4話 ご迷惑をお掛けしました
ついに、この時がやってきた!
今日、僕は7歳になった。
そう、それは、ステータスを貰う日!
これからの僕の進む道が決まる!って言うのは僕以外の人の場合。
僕はどんな内容になるか大体ていうか完全に分かっている。
魔法系のスキル全て、だ。
魔法系と言っても、どっからどこまでの魔法系スキルなのだろうか。
例えば、魔法剣スキル。
これは剣に魔法を付与することで剣に炎を纏わせたり、氷で覆ったりなどして戦うスキルだ。
剣にも関係しているこのスキルは、魔法系スキルに入るのか、剣術系に入るのか少々際どいところだ。
それはさておき、僕にとって最も大切なことは、回復魔法のスキルを持っている事だ。
多分大丈夫だと思う。
そして、今、ステータスを神様から貰うために村で唯一の教会に両親と共にやって来ていた。
初めて見た訳ではないが、入るのは初めてだ。
見た目は、壁が何かで汚れたような色をしており、何年前に立てたんだろうって感じだ。
教会の門を開くとギギギギィィと、いかにも古そうな音を出して門が開いた。
中は外と比べると、とてつもなく綺麗に見える。
壁は全てが白く、清潔感のある感じだ。
中に入ると、いかにも司祭です、って感じの服を来た人が出て来た。
服を来ているのは、顔はダンディなおじさんって感じなのだが、筋肉が服の上からでも分かるぐらい筋肉がついている。
歴戦の騎士ってかんじだ。
ていうか、そう言われた方がしっくりくる感じだ。
「おお、アドルクとエストリアか。よく来たな。」
「「おしさぶりです」」
この3人はどうやら知り合いらしい。
「お前達が教会に来るなんて珍しいじゃないか。なんのようだ?」
「今日は息子のステータスを貰いに来ました」
と、父であるアドルクが率先して答えた。
「ああ、そう言えばそろそろだったな。早速やろうか。私は、アルベルト。君、名前は?」
「アレイです」
「そうか、アレイ君か。いい名前だ」
そう言って、頭を撫でできた。
その手は、自分にも出来つつある剣凧【←ペンだこの剣バージョン】があって、ゴツゴツした手だった。
「アレイ、この人はなぁ元聖騎士団の団長なんだぞー」
やっぱり騎士だったんだぁ。うん?団長?… え!まじで!?
もしかして、いや、もしかしなくても超強い人じゃん!
そして1息子として気になることは自分の父とどっちが強いのか。
どうせ、アルベルトさんの方が強いだろうけど。
「じゃあ、父さんと、アルベルトさんって、どっちが強いんですか?」
「え?俺と団長?」
アドルクは、驚きながらも少し考えているようだ。
すると、アルベルトさんの方からこたえた。
「そうだな、私はもう歳だからな、今戦ったら、アドルクが勝つだろうな。楽には勝たせないがな」
え!?父さん勝てるの!?凄ぇ!!
「凄いです父さん!元とはいえ騎士団長に勝てるなんて!」
「俺が団長に勝つとかピンと来ないけど…」
「もうこの話は終わりにして、そろそろアレイのステータスを貰いましょ?早くアレイのステータスを見たいわ!」
アドルクが、納得せずずっと考え込んでいると、ワクワクしているのを隠そうともせず、エストリアが本題にはなしを戻してきた。
「そうだね…。宜しくお願いします団長」
「ではアレイ君ついて来なさい」
そして、無言でアルベルトさんについて行くと、そこは教会にある神様の像のめのまえだった。
「ここで神様に目をつぶってお祈りをしてくれるかい?何か体が軽くなった感じがしたら目を開けてくれ」
「わかりました」
アレイは、目をつぶってふと思う。
お祈りって何すればいいの!? ただ目をつぶっているだけでいいのかな?…… あれ?
そう考えているとふと、体が軽くなった気がしたので目を開ける。
一瞬目を疑った。
目を開けるとそこは、さっきまでいた教会ではなかった。
しかし、聞き覚えのある声がした。
『やぁ、7年ぶりだね…』
「そうだな、紙様」
『あれ?神の部分ニュアンスが違うくない?』
「いや、そんな事はない」
『ま、いいけとさ。それで?異世界生活はどうだい?』
「それなりに楽しくやってるよ」
『ならよかった。って言っても君を観察してたんだけどね』
「はあ?観察?そんな事聞いてないぞ!」
『うん。知らなくて当然だよ。だって言ってないもん』
「何が”もん”だよ。はぁ… それよりも!お前が使えないって言ってた魔法使えたんだけど!」
『あぁ、その事?それわね、魔法ってのは、魔力が足りないと魂を削ってしまうんだ。だからね、君が赤ん坊の間に試しに!とか言ってやったら魔力が足りなくて、魂削って死んじゃうから、そうならないようにっておもって先につかえないって、言ったのさ』
「え?…ソレって僕が最初魔法をつかったころ魂削ってだってこと?」
『そうだよ〜。あれは焦ったよ。急いで君の魂にストッパーかけてなかったら君死んでたんだよ? それに、回復した力ほとんど持っていかれちゃったし』
「それは、なんと言いますかぁ、その、ご迷惑をお掛けしました…」
アレイは、その場でとても綺麗な土下座を決め込んでいた。
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