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リュボーヴィ クローリク  作者: 西瀬 零真


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8/14

第七話 「小悪魔系属性、完全実装」

※本作はオリジナル作品です。

※BLゲーム世界が舞台ですが、女性主人公視点で進みます。

※更新は不定期です。

予鈴が鳴り終える頃、先生が教室に入ってきた。

さっそく、うゆくんの紹介が始まる。



「今日から入る転入生を紹介する。

有栖(ありす) 結真(ゆいま)くんだ。みんな仲良くしてやってくれ」


「みなさん、よろしくお願いします…」



…えええ、かわいい。

さすがは私の推しである。

初々しく、そしてどこか緊張しているその姿は、“人間界に舞い降りた天使”そのものだった。

我らがうゆくんの様々な表情が見られるこの状況に、思わず感服せずにはいられなかった。



「それじゃあ、有栖は空いている席に着いてくれ」



先生に促され、うゆくんは席へと向かった。

座っている姿すら様になると、一人で浸っていると——


ふと、うゆくんと目が合った。


頬を赤らめ、にこりと笑うその姿は、

まるで()()()()()()()()()()()()()と錯覚してしまうほどである。


すると、横から小さく小突かれた。



「おい……お前、いくら自分の弟だからって、さっきから顔が緩みすぎだぞ」


「いいんです。

可愛い義弟(おとうと)の晴れ姿は、姉として嬉しいものなんです!」



私の様子を不思議そうに見る(ひばりの)くんに、私は事実を述べた。

だが、その会話を真顔で見つめるうゆくんの視線には、まだ気づいていなかった。


そして、そのまま昼休みを迎えた。

うゆくんに食堂の場所を案内しなければ...と考えていると、うゆくんの方から私の席へと近づいてきた。



「あの、鈴乃お姉様…

よければ、僕と一緒にお昼ご飯を食べませんか?」



私は咄嗟に口元を手で押さえた。

——恐らく、にやけているであろう顔を隠すためである。



「もちろんよ。一緒に食べましょう。

食堂まで案内するから、私についてきて」



浮ついた気分で席を立った、その時——



「なぁ、俺も一緒に行ってもいいか?」



野くんが声をかけてきた。


(ちっ……攻略対象め。

せっかくの、うゆくんとの甘いひとときを……)


内心ではぐぬぬと歯噛みしつつも、

淑女の仮面を崩さず、仕方なく承諾しようとした、その瞬間。



「あのっ…!

今日は、その…僕、色々初めてで緊張してて…

お、お姉様と、二人がいいです…!」



——ぐはっっっっっっっ。


反則である。

私は見事に、うゆくんにノックアウトされた。


野くんは一瞬、驚いた表情を浮かべたものの、

彼は基本的に明るく前向きな性格だ。

すぐに気を取り直して、笑顔で頷いた。



「おぅ、そりゃそうだよな。初日から無理言って悪かった!

あ、俺は野 風音だ。よろしくな!

また今度、一緒に飯食おうぜ!」



そう言って、彼はそそくさと教室を後にした。

私たちは返事をする間もなく、その背中を見送ることになった。


気を取り直し、食堂へ向かう途中。

うゆくんが、ぽつりと声を落とす。



「…あの、鈴乃お姉様。

野さんの、せっかくのお誘いを断ってしまって、すみません。

ただ…お姉様と、とても仲が良さそうだったので…

少し、寂しくなってしまって…つい、あんなことを」



——ぐはっっっっっっっ。


再び、反則である。

私は完全に、うゆくんにノックアウトされた。

そんな、潤んだ瞳で見つめられてしまえば、

許さない理由など、どこにも存在しない。



「……気にしなくていいわ。

私は、いつでもあなた優先よ。

寂しがる必要なんて、ないの」



その言葉に、うゆくんは一瞬で表情を明るくして、

「はい…!」

と、心底嬉しそうに頷いた。


私は今日という日を、決して忘れないだろう。


そして——

うゆくんの“小悪魔属性”が完全実装されていることを

攻略対象たちよりも先に知ってしまった私は、

なぜだか少しだけ、(まさ)った気分になっていたのだった。


ここまでご覧いただき、ありがとうございます。

よければ評価・ブクマ・♡で応援していただけると励みになります。

感想など頂けましたら泣いて喜びます…!


学園編続きます〜☺︎

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