ふたりぼっち
私、倉光茜には好きな人がいます。
その人は私の唯一の友人。親友と言っても過言ではないと思います。
――彼との出会いは中学校一年生のときにさかのぼります。
私は小学生のころから友達を作るのが苦手で、当時は一人も友達がいませんでした。六年間もあったのに、本当に一人も友達ができなかったんです。だからいつもひとりぼっちでした。
なので、中学生になったら絶対に、一人でいいから仲のいい友達を作ろうと決心していました。学校も変わることだし、それに乗じて自分も変えることができるのではないかと期待していました。
結果から言うと、自分を変えることはできませんでした。でも、一人の男の子と出会ったんです。
これから一年間お世話になるクラスに入って、とりあえず誰かに話しかけるにも勇気が必要だったので一度自分の席に着席した時のことです。右隣の席に座っていた彼は、唐突に私に向かって話しかけてきました。
「あ、え、っと……おはよ、う!?」
今にして思えば、男の子なのに随分と情けない姿だったと思います。目がチラチラとあちこちに泳いでいて、声はガタガタ震えていて、体はビクビク跳ねていましたから。
私は他人からあいさつをされることに慣れていなかったので少し緊張しました。けれど、目の前には今の自分より遥かに緊張した人がいるんだと思うと、落ち着きを取り戻すことができて。
「はひ! ほはようございましゅっ……」
声がひっくりかえってしまい、さらには盛大に、ものすごく噛んでしまいました。落ち着きを取り戻したはずなのに何たることでしょう。あの時以上に顔を真っ赤にしたことはあまりありません。
でも、そのおかげで完全に緊張が解けました。おかしくなって、笑いあいました。
それが彼――橘晴翔くんとの出会いです。
いざ話をしてみると、橘くんはその時、私と同じような心境だったそうです。
中学校に入学すると同時に引っ越してきたらしいのですが、友達作りがものすごく下手で小学生の時は幼馴染の女の子しか友達がいなかったのだと言います。だから中学校に入ったらまずは隣の人と仲良くなれるように精一杯努力しようと考えていたのだとか。
私たちは簡単に仲良くなれました。お互いに似たところがあったし、たぶん相性も良かったのでしょう。でも、これ以上に友達の輪を広げることは叶いませんでした。小学生の頃からの友達グループにずけずけと入っていくには二人分の勇気を足しても足りなかったのです。
結局、中学生時代はいつも二人っきりでした。本当に幸いなことに、クラスは毎年同じだったので孤立することはありませんでした。これだけはとても運が良かったと思います。
でも、おかげであらぬ噂が流れもしました。私と橘くんが付き合っているのではないかという噂です。
中学生にもなるとそういう話題が出るのは当然でしょう。いつも一緒にいる私たちのことを、付き合っているのではないかと疑う者が出てきてもおかしくはありません。
しかし、噂は噂。ただでさえ友達がいなくて誰とも会話しないので、真偽を確かめるすべなど無いわけで。私たちは噂を無視することに決めました。それが一番手っ取り早い解決策だと思ったからです。……他に理由があったとすれば、たった一人の友人を噂のせいでギクシャクしてしまい失いたくなかったからでしょう。
結果、諺にもあるように、人の噂も七五日。いつの間にか私たちが付き合っているのではないかという噂が耳に入ってくることはなくなっていました。
さて、そんなこんなで高校受験のシーズンを迎えました。
私と橘くんは頭が悪いわけではなく、学力の通用する高校は幅広かったと思います。でも、彼はふとこう口にしてくれました。
「倉光と一緒の高校に通いたいな」
その時。
私はドキッと、大きく胸が飛び跳ねたのを今でもよく覚えています。初対面の挨拶を失敗したとき以上に赤面してしまったことも。
きっと、橘くんからしてみればなんでもないことだったんだと思います。友人が一人もいない高校に入って、やっぱり友達が作れずに孤立してしまいたくないと、そう考えたのでしょう。もちろん私もそうでした。新しい高校で一人ぼっちになってしまうことを考えるとゾッとします。
けれど。
心のどこかで「彼と離れたくない」という感情があることに気が付いてしまいました。
