第二十八話 「作戦開始」
※本作はオリジナル作品です。
※BLゲーム世界が舞台ですが、女性主人公視点で進みます。
※次回も三日以内に更新予定です。
あの日は……結局、作戦会議はできず。
まったく何ひとつ進まないまま、一日が終わってしまった。
そして、現在に至る。
相変わらず学校で、あの二人が話している様子はない。
ここ最近のうゆくんも、父と忙しそうにしている様子は変わらない。
私は、ため息を吐いた。
すると——
「随分と退屈そうだな」
「おかげさまで……」
「まあまあ、そう怒るなよ」
白水はご機嫌そうに笑いながら、私の隣へと立った。
「あの二人は?」
「相変わらずよ……」
「まあ、そうだろうな」
この男、本当に協力する気があるのだろうか……
疑いの眼差しで白水を見つめると、
彼は少しだけ、真面目な表情へと変わった。
「いいか、鈴乃」
「お前の心配する気持ちが分からんでもないが……
前提として、これは“あの二人の問題”だということは忘れるなよ」
「たとえ、野 風音がお前と九条を勘違いしていたとしても、勘違いしたあいつの落ち度だ」
オタクの気持ちが貴様にわかるか!と言い返したいところだが、
彼の言い分も決して間違いではない。
確かに、状況はゲームの世界と似ている。
けれど、ここは現実だ。
それは、ちゃんと分かっているつもりだ。
つまり——余計なことに首を突っ込むな、ということなのだろう。
でも、だからこそ……
彼らの誤解を解きたいと、どうしても思ってしまう。
「だが、まあ。
そうは言っても、今のお前は一度言い出したら止まらないだろう」
「だから、協力する。二言はない」
「けど、無理はするな」
「何かあったら必ず俺に相談してくれ」
あまりにも私を気遣うような口ぶりに、少し驚きながらも頷いた。
ここ最近は、彼のペースに振り回されてばかりだ。
「それでだ。
恐らく、このままいけば——
あの二人は単独では一向に動かず、誤解したままになるだろう」
「それは……そうかも」
「なら、こちらが“場”を用意するしかない」
「……え、それって」
白水は、僅かに口元を上げた。
「四人で会う」
「……は?」
「あいつらに逃げ場を与えない。
それに四大財閥同士が集うことに、何の問題もない」
「いやいやいや、ちょっと待って!?」
彼の唐突な提案に、思わずあたふたと慌てる。
「それって修羅場にならない?」
「そうなったら、その時に考える」
いやいや、そういう問題か?
……でも、悪くはないのか?
頭の中で、あれこれと思考を巡らせる。
「まあ、そんなに心配するな。
形式はただの茶会だ」
「それにもう招待状は出してある」
「……最初から拒否権はなかったのね」
(しごできかよ……この男)
口角を上げながら淡々と告げる白水を前にして、感謝と複雑な感情が入り混じる中、
私はこの状況を受け入れるしかなかった。
……波乱の予感しかしないのだけれど。
これは間違いなく強制イベントだ。
そうなると、オタクとして燃え(萌え)てくるものもある。
「やりましょう、お茶会イベ!」
「いべ?」
「ここまで来たら、同じ轍を踏んだ仲間同士——
二人の行く末を最後まで見届けましょう!」
「なんだか、よく分からんが……
生き生きとしたいい顔だな」
白水は、どこか安心したように息を吐いた。
こうして——
私たちは、ある意味最も危険な“茶会”を開くことになったのだった。
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やっと作戦始動です☺︎




