたよ…
「じ、十分だ。よろしい。では武術に移るといい。」
「ミラちゃんはどうするの?」
「ん、みんなの終わるまで外で待ってる。」
「そんなこと言わないで一緒に試験会場行こうよ!」
「でも…」
「大丈夫!なんか言われたら私がちゃんと言ってあげるから!」
「そうよ、またあの男が来たら大変じゃない。一緒に来なさいよ。」
「だってさ!ほら!いこ!!」
俺は手を差し伸べる。それに応えるように俺の手を握ってきた。
「…分かった」
遅くなりました(´;ω;`)すみません