それはきっと「好き」という気持ちで。
自覚した瞬間、橘くんとずっと一緒にいたいという気持ちがたくさん溢れてきて。
私は無意識のうちにこう答えていました。
「私も……高校生活を橘くんと送りたい、です……」
言ったそばから自分がとんでもない恥ずかしい発言をしていることを理解して、猛烈な勢いで顔をそむけてしまいました。その時の橘くんの表情は私に知る由もないのですが……とにかく、同じ高校を受験する運びとなりました。
受験する高校は高望みせず、確実に受かることのできて、かつ一番いい学校をえらびました。
受験勉強は大変でしたが、努力の甲斐あって無事、二人とも合格。晴れて同じ高校に通えるようになりました。
入学式後、新しいクラスの発表。私と橘くんはまたしても同じクラスとなりました。今までの私ならホッと一息をついてそれで終わりだったところなのですが……その時の私は心の中でトランポリンみたいにぴょんぴょん跳ねまわっていて、とても嬉しく思っていました。顔には極力出ないように気を付けましたが、きっとニヤニヤしていたと思います。きっとこれも、彼のことを好きだと自覚したからなのでしょうね。
橘くんの様子をうかがってみるとキラキラと目を輝かせていて、「また一年間よろしく!」と右手を察し出して握手をお求めてきました。
もちろん答えないわけにはいかないので、私も右手を出したのですが――よくよく考えてみると橘くんと手をつないだのはこれが初めてで。
嬉しいのと同時に、とても恥ずかしかったのは仕方のないことだと思います。
ということがあって。今、私は高校二年生。相変わらず友達はいませんが、やっぱり橘くんと同じクラスになったのはもはや予定調和でしょう。ただ……
『君に伝えたいことがあります。明日の放課後、中庭に来てください』
……ど、どうしましょうか?
□□□□
事の発端は昨日の放課後です。
私と橘くんは部活に所属していないので、授業が終了したらすぐに帰宅しています。なので終礼が終わり次第、靴箱で靴を履き替えて帰るという流れなのですが……私の靴箱には、白い封筒が入っていたのです。
当然、驚きました。入れ間違いではないのか、と疑ったりもしましたが、『橘さんへ』としっかり印刷されているところからそうではないとわかります。
咄嗟に私は手紙を鞄の中に隠しました。橘くんに知られたくなかったからというのもありますが、何より恥ずかしくて戸惑っていて、どうすればいいのかわからなかったからです。
私の行動が変に思われていないか橘くんの方に目をやると、こちらもまた何やら焦っている様子でした。
ええ、それもそのはずです。
何を隠そう私が、昼休みにこっそりとラブレターを入れておいたんですから。
いたずらが成功した子供のような気分でした。手紙にはこう書いてあります。『あなたに伝えたいことがあります。放課後、中庭に来てください』。
そうです。私はついに、明日、橘くんに告白しようと思っています。
彼のことが好きというこの感情を持ち始めて、すでに一年と半年は過ぎています。もう、この気持ちを抑えることは不可能だと判断したのです。
普段の会話も、だんだんと落ち着かなくなってきて。顔を見るたびに体温が上がって。ちょっと肌が触れたりすると、ドキッとする。このままでもいい、今の関係のままがいい。でも、もっと深い仲になりたい。そう思うようになっていました。
当然、失敗したら今の関係はなくなってしまいます。お互い気まずくなってしまうでしょうし、今までのような付き合いはもう無理でしょう。
それでも、前に進みたいから。
だから告白をしようと決心しました。
……した、のですが。
「な、なぜ私がラブレターと思わしき手紙を受け取っているんでしょうか……?」
我が家の自室で、ベッドに横になりながら考えます。
『伝えたいことがあるから中庭に来てほしい』。どう考えても告白でしょう。にしたって、私が告白する日に、時間に、同じ場所に呼び出さなくてもいいじゃないですか。これでは私の計画が駄々狂いです。
そもそも。私はクラスでおとなしい――むしろ暗いと思われているはずです。いわゆる根暗だと。
そんな女の子を好きになる男の子がいるのでしょうか?
外見は……自信がありません。ベッドから降りて部屋にある姿見の前に立ってみます。
身長は確か一五〇センチと少しくらいだったでしょうか。肩にかかるぐらい髪の毛は毎日きちんと手入れしていますが、くせっけでところどころ跳ねてしまっています。顔は……自分で言うのもなんですが悪くはないと思います。でも、生まれつき目元は少しキッとしていて、よろしくない。かわいい、とは思われにくいでしょうね。
スタイルも、別にいいわけではありません。胸は無いとは言いませんが、周りに比べれば一回り小さいので自信がないですし、太っているわけでは無いにしてもモデルさんみたいにきゅっとしまっているわけではなく、なにより安産型のお尻はあまり好きではありません。
面倒くさいという理由だけで化粧もしません。女子力はかなり低いと思われます。
少なくとも、美少女と胸を張って言える外見とは言い難い。むしろ性格も相まって避けられるのが当然といった感じでしょうか。
「自己評価は空しくなるだけなのでやめておきましょう……」
さびしくつぶやいて、再び全身の力を抜いてベッドに倒れこみます。
さしあたっての問題は明日の放課後をどうするかです。
橘くんに告白をするのが最優先事項なのですが、それを実行しようとするとこの手紙の主が現れてしまうのは必然です。指定の場所と時間がかぶっていますから。
あっ。そういえば中庭には隠れられそうな場所が結構あった記憶があります。
となると――
「橘くん! すみません、今日の放課後は少しやることがあって、一緒に帰れそうにありません……」
「あ、そうなの? 別に大丈夫だよ、気にしないで。僕も用事があったから」
翌日の終礼前。一緒に帰ることができないことを伝えると、何でもないように橘くんは了承してくれました。こうあっさり言われてしまうと少しさびしい気もしますが、橘くんの用事とは私の出した手紙のことのはずですから、落ち込む必要はありません。
私の行き当たりばったりな作戦はこうでした。
まず、終礼が終わったら即座に教室を飛び出して中庭へ。そして花壇の裏に隠れて、橘くん、もしくは手紙の主であろうと思われる人が来るのを待ちます。
先に手紙の主が現れたら素早くここから飛び出して速攻でお断りします。そもそも私が好きなのは橘くんですから、他の人と付き合うことなんてできません。相手には嫌な思いをさせてしまうかもしれませんが、もし告白シーンを見られでもしたら橘くんは気を利かせて離れてしまうことでしょう。そうならないための手段です。
逆に、先に橘くんが来たら即座にここから飛び出してすぐさま告白します。成功したら一度橘くんにはこの場から離れてもらって、今度は普通に手紙の主を待ち、丁重にお断りする。これで完璧なはずです。
仮に失敗したら――。
……。
失敗、したら?
いや、です。
失敗したくない。
そうですよね。失敗する可能性があるんですよね。今の今まで、失敗の可能性はあるものの絶対に成功すると勝手に思い込んでいましたが……そんなことは誰も保障してくれるわけがありません。
よくよく考えてみれば、私なんかと橘くんは付き合ってくれるのでしょうか。
外見も中身も、とてもじゃありませんが胸を張って誇れません。そんな女の子を、橘くんは受け入れてくれるのでしょうか。
いいえ、昨日の夜も考えたはずじゃないですか。例え失敗しても、前に進むためにどうしても必要なことだから――。
そんなことを考えていると、いつの間にか終礼は終わっていました。
とにかく移動しないと……でも……。
一瞬でも失敗したときのことを考えてしまったせいで、急がなければいけないのに足が動いてくれません。もたもたしていると、心配してくれたのか橘くんが話しかけてきました。
「あれ? 倉光さん、放課後は用事があったんじゃないの?」
「えっ。あ、はい。そうなんです、けど……」
「どうしたのさ、声が震えてるよ?」
私の声が震えている? そ、そうでしょうか。自覚がありません。
「すみません、ちょっと緊張していて。今から人生最大の賭けにでようと思っているんです」
「そうなんだ。大変だね」
「ええ、大変なんです」
……というか。
よくよく考えてみれば、わざわざ手紙で呼び出して二人きりにならなくても、基本的に私たちは二人で行動しているわけで。
今更ながら気が付きましたが、放課後の帰宅中にちょっと寄り道していい感じの場所で二人きりになって、そこで告白するという発想もあるじゃないですか。妙に回りくどいことをしたせいで、今ややこしいことになっていると初めて気が付きました。
ああ、面倒くさいです! もういっそのことここで告白してしまいましょうか!? 「あの手紙を出したのは私です」って! 「好きです付き合ってください」って!!
「えっと……声に出てる、よ?」
「え?」
あれ。
あれれー?
「……聞いちゃいました?」
「結構大きい声だったから、クラス中にばっちり聞こえたんじゃないかな」
私は全力で走り出しました。
どこにも当てはありませんでしたが、とにかく走り出しました。
どうしてこんなことになったのでしょう。
私は走って走って、いつの間にか家の近くの公園に来ていました。
ブランコに座ってボーっと夕日を見ています。
そういえば、ラブレターをくれた人は何者だったのでしょうか。完全にすっぽかしてしまったので相手には悪いことをしてしまいました。
……ついでに、橘くんにも告白してしまいました。
まさか自覚なしで声に出しているとは。しかも終礼終了直後、クラスにまだ人がたくさん残っている状態で。明日は噂になること間違いなしです。
ああ、それを言うなら橘くんもおんなじでしょうね。友達はいませんがこういった話題が好きな人はたくさんいますし、どう返答したのか気になる人は多いことでしょう。
憂鬱です。もう明日、学校に行きたくありません。
ため息をつくと、ちょうど五時。公園で遊んでいた子供たちが家へと帰っていき、私は一人取り残されました。
「こんなところにいた」
「……橘くん」
誰もいなくなった公園に、橘くんがやってきました。
それはそうですよね。家もそれなりに近いですし、探そうと思えば簡単に探せます。
彼はその肩に私の通学鞄も持っていました。
「ほら、忘れ物」
「ありがとうございます……」
いつもと変わらない態度でした。告白しても、何も変わっていません。
気にしていないということなのか、あれは事故だからノーカウントにしているのか。私に知るすべはありません。
立花君は無言で私の隣のブランコに腰を下ろしました。
しばらく、静寂が続きます。心臓がドキドキと跳ねていて、とてもではありませんがこれ以上は耐えられないと思ったその時、橘くんはようやく口を開きました。
「友達ってなんなんだろうね?」
「……え?」
なんの脈絡もなくそう言われても戸惑うことしかできません。
友達。私と橘くんが、どうしても作れない存在です。
「友達ってどこからが友達なんだろう。一緒に笑いながら話すことができれば友達? 一緒に遊んだらもう友達? 一緒にいて不快じゃなかったら友達? 基準はわからないけど、でも、僕と倉光さんは少なくとも今、『友達』だよね?」
「……そう、ですね」
改めて、面と向かって友達と言われると、少し気恥ずかしいです。そもそも、友達に友達であることを確認するということは無粋なことなのかもしれません。私は友達が橘くんしかいないので、なんとも言えませんが。
「じゃあ、親友ってなんだろう。僕と倉光さんは親友かな?」
「どう、でしょうか。わかりません」
確かに、親友の定義は曖昧です。どこまで仲が深ければ親友と言えるのでしょうか。自分の心の内をすべて吐き出せる、信頼のおける関係、とか。
「親友の定義はともかく、僕は倉光さんのことを親友だと思ってる。これからもずっと一緒にいたいしね」
「それは――私もです」
話が見えてきません。ですが、橘くんとずっと一緒にいたいという思いは私も同じでした。それがうれしくて、体温が上昇してしまう感覚を覚えます。
「じゃあ。ずっと一緒にいたいっていう気持ちは、恋なのかな?」
……。
「今から僕は結構恥ずかしいことを言うから、あんまり覚えていてほしくないんだけど、でも聞いてほしい。僕はさ、倉光さんのことが好きだよ。唯一の友達だからとかそういうのじゃなくてさ。話してるだけで落ち着くし、たまに寄り道して遊んで帰るのが楽しいし、一緒にいるだけで幸せに思える。君が落ち込んでたら僕も悲しくなるし、君が笑っていたら僕もうれしくなる。でも最近思うんだ。これって、好きとは違う感情なんじゃないかって」
……。
「高校生が何言ってるんだろうって話なんだけど。僕は倉光さんのことを、愛してるのかもしれないね」
その瞬間でした。
私の体は、無意識のうちに動いていました。
「実は……ってうわ!?」
全力で。それはもう全力で、私は橘くんに抱き着いていました。
あまりにも。
あまりにも幸せで。
もうこれ以上にないくらい、嬉しくて。
言葉を失って。
とにかくいろんな気持ちが溢れてきて。
涙が止まらなくて。
そして、橘くんに対するこの気持ちが「好き」から――
――「愛してる」に全部変換されてしまって。
橘くんは私の背中に腕を回すと、ぽんぽんとやさしく叩いてくれました。
「いつも一緒にいて、いつも二人だけで遊んで。いつの間にか『倉光さんがいれば他に友達なんていらないかな』なんて思ってる自分がいて。好きな気持ちに気が付いて。そのまま一年以上経ってさらに気が付いたんだよ。僕は倉光さんの全部が欲しいんだって。君が歩んでいく、これからの人生すらも。常に一緒に歩いていきたいんだ」
橘くんは私の涙が止まるまで、ずっと抱きしめてくれました。そして、ようやく涙が止まって。
「実はさ、倉光さんにラブレターを出したのって僕なんだ。びっくりするぐらい同じタイミングで倉光さんも僕にラブレターを出してくれたみたいだけど」
「そうだったんですか……」
ものすごい確率だと思います。そんなこともあるんですね。
「改めて、ちゃんと言うよ。倉光さん、君のことを愛してる。僕と付き合ってほしい」
「はい……! 私も、橘くんのこと、大好きです。愛してます!!」
結局、なんやかんやで。
私の告白は、逆に告白されるという形で成功したみたいです。
□□□□
ちょっとだけ、その後のお話をしたいと思います。
当然、終礼直後の告白劇は噂になっていて、学年の全体にまでいつの間にか噂は広がっており、しかも成功したわけで、私たちは同学年全員が認知するカップルということになってしまいました。
と言っても、元から私たちはいつも一緒に行動していたので、裏が一切取れないとはいえ付き合っているのではないかというひそかな噂は十二分にあったらしく、それが結果的に「やっぱりな」となっただけのようでした。
友達も、ほんの少しだけ増やすことに成功しました。今回の件で私たちに興味を持った人が話しかけてきてくれたからです。自分から動いて友達を作れないのは情けないことこの上ないのですが、それでも友達が増えたというのは喜ばしいことでした。
その時出来た友達に「付き合ってるんだから下の名前で呼び合いなよ!」と言われてしまい、私は恋人のことを晴翔くんと呼ぶようになり、晴翔くんは私のことを茜と呼ぶようになりました。
大学も友達と一緒に晴翔くんと同じところを受験しました。
結果は見事全員合格。大学生活は本当に楽しいものになりました。冗談抜きで、一生のうちで一番楽しかった日々だったと思います。
そして私と晴翔くんは大学の卒業と同時に結婚しました。
晴翔くんのプロポーズはいくら成功するとわかっていても緊張していて、あの時の表情は忘れられそうにありません。
……きっと。
幸せな出来事はまだまだたくさん起きるでしょう。
その一つ一つを大切にして。
かけがえのない人と二人で、これからの人生も歩んでいきたいと思います。
作品の完結力が欠如していると感じたので、短編小説で練習。
改めて難しいと感じた今日この頃でした。
心理描写とか難しくて僕にはできません!